スラムドッグ$ミリオネアのレビュー・感想・評価
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反吐が出そうで、目が醒めるような傑作
反吐が出そうなほど汚く、家畜以下でしかない極貧の子供達。しかし圧倒的なインパクトと力強さと存在感。どうしようもなく単純なストーリーだけど、これほどまでに1シーン毎に感動的なのはなぜだろう。恐らく今の日本人がまったく同じストーリーで映画を作ったとしても半分のクオリティーも達成できないだろう。筋書きなどいらない。この人間力、生命力。しかしインド人というのは気性が荒いというか、躍動的な国民性なんだなとつくづく感じる。
同じような極貧層の子供に焦点をあてているという点で『シティーオブゴッド』に似た世界観をも併せ待つが、この作品のほうが内容的にはもっと優しさがあるし、内容的にははるかに単純明快だが、何となくシンクロし得るというか、2作同時に楽しむと改めてさまざま感慨深いものがあるような気がする。
最後は、インド映画お決まりのダンスが入る。これを観て北野監督の『座頭市』を思い出した。あのダンスシーンはインド映画からヒントを得たものなのだろうか。あるいは、この映画の監督が、『座頭市』の映画を観て、『逆輸入』する形でこのシーンを入れたのか。ただの偶然なのか。
とにかく理屈抜きに、目が醒めるような作品である。解説は必要なし。ただ観るのみ。
流れるような120分。
気付けば、アッという間に幼少期から青年へと変わる流れ。
観ていてダレる事がなかったです。
サントラもインドらしくて良かった。
最後の一問。
テレフォンでの彼女とのやりとりが素敵でした。
でも個人的には間違ってほしかったかな。
「ファイナルアンサー」と言う前に、本当に欲しいものはもう手に入れてましたから。
インドらしい歌とダンスが爽快
知識が体験に基づいている人は豊かだなと思った。ムンバイのスラムで必死に生きてきた男の子の恋物語を応援せずにはいられない。ラスト、インドらしい歌とダンスが爽快な気分にさせてくれる。
ポータブルDVDによる車内鑑賞レビュー
通勤時間を活用して、ポータブルDVDプレイヤーで車内鑑賞、モバイルPCで感想文を車内執筆をしております。
今作は
■ 「生命力に満ちたインドの民衆」 VS 「前近代的で陰鬱なインドの現実 」
という 凄まじいほどの陰影の差に瞠目し、
■ 「取り調べ室」 ⇔ 「クイズ$ミリオネア」 ⇔ 「ジャマールの半生」
(現在) (ちょっと前の現実) (過去)
という 3つの時空間を縦横無尽に行き来していく構造に狂喜しながらも、
■ ジャマール → 「クイズ$ミリオネア」 ← ラティカ
という 終盤の盛り上がりを捻出できた構図までもを
活かすことができなかった、残念な映画。
と、勇気を振り絞って発言させて頂きます。
制限文字数では語り切れず、完成版はこちらまで、ネタバレ注意。
↓
http (ダブル・コロン) //ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-99.html
これは正統派の純愛ドラマだ
文句なしに面白い。
スラム育ちのジャマール(デーブ・パテル)と、クイズ番組MCで教養あるクマール(アニル・カプール)の静なる戦いを進行役にして、ジャマールがなぜ難問に正解していったのかを解き明かしていく。それは、親をなくした幼い子供たちがスラムで生きていくことがいかに過酷なことかを物語るものだった。
クイズそのものは西洋文化を知るものにとってそれほど難しいものではない。この映画は、問題を解くことはさして重要ではない。なぜ無学の青年が難問題のクイズ番組に出ようとしたのか、その真意が最後に明かされる。
「運じゃなく、運命だった」これは正統派の純愛ドラマだ。
随所に笑えるシーンを散りばめ、音楽も色彩も最高!
p.s. どこの国でもTVの司会者というのは意地悪そうで、「お嬢さん」が口癖の某司会者に似ているものなのか?
