おくりびとのレビュー・感想・評価
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よく考えると何か変です。
確かに最初見た時は、役者の人がやたら泣くので、もらい泣きしそうになりました。
でも、よく考えるとなにかおかしい。
葬儀何度か出してるけど、納棺師なんていたかな?
この仕事、葬儀屋さんのオプションサービスなのでは?
前から思っていたけど、宗教って弱い人を助けるためにあるはずなのに、葬式の時はまとまったお金の出せる人でなければお経もあげてもらえない、戒名ももらえない、お墓も作れない、完全な商売になっている。
まさに地獄のさたも金次第。
お坊さんでさえそうなのに、この仕事、宗教儀式の形はしているけど、葬儀屋さんの下請け、完全なビジネスです。
死者と遺族のために人のいやがる仕事を崇高な使命を持ってやっている人みたいに演出して、涙をさそうのはちょと納得できないです。
「おくりびと」なんてものなんですかね?
オプション付けられない人はあの世いけないんでしょうか?
私は、「アキレスと亀」で大杉蓮さんが、姉の死体に向かって、「ばかやろう!!人のことも考えろよ!!墓とかどうするんだよ!!」と叫ぶシーンの方が、この映画全部より、人間と日本社会の核心をついていると思います。
職業の貴賎
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 70
失礼ながら納棺師という仕事についてあまり意識したことがなかったし、意識したとしても特に良い印象がなかった。広末涼子演じる美香ほど極端ではないが、死体をいじる仕事はきついなという程度。
だが死体を美しく見せて、残された人々の心に良い思い出を残し最後のお別れのときまで穏やかに悲しみを感じさせるという意味があることに気付かされた。単に死人といっても、事故で死んだり病気で死んだりして見た目がみすぼらしくなる者もあるだろうし、あるいは生前にどんな背景があったのだうかと思うと、決しておろそかな仕事は出来ない。登場人物たちが面白くも真摯にそれを演じていた。
納棺師に限らず、職業の存在意義を考えずに勝手な判断をして勝手な印象を持ってはいけないなと心を新たにした。
死
自分もこの映画を観るまでは、葬儀屋さんなどの職業をいやしいもの、きたならしいものと思っていました。しかし、どんな職業でも必要があるから存在し、それがないと困る人がいる。誰かがやらなければならないし、その職業に誇りを持っていれば、逆にそれが凄味になってくる。劇中の本木雅弘演じる主人公も最初はとまどっているが、いろんな人の納棺に立ち会い、その人の人生の縮図を見るうちに最後は、納棺の所作ひとつひとつに凄味が漂って、だれも寄せ付けなくなる。
この映画を最初に観た時は、子供のころから自分をとてもかわいがってくれた祖父が亡くなったすぐ後だったので、観ながら涙が止まりませんでした。
こんな日本の文化があることを知らなかった。
日本人としてこんな素敵な文化があることを知らなかったことが恥ずかしい。
どんな人間でも生まれてきたら死ぬ事は避けられない。
エラくても、バカでも、若くても、何も残せなくても、いつかは死ぬ。
弔い方は国や地方によって様々な方法はあるけれど
故人を偲ぶ気持ちの表現方法として
こんなに美しいものが日本にあることをもっと誇りに思っていいと思う。
その人の人生を凝縮された瞬間が葬儀だと
感じることができたので本当に素晴らしい映画だと思う!
美しい庄内地方の景色が、古き良き日本の故郷を思い出させてくれます。
古き良き日本の故郷の景色や風情を今もそのまま残している庄内地方。
【たそがれ清兵衛】が、庄内地方を舞台にした時代劇の感動作なら、【おくりびと】は、庄内地方を舞台にした現代劇の感動作ですね!
プライドと偏見
劇場に入る前はなんとなく暗い映画なのではないかという勝手なイメージを持っていました。しかし、実際はシリアスながらも笑いの要素をちりばめた素晴らしい内容の作品でした。
楽団の解散を理由に解雇されてしまった一人の男がひょんなことから納棺師の仕事をするようになり、周囲の偏見を受けながらも成長していく姿を描いています。
注目は豪華キャストによる力の入った演技、メッセージ性の高いストーリーそして、優しく包み込むような素敵な音楽です。
特にベテラン俳優・山崎務さんの演技は圧巻で見るものを引き付ける最高の演技を発揮しています。笹野 高史さんや杉本 哲太さん等個性的なキャストによる熱演も光る中で、1番驚いたのは主人公の妻役を演じた広末 涼子さんの演技です。始めは元木さんの妻役に広末さんと聞いて「えっ?マジで」と言ってしまいました。しかし、後半に進めば進むほど彼女の演技が良くなっていき、新たな発見をしたような気になりました。
それから、ストーリーについてですが、良い意味で死や家族について考えさせられました。私は数年前に仲の良かった祖母を亡くしており、この作品を観ながら当時のことを思い出していました。大切な人を失った経験のある人にこそこの作品を観てほしいと思います。
本作には特に大きな弱点はないのですが、主人公の元木さん演じる大悟が寡黙なキャラであればもっと良かったと思いました。
しかし、全体的には大切なメッセージが沢山詰った素晴らしい作品だと私は思いました。
こりゃ、映画祭で賞取るわけだ
すばらしかったですねえ。
納棺師という仕事、初めて知りましたけど、なかなか興味深い。
その所作は茶道や華道のようで絵になるし、喜び、悲しみ、怒り、笑いなど、あらゆる感情がじんわりとにじみ出てくるような演出も見事。
セリフなしで、表情で語る演技がたくさん出てくるのですが、本木君も山崎さんも広末さんも絶妙。
こりゃ、映画祭で賞取るわけだ。
静かながらも飽きずに最後まで観れました
映画全体に死と哀しみが充満した作品なのかと思ったら違っていました。
人と支え合う楽しさや優しさ、そして新たな生の予感など、喜びに満ちた作品で非常に「美しい」と感じました。
演技派の俳優さんたち、そして監督の、独得の間や言い回し、行動ににやりとする場面も多く、とても面白かったからこそ、ラストは涙が止まりませんでした。
大きな事件とBGMがあるわけでもないのに最後まで飽きの来ないところはさすが周防監督といった感じでした。
泣ける。美しい映画。
当時あまりにも絶賛されてて、逆にみる気が失せてた作品だったんだけど、
友達のイチオシ映画で勧められて、やっとみてみた。
最近母を亡くしたばかりだったので、美しい弔いのシーンにジーンときた。
泣いた。
涙だけではなく、かなり笑えるところもあり、
良い映画だ。
全体的にはテーマがテーマなだけあって、しんとした雰囲気。
死を扱っているけれど、暗くならずに、美しい映画だったと好感が持てる。
主人公がクラシックをやっているあたりも作品の美しさを演出していて素敵だ。
この映画を勧めてくれた友達は、自分の葬式についてもう決めてると前から言ってるけど、
死について考えて、逆にそれまでの生き方について考えさせられた気がする。
新たな旅立ちの始まり
「死」は新たな旅の始まりである。楽団が解散され、職を失った元チェロ奏者が次に選んだ職業は、死者の旅立ちを演出する「納棺師」だった。
故郷・山形県に戻った主人公が、「納棺師」という職業に対する偏見や、妻との確執を乗越えプロとして成長する物語である。最初は戸惑いながらも、一生の仕事として誇りを持てるようになったのは、「おくりびと」に対する遺族の感謝の言葉だったのかもしれない。
ラストシーンで、彼はある人物の「おくりびと」になる。身を清め、死化粧を施す彼の目に涙が溢れる。彼がこの仕事を誇りに思った瞬間だった。
私の母は13年前に亡くなった。病室のベットで喘ぐ母の手を握りながら、死を看取った。安らかな死は、死に対する恐怖感を打消す貴重な体験だった。葬儀は業者に任せたが、死化粧を施した母の顔は今もはっきり憶えている。苦しみから解放された穏やかな表情だった。
肉親の死は、本人は自覚していなくても、その後の生き方を左右するくらいの出来事なのかもしれない。死者の旅立ちは、見送った遺族にとっても新たな旅立ちの始まりなのだ。
つながり
ひたすら自分ひとりの欲望を満たすことのみを追求することを良しする傾向のある現代人に、自分という存在がただひとりの孤立した集積物ではなく、歴史の積み重ねの上に受け継がれゆく魂の連続性の途上に生きゆくものであるという認識を人々に呼び起こさせる作品。主人公のみならず観ている者も、この職業を通してそのことの重要性に否応なく気づかされていく。演技的に印象に残ったのは、案外山崎努だったかもしれない。観る前は多少俗な印象を持っていたが、思っていたよりも面白い作品であった。
所作の美、静謐の死
「死」というテーマを身に纏いつつ、ユーモアを忘れぬ進行で決して重たく作らなかった製作サイドに脱帽です。
とかく、重たいテーマは重たく進められさぞかし重厚な作品でござい、と言う感じで進むとたいていがつまらない作品になるのだが、この作品はそんなことなかった。
まずは主演2人の力量もさることながら、劇中に登場する女性陣のきらりと光るスパイシーな味わいが実に良かった(広末さんはどちらかと言うとスウィートでメロウでしたが)。また、前述したように、ところどころで挿入されるユーモアはかなりこの作品ではキモであり、骨格です。
メッセージ性を読み取ることもできるし、エンターテインメントとしても良い。映画らしい映画。
最初から最後まで面白かったですね、はい。
作法の形式美から感じる尊敬の念
日本人は「死」という避けて通れない必須の事柄を忌み嫌うふしが強く、それもこの映画では描かれています。納棺の時の美しい作法が、逝く人への尊敬の表現に写って感動的でした。この映画から学べることは沢山あると思いました。
知人夫婦が葬儀屋です
知人夫婦が葬儀屋で、遺体を扱う仕事をすることなってしまった戸惑いや精神的な負担の大きさについて、少しは聞いています。葬儀屋って、社会に必要な仕事なんだけど、決して好かれることはない仕事。それを正面から描く映画ってどんなだろう、と思って見ました。
単にエピソードを繋げていっているだけなのに、山形の美しい自然と納棺師の造作の様式美、そしてユーモアをちりばめた脚本・演出によって少しも退屈しません。
人の死と、死を扱う職業という、どちらかというと社会の陰の部分について考えさせられ、それでいて美しさを感じさせるとても良い映画でした。
ただ一つだけ残念だったのは、演技力の高い役者達に囲まれると、広末涼子の大根役者ぶりが目立ってしまうこと・・・。
日本映画の原点を取り戻してくれた
納棺師という職業に技と美を感じる。無駄がないひとつひとつの動作は何かの作法のようであり、静けさのなかに衣擦れの音だけが耳に響く。
遺体を扱うことで“けがれの職業”と周りから見られ、やがて事実を知った妻も家を出て行ってしまう。それでも職を辞めない大悟は、様々な死と向き合うことで、命の尊厳と死が持つ意味を悟って行ったのだろう。
食べるシーンも多く、そこでも多くの動植物の死が演じられる。生