☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
観る前から「どうせアガサ・クリスティーだからなあ〜」…と、完全に舐めてかかる。
実際問題として。アガサ・クリスティー原作映画に傑作などあり得ない…と、個人的には思っている。
大体、大勢の出演者が一同に介し。全ての人物達に人物関連図があり、全員にはアリバイがある。
更には、通信網が途絶え。一般社会からは断絶される。そんな《お約束》が、必ず同時に起こるシュチュエーションの数々。
まあ、本作品はそれとはほんの少し違う内容ではありましたが。それでもそれ程、大きな違いは感じられない。
それだけに。観ていると、前半はどうしても誰と誰が浮気をしたり…と、当然の様にミスリードを漂わせる。但し、浮気をしているのが男1人で。それがあの名作映画『氷壁の女』のイケメンガイドだった、ランベール・ウィルソンだったのを知った瞬間に、心の中で思わず叫んでしまった。
「いや〜!老けたね〜ランベール・ウィルソン!」
数年前に『迷宮の女』でも観たけれど。あちらは内容的に、絶えず画面から目が離せないサスペンス映画だったから、それ程は気にしてランベール・ウィルソンを観てはいなかったから…。
でもやっぱり老けたね〜!
そんな事を感じつつ、この辺りは後半にかけての伏線を巧妙に張る為に必要な時間帯。
しかし、観ていてもダラダラと時が過ぎて行くだけにしか感じない。
それだけに、「こうなったら、誰か早く殺されんかな〜」と思っていたら…?ありゃ〜その人殺されますか〜。
さあさあ!刑事出て来い!全員のアリバイを検証して犯人から自白を引き出せ!
………と思っていたが、刑事が乗り込む事もないんか〜い!
(原作を読んでないお前が悪い…って言う声が聞こえて来そうですが)
ここまで来ると、前半のダラダラを後半でピリッと締めてくれるのか?…を期待してはいたものの。残念ながらその思いも叶わずに、映画は最後までダラダラと進み。最後には「ん?あ…?えっ?」…と。実際には「んなアホな!」あるいは、「散々煽っておいてそんだけかい!」って意見が適切かなあ?
2010年7月25日 Bunkamura ル・シネマ1