拍手を贈りたい
見終わって自然と拍手をしていました。
劇中、刑事が"金と女は人生を間違わせる"みたいなことを言っていたけど、最終的に彼はそのどちらも手に入れた事になるんだよね。
彼が求めたものは
億万長者になることじゃなくて、彼女への愛だったってところも、実にグッとくるものがある。
〜人生とは何を選択するか?正しく生きれば幸せになれるんだ〜そう思わせてくれる映画です。
近年最高かも。
お薦めします。
総合エンターテイメント映画として優れた作品
インドが抱える社会問題を浮き彫りにした重い内容を含んでいるが、クイズショウという特殊な設定のもとにテンポのよい構成と音楽で、エンターテイメントに昇華させている点が見事だと思った。純愛物語としても見ることが出来るし、インド映画のお約束であるミュージカル要素も盛り込んだ、まさに総合エンターテイメント。
過去と現在が交錯する構成はよくあるけれど、ジャマールの少年時代、クイズショウの本番、不正を疑われ警察に取調べを受け過去を告白するジャマール…と3D構成になっていることで、わずらわしい説明なしに物語を追うだけで彼の半生を自然に理解できる。
ライフラインの使い方も実に巧み。
インドの混沌とした社会背景と疾走感のある打ち込み系ダンスミュージックの融合も斬新。様々な悪意から逃げながら生き延びていく疾走感に溢れたジャマールの人生を音楽が何よりも伝えてくれている。
日本映画であればラストで負けるオチもありだと思うのだが、形としての"勝ち"にこだわったラストも清々しく後味が良かった。
期待しすぎ・・・?
かなりの期待で観てしまったので、ちょっとあれ??って思ってしまいました。
幼なじみの女の子とも何度も再会してしまうのも、現実的じゃなくていかにも〜って感じだしなぁ・・・。
公開当時、エンディングまでしっかりみると大ドンデンが、なんて聞いていましたが、DVDでみると、ど、どれが大ドンデンなのかもわからない、っていう感じで。
インドのストリートチルドレンや、貧困というのを再認識するにはいいのかもしれませんが、期待外れでした。
カレーというよりはタンドリーチキン
踊られてしまった。
そしたらもう敵わない!
エンディング、インド人もびっくりのダンシングで悲惨なそれまでがふわっと宙に舞ってどこかへ飛んでいく。その後味がダニーボイルっぽいなと思った。物語にすっかり心を引き込んでおいて、最後にこちら側へボールをパスする感じ。それでハッとして、冴え渡った気分になる。これがソーカイカン?
それにしても
生きていくこと=サバイバルであり、
誰かを信じて手を取り合うことも、誰かの手を振り払い裏切ることも、
同じようにある。みんなそうだ。
何かを得るためには何かが犠牲になる。
ということを誰もが、受容している、と思ったり、
そんな風に、裏切りや不条理に慣れ親しんでしまってる私に、
ジャマールの正義は正しく強く訴えかけてきた。
うっとうしいくらいに、揺ぎ無く、辛辣に。
だからスクリーンの暴力をみて、何にどう自分が反応し、感じているのか
突き止めてみるのが少し怖かった。
私の生活には一人でカフェに行ってルンルンするくらいの余裕があるから。
子供たちが走る姿、町の泥まみれのエネルギー、お腹に響く太鼓の音、
そこにある全てを巻き込んで行くリズム。
繰り返される辛い仕打ちに、どうして心が折れてしまわないのか、って
初恋の思い出など捨ててしまえば楽になるのに、って思った。
激流に身を任せてしまえばいいのにって。
最後にクイズに正解したことに、私は少し驚いた。
いきなりのハッピーエンドに、途惑って違和感があった。
それで、そのまま、あのダンス!
陽気すぎる!
そのパスをうけて、たじろいだけど、大事にとっておこうと思いました。
ただ現実をえぐり出すのではなく、
堂々とミラクルを起こしてみせる、監督の強い意思や姿勢はさすが!
