イキガミ : インタビュー
山田孝之&成海璃子インタビュー
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■主演・松田翔太や共演者の印象
――松田翔太さんとの共演はいかがでしたか? 松田さんの役は常に一歩引いていた感じだったのが、最後にこの兄妹のところで踏み込んでくるわけですが。
山田:「大変そうだと思いました。順撮りじゃなかったし。僕らの話は3つ目ですけど、たぶん2番目に撮っていたと思うから。彼の演じる藤本という人物は、気持ちを押し殺すように教育されていたのが徐々に壊れていく……という流れがあるのに、その壊れるところをやって、次にその中間のところをやんなきゃいけないとか」
成海:「私は残念ながら、映画の中では目線すらあわせていないんです。なので、次はまたいろいろお話できる役で共演したいですね」
――映画は大きく3つの話で成り立っていますが、完成したものを見て感想は?
成海:「原作を読んだ時も感動したんですけど、その原作を読んで感じた部分が映像になるとより感動できて、すごいリアルだと思いました」
山田:「『塚本高史、ずるい』って思いました(笑)。あの泣きっ面はね……彼がテレビの前で泣きながら歌うところでグッときました」
■原作モノの難しさ。原作と映画の違い
――山田さんは原作は読んでいないんですか?
山田:「基本的に原作は読まないんです。原作が邪魔になると言ったら原作者の方には失礼ですけど、原作は原作であって、映画を作る上では台本が正解だから。原作を読んでなるほどと思っても、台本では違う部分があったりすると、そこで疑問を持ってしまう。それが嫌なんです。それに、漫画だと見た目まで出来上がっているから、すごく意識してしまう。撮影が終わった後にしても、自分が思い切って信じてやったものに疑問が生じてしまうのが嫌なので。原作は原作。だから読まないです」
――成海さんは山田さんのように感じることはないですか? 「神童」なども漫画原作でしたが。
成海:「原作は原作で自分が何か感じられればいいと思ってます。それはそれで別と思いながらやってます。なので一応、原作は読むようにしてます」
――最後に、この作品を通して生死について考えたことがあれば教えてください。
成海:「死ぬってこういうことなんだなと思いました。死んだら家族も失うし、いまこうして普通にあることが幸せかどうかはわからないですけど、死んだらそういうものも全て失うんだなということを改めて感じました」
山田:「人はいつ何が起こるかなんてわからない。今日、帰りに事故で死んでしまうかもしれない。そうしたことは常に思っているんで、この映画をやって変わったとかはないですけど、ただ、台本を読んですごく面白いなと思ったのは、国とか法律とかの怖さを提示してるというところです。『どうですか、こういう中で生きさせられている感覚は?』って言われているような気がして。そこがとても興味深くて、ニュースやワイドショーでも国会議員や役人が話している様子をすごく見るようになりました。彼らは何がしたいんだ、次は何するつもりなんだ、この人たちが決めたことの中で僕らは生きているんだ……と」