劇場公開日 2008年9月27日

イキガミ : インタビュー

2008年9月22日更新

間瀬元朗の同名人気コミックを松田翔太主演で映画化した「イキガミ」で、兄妹役を演じた山田孝之と成海璃子にインタビュー。生命に対する意識や価値を高める“国家繁栄維持法”の下、18~24歳の若者の1000人に1人の確率で政府から死亡予告証=通称:逝紙(イキガミ)が発行され、それを受け取った若者は24時間後に死亡するという世界。松田が演じるイキガミ配達人・藤本により、24時間後の死を知らされた飯塚さとし(山田)は、人生の最期に、たったひとりの盲目の妹・さくら(成海)に自分の角膜を移植させるために奮闘する。涙なしでは見られない、この兄妹愛を演じた2人の素顔は?(取材・文:編集部)

山田孝之&成海璃子 インタビュー

物語で最大の山場となる兄妹を演じる
物語で最大の山場となる兄妹を演じる

■注目の若手が兄妹役で初共演

山田孝之が演じる飯塚さとしに ある日、イキガミが届く
山田孝之が演じる飯塚さとしに ある日、イキガミが届く

――おふたりは初共演ですが、初めて会った時の印象は?

山田:「初めて会った時に彼女の年齢を知ったんですよ。確かその時は……」

成海:「15歳でしたね」

山田:「驚きました(笑)。それまでもテレビで見たことはありましたけど、現場でいつも落ち着いているから、大人だなぁ……って。ただ、一度、監督やキャストのみんなと食事に行く機会があって、その時に何故かわからないけどすごく笑っていて、15歳らしいところも見えたなと思いました(笑)」

成海:「私も山田さんの作品は見たことがあったんですが、共演は初めてだったのですごくうれしかったです。ただ、最初の頃は何を話していいのかわからなくて、何も話せなかったんですけど」

山田:「僕も最近はだいぶ慣れましたけど、もともと人見知りなところがあって、相手に構えられるとこっちも構えちゃう。だから最初はなかなか話せませんでした。でも、僕はずっと見つめてましたよ。妹として愛さなくちゃいけないから、とにかく『かわいい、かわいい』って(笑)」

成海璃子が演じる妹さくらも 兄の身を案じる
成海璃子が演じる妹さくらも 兄の身を案じる

――いつも共演者の方を役として見ることが多いんですか?

山田:「そうですね。あと、今回は特に撮影期間がわりと短い上に、2時間全部がこの兄妹のストーリーというわけでもなくて、ポイントがギュッと凝縮されているから、気持ちや感情を昂ぶらせるのが大変だったというのもあります」

――なるほど。それでは、今までのお互いの作品で印象深いものはありました?

山田:「踊ってたやつ。“だん、だん、だだん、だん”(※板硝子協会のエコガラスのCM)って(笑)」

成海:「それなんですか(笑)。私はドラマでも映画でもよく見ていましたけど。なんだろう……シンクロのやつ(※テレビドラマ版『WATER BOYS』)とか?」

山田:「そういうイメージでした?」

成海:「というわけでもないですけど(笑)。でも、今ちょっとそれを思い出しました」

■それぞれの役作り

――山田さんは今回はチンピラっぽい役で、「クローズZERO」でも不良役をやっていましたし、一方で「手紙」のようなシリアスドラマあり、「電車男」もありで、得意、不得意なものってあるんでしょうか?

優秀だが盲目の妹とチンピラ風だが妹思いな兄
優秀だが盲目の妹とチンピラ風だが妹思いな兄

山田:「特に得意、不得意はないですけど、自分の基本のテンションが明るいタイプではないので、そういう役のほうが自然体のテンションをやる時にやりやすいです。自然体で明るい人をやる時は、常にがんばっていなくちゃいけないから。今回も妹といる時は声を明るくするので大変でした。さくらは相手の表情が見えないから、声で気持ちを伝えなきゃいけないわけですが、さとしは嘘ばっかりついていて、苦しくても明るい声で振舞っていたりする。自分でもそうやっているつもりだったんですけど、まだまだだったみたいで、監督からは『もっと明るく!』と何度も言われてました」

――成海さんは盲目の役で難しかったところは?

成海:「一番最初に盲学校に行き、実際にお話をさせてもらったり、目の見えない方々が日常的に動くというのはどういうことかということを教えてもらってから現場に入りました。あとは、撮影用に白く濁ったコンタクトレンズをつけていたんですが、私はもともと視力がすごく悪いんです。なので裸眼にあのレンズを付けていたので、実際によく見えなくて、モニターもよく見えていなかったので、本当にできているのか最初は不安でしたけど、そのあたりは監督とよく話しながら進めていきました」

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インタビュー2 ~兄妹役で初共演!山田孝之&成海璃子インタビュー(2)
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