映画ってやっぱり素敵だとそればっかりで楽しげな帰り道。
ただ楽しいだけじゃなく、楽しむほうを選択するってこと。
後味の良い大いなる結末に拍手
自ブログより抜粋で。
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この映画は三つの時間軸を同時進行で描いていく。
ジャマールが正解し続けるクイズ番組の進行に沿った時間。
正解に結びつく彼の人生を追った時間。
それを説明する警察署での時間。
映画の冒頭で、観客にひとつのクイズが提示される。「ジャマールはなぜミリオネアになれたのか?」
その解答の選択肢は、「A:インチキだった。B:ついていた。C:天才だった。D:運命だった。」の四つ。
映画としての正解は終幕時に提示されるが、映画製作の裏方である自分にとっての正解はこの中にない。ひどくうがった見方で申し訳ないが、作り手側の発想での答えは「脚本家がそうしむけたから。」だ。
原作があるそうだが、脚本の組み立て的には、彼の過酷な半生の中から、かいつまんでクイズを出題&正解しているだけなので、そこだけ見れば究極のご都合主義映画と言っていい。
正解し続けるとわかっているクイズ番組なんて退屈なだけのはずだが、もちろんこの映画はそんな単純な話ではない。
クイズ番組を題材にはしているが、本当に見せたいのは彼がクイズに正解し続けるのとシンクロして描かれる、過酷な運命をはね返し続ける、たくましい生き様、一途な純愛にある。まずこの構成が巧い。
映画の中では「こういう人生を歩んできたからクイズに正解できた」と説明されるが、映画の構成は「難しいクイズに正解するかのように多難な人生を生き延びている」。
ジャマールが生きてきた半生は胸が締め付けられるくらいにつらいものなのに、映画からはどこかファンタジックな印象を受けるのはそのためだ。
ご都合主義映画と言ったが、そんな安易に作られていないことはジャマールが答えに窮した場面に表れている。
「クイズ$ミリオネア」では、回答者が答えがわからなかった場合に“ライフライン”と呼ばれる救済措置が用意されているが、この使い方がまた非常に巧みで、映画的にほかのどんなクイズ番組でもなく、「クイズ$ミリオネア」でなくてはならないという作りになっているのに感心した。
そのひとつが、ジャマールがインドの人にとっては常識的な問題の正解がわからず、番組の観客に答えを尋ねることのできる“オーディエンス”を早々と使ってしまうこと。
これによってジャマールはやはり一般常識すらままならないことが明示される。
多くの問題はジャマールの生々しい記憶から出題されるが、“フィフティ・フィフティ”を使う場面は、彼の“忘れられない記憶”ではなく、半生に裏打ちされた“たくましい本能”が正解に導く。
そこに至るまでの半生を目の当たりにしたあとでのこの選択は、たくましさと同時に、ほかのどの正解よりも哀しみを感じた。
この脚本が巧いのは、あらかじめほとんどのクイズをすでに正解していると最初に明示しておきながら、最後の問題だけはクライマックスまで残している点にもある。
しかも勘のいい観客なら、かなり早いうちにその最後の問題を予想できてしまう。出題された瞬間、「ああ、やっぱりこの問題か」と思った。
その「ああ、やっぱり」と思わせる伏線の張り方も巧いが、さらにそこでジャマールがこの問題に正解して真に億万長者になるのか、最後の最後で不正解となってすべてが水の泡と帰すのか、そこが最大の見所と見せかけて、実は“ファイナルアンサー”の前で、すでにジャマールにとっての「クイズ$ミリオネア」はファイナルを迎えているという落としどころもいい。
もうジャマールにとって最後のクイズに正解するか否かはたいした問題ではない。となると、映画的にもそれはどちらに転んでもかまわない状況とその瞬間は思ったのだが、そこで脚本家が選ぶ結末は冒頭のクイズに対するファイナルアンサーでなくてはならない。
だからこそ、ジャマールを翻弄し続けた兄・サリーム(マドゥル・ミッタル)の決着と対を成す形で、彼が賞金を手にするか否かがきっちりと明示される大いなる結末に、観客は拍手喝采を贈ることになるのだ。
時間を忘れてしまう映画
主人公が思わず肩入れしたくなるような「捨て犬顔」でのっけから感情移入してしまう。
スラム街からスカウトしたという子役たちもばっちりのキャスティングで、こなれた役者子役よりずっといい感じ。
こんなに笑えて泣けて入り込んで揺さぶられる映画は久しぶりです。
プロットがすばらしい。エンターテイメント性が非常に高い。インドに俄然興味がわいてきました。やるなあー。
スラムドッグ$ミリオネア最高
今まで見た映画で一番最高の映画です。
字幕に慣れてない人は苦しいかもしれないけど、楽しすぎ。
内容しっかりしてる。
クイズに入って主人公の回想シーンに入る。
この頃洋画で増えてる気がします。
現在で日記などで過去の話をし回想シーンに入るという洋画増えてる気がします。
でも洋画は大体内容がしっかりしてるから楽しめる。
その中でもスラムドッグ$ミリオネアは最高です。
泣けました。とことん、あざとかったけど。
スラム生活の描写という点では、『シティ・オブ・ゴッド』を見たときほどの衝撃はなく、甘ったるい印象は拭えないんだけど、“寓話”という意味では、これはこれでアリだと思う。
原作は、ご都合主義的というか予定調和な展開が欠点だったんだけど、映画ではそれが解消されている。実に巧みな脚色。特に、三銃士のネタを持ってくる辺りが巧い(あそこはほとんどの人が「ダルタニアン」で引っかけられるので)。
エンディングのインド映画的なサービスも、遊び心満載で、幸せな気分にしてくれる。
インドの現状とは・・・このままである。
ITでどんどん成長を続けるインド、
その波でどんどん格差は広がって行くばかり。
近代的な建物のそばには、行き倒れる人達が道にあり。
ヒンドゥー教の階級やイスラム教との宗教の違いが大きく影響し、
人々の心にもしっかりと格差が根付いているインド。
ありのままを投影しているこの作品を是非見てほしい。
時代が求めた作品
時代の流れ、というか、空気、というか。そういうものが求める
映画、というのが存在するんだなぁ、と、初めて実感できた作
品かもしれない。
一言でいれば、「おとぎ話」だなぁと。主人公ジャマールの境
遇や舞台となるインドの状況などはかなりシビアなれど、ジャ
マールのラティカに対する想いはどんなときでも、まさに一点
の曇りもなし。まるで彼の生きる全てが、ラティカと出会うため
に存在するかのよう。ここが全くブレないので、「なぜジャマー
ルの都合のいいようにクイズの問題が出るのか?」といった
ことは、どうでもよくなってしまうのだ。
いや、むしろ、「クイズの問題も、全てジャマールがラティカに
会うために運命が用意したものなのだ」と解釈できてしまう程、
ジャマールの想い、エネルギーが作品からあふれ出ている
感じ。この気持ち、分かるなぁ。と、過去の自分を思い出して
みたりも。(^.^)
クイズパートでは、ライフラインの使い方がうまかった。ジャ
マールの貧しさ、さらに、不正をやっていないと取り調べの
警部に感じさせる、「オーディエンス」。司会者みの…、じゃ
なくて、クマールの狡猾さを際立たせる、「フィフティ・ フィフ
ティ」…。
そして、最後の問題で本当に答えが分からず、唯一番号を
知っている知人である兄の携帯にかけ、ラティカが出るとい
う、心憎い展開につながる、「テレフォン」。ジャマールが兄の、
そしてラティカの消息を知る手がかりになり、最後に自由に
なったラティカと話す手段となるのが、兄の携帯電話という
のが、実にお見事。ラティカが車の中に置いてきた携帯電話
に出るシーン、「ジャマール?」は、思わず涙がでそうになっ
た。
ジャマールが生きてきた過程と、クイズの正解がリンクする
点も違和感がない。アメリカドル紙幣の問題などは、てっきり
タージ・マハルのアメリカ観光客から知り得たのだ、と思い
きや、もっと悲しい出来事で知ってしまった…、という意外性
などもあって、とてもよくできたと思う。また、ジャマールが
凄まじい競争率(のはず)である、『クイズ$ミリオネア』へ
出場できた裏技なども、さりげなく盛り込まれているところな
どからも、脚本のうまさを感じた。
作品全体を流れるエネルギー、そしてラストのダンスでの
締めくくり。見終わった後の一種の爽快感は、『ダークナイト』
とは全く正反対で、2008年はまさに、「光と影」の2つの作品が
両極端で存在したんだなぁ、などと感じたりも。アカデミー賞
での扱いも、まさに「両極端」だったし。(^^ゞ
インドの みのもんた も嫌な感じのやつ
これは、良かったです。
アカデミー賞8部門受賞!ですからね。流石のもっくんも敵わない。
正直、みのもんた 嫌いなんで、見るの嫌だったんですけどね。
子がみたいというもので
インドの みのもんた も嫌な感じのやつでしたよ。
警察での尋問で明かされていく、スラム出身のジャマール、少女ラティカ、兄サリームの三人のとても悲しい物語
ラストシーンはこれぞインド映画って感じです
六本木の会社にいたとき毎日のように昼飯に行っていた
カレーやさん思い出します
踊ってたくましいインド
アカデミー作品賞を取っても、いつもの年なら見に行かないのですが、知っているTVクイズ番組と重なって興味が沸いたことと(興行収入が比較的よいのもこのためだと思う、しかし、みのさんは映画の宣伝には起用しないほうがよかった=映画イメージ悪し)インド美術展(ムンバイのスラム題材)を最近観たこともあり、見に行くことにしました。
最初は、クイズに正解して長者になってからの話が続くのだと予想していましたが、他の方のレビュー通り、クイズの回答と合わせ、回想がリンクして、最後の大団円まで不条理、矛盾、ねたみ、応援、暴力そして、恋愛が入り混じる構成で引き込まれていきました。
クイズに回答する場面が、TVクイズ番組と同じく見所で、緊張感を持たせて、回答正解でハジケル気持ちがたまりません。
本作はイギリス映画ですが、最後に恋愛が成就し、ハッピー有頂天になってみんなで踊るところがインド映画気分に浸れました。インド映画は踊るから全部ハッピーエンド、たぶん。
後日談ですが、『主演子役のスラムの家が開発で壊されて、ホームレスになっている』との報道があり、真偽はわかりませんが映画内容と同じく『援助を受けるための演出?』と考えると、スクリーン外でも、たくましい、感心してしまいます。
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