■建設会社の金を横領している会計士アンディ・ハンソン(フィリップ・シーモア・ホフマン)と経済的に困窮するハンク(イーサン・ホーク)の兄弟は、両親が営む宝石店を襲う計画を実行する。
実行犯はハンクの筈だったが、彼はビビり、知り合いのボビー(ブライアン・F・オバーン)が店に押し入る。だが、店には居ない筈の二人の母親ナネット・ハンソン(ローズマリー・ハリス)がおり、彼女の顔を知らないボビーは、ナネットから撃たれた事で彼女を撃ち、自分も死亡する。
兄弟の父チャールズ・ハンソン(アルバート・フィニー)は、事件の推移を怪しみ故買屋を訪れると、彼が出したのはアンディの名刺だった。”アンタにそっくりだったよ”と言いながら。
そして、アンディが計画した犯罪計画は、予想外の出来事で破綻していくのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・脚本、演出及びフィリップ・シーモア・ホフマンを筆頭とした俳優陣の演技が秀逸なサスペンスクライムである。
・アンディもハンクも妻との関係は冷え切っていて、二人とも金に困窮している。そこで、アンディが思いついたのは、良く知っている両親が営む宝石店の強盗だったのである。アンディ曰く”保険が掛かっているから、盗んでも問題ない。”
■だが、予想外の展開で母親ナネットは死亡する。沈痛な表情のアンディと、オロオロする情けないハンク。
その後、アンディが父と交わした会話が印象的である。
”俺より、ハンクが小さい時から可愛かったんだろ!”
たったそれだけの事が、彼の父に対する遺恨となっていたのである。
アンディは妻ジーナ・ハンソン(マリサ・トメイ)に、家から出ていかれ、会社からの呼び出しもひっきりなしである。
・アンディが計画した事がハンクがチキンだった事から、全てが瓦解していくのである。ボビーの妻クリス(アレクサ・パラディノ)の兄デックス(マイケル・シャノン)は兄弟がした事を見抜き、ゆすりをするが、アンディは知り合いの売人を射殺し金を作り、デックスと交渉する振りをして射殺するが、クリスから撃たれてしまう。
■そして、アンディが入院している病室に父チャールズが現れ、息子の酸素吸入器を外し、枕で窒息死させて、その場を去るのである。
<今作は或る兄弟が実行した犯罪が、彼らの予想外の方向に暗転していく家族崩壊のサスペンスなのである。>