カンフー・パンダ : インタビュー
「シュレック」シリーズのドリームワークスが送り出す最新アニメ「カンフー・パンダ」。いま何かと話題の中国のカンフーとパンダを取り入れ、さらにはカンフーシーンも迫力と評判で全米で大ヒットを記録。声優を務めたのは、もう1本の主演作「テネイシャスD」も本作と同時に日本公開されるジャック・ブラックと、ブラッド・ピットとの間の双子を出産したばかりのアンジェリーナ・ジョリーという旬な2人。今年5月のカンヌで多忙な2人をキャッチ! 本作についてインタビューを敢行した。(取材・文:立田敦子)
ジャック・ブラック インタビュー
「脚本を読んだときには自分のためにつくられた役かと思った」
ドリームワークスのこの夏の勝負作となるアニメ「カンフー・パンダ」。食いしん坊でぐうたらのまるまるしたパンダのポーが、カンフー・マスターである“ドラゴンの戦士”に選ばれ、厳しい訓練の末に、強くたくましく成長していく物語である。主人公ポーを演じるのは、今、最も売れているコメディ俳優のジャック・ブラックである。
「カンフーの達人になりたいと夢見ているポーにはとても共感できるんだ。僕も子供の頃、コメディアン俳優になりたいという夢があったけど、カンフーに適した体をもっていないと思っているポーと同じように、自分に自信がもてなかった。だから、この脚本を読んだときには自分のためにつくられた役かと思ったんだ」
まるまると愛くるしい容姿のポーとジャック・ブラックはどことなく共通点はある。それにしても、パンダのカンフーという意表をついたシーンは見ものである。
「普通、こういう仕事をしていると出来が予想できるものなんだけど、今回の出来栄えにはぶっ飛んだよ。驚くような素晴らしいシークエンスがたくさんあった。特にファイトシーンの美しい動きは、何度でも見直したいくらいだ」
共演者には、アンジェリーナ・ジョリーほか馴染みの顔が揃った。
「アンジェリーナとは、『シャーク・テイル』で共演したし、セス・ローゲンは個人的に知り合いなんだ。デビッド・クロスは昔のコメディ『ミスター・ショー』の時代から知っているし。通常はアニメのアテレコは単独で行うけれど、今回はダスティン・ホフマンと一緒にやったんだ。僕が頼んだんじゃないよ。恐れ多くて、そんなこといえない。でも、一緒にやれてエキサイティングだったよ。憧れの人だったからね。本当に演技を極めた彼のような名優はそうはいない」
今回はアニメ作品の声優としての参加だが、カンフー映画のファンでもあり、機会があれば実写のカンフー映画に出演したいとの野心もあるという。
「俳優として演技の参考になるから、パフォーマンスはなんでも取り入れるんだ。アジアのカンフーからイタリアのピエロまで、なんでも。子供の頃はブルース・リーの大ファンだった。『キング・コング』の撮影中に『カンフーハッスル』を観たけれど、チャウ・シンチーは素晴らしいね。その後、『少林サッカー』も観たけれど、これもスゴかった。今じゃ彼の大ファンだよ。彼がこの映画を気に入ってくれるといいけど。もしカンフー映画に出るなら、特訓しなければならないね。でも、『グリーン・デスティニー』に出る前は、チョウ・ユンファもカンフーの経験がなかったそうだから、望みはあるよ」