花の生涯 梅蘭芳 : インタビュー
「さらば、わが愛/覇王別姫」(93)のチェン・カイコー監督が再び京劇の世界を描く「花の生涯/梅蘭芳」。実在した伝説の女形・梅蘭芳(メイランファン)を演じたレオン・ライと、梅蘭芳と恋に落ちる男形スター・孟小冬に扮したチャン・ツィイーが、本作の魅力をたっぷり語ってくれた。(取材・文:編集部/撮影:堀弥生)
チャン・ツィイー、レオン・ライ インタビュー
「梅蘭芳と孟小冬の置かれた立場は私たちと似ている」(チャン・ツィイー)
「『覇王別姫』とはまったく異なる作品。プレッシャーはなかった」(レオン・ライ)
――梅蘭芳の魅力とはなんだと思いますか?
レオン・ライ「梅蘭芳の魅力は、舞台上で演じる姿から感じるものだと思います。当時の京劇は、中国の伝統芸能の中でも国宝のようなものでした。どこの国にも宝と呼ばれるような伝統芸能はあると思いますが、梅蘭芳は今日の芸能界で働く我々の礎を築いてくれた存在です。だからこそ彼の舞台は輝かしいものなのです。残念ながら現在彼の舞台を見ることはできませんが、たとえ見ることができたとしても、その魅力を言葉で表現するのは難しいと思います。人によって感じ方が違いますからね。この映画では、舞台上の梅蘭芳だけではなく、彼の魅力すべてが語られています」
チャン・ツィイー「私から言うとしたら、世界中にたった1人しかいない梅蘭芳。これこそが彼の魅力なんだと思います」
――この映画には格別な思い入れがあったそうですが、どんなところに一番惹かれましたか? また、役に共感した部分はありますか?
チャン・ツィイー「梅蘭芳と孟小冬という2人の人物は、お互いに理解し合える仲間だったと思うんです。というのも、私たち俳優同士の間でもそう感じることがあるから。私自身が置かれた特殊な立場、同じくレオン・ライさんが置かれた立場というのは、彼らの立場やバックグラウンドと似ています。そして同じ職業だからこそ理解できることがあるんです。何も言わなくても相手が何を求めているか分かるから、お互いに通じ合えたのでしょう」
レオン・ライ「この映画に登場するすべての人物が役割を持っていて、それぞれの考え方を持っているという部分でしょうか。また、ツィイーは僕にとって随分昔からの知り合いなので、今回“国宝”と呼ばれる京劇をテーマにした作品に一緒に参加できたことにすごく縁を感じています」
――チャン・ツィイーさんはハリウッドに進出していますが、今回この作品に出演したのはなぜですか?
チャン・ツィイー「とにかくキャラクターに大変魅力を感じたからです。また、この作品のオファーが来る前に孟小冬に関する自伝や書物を読んでいたことも理由のひとつです。彼女について語りたいことは山ほどありますが、今日は時間がないからやめておきます(笑)。本当に魅力的な人物なんですよ。それと、チェン・カイコー監督とは前々から一緒に仕事をしようと話していたので、今回ようやく夢が叶いました」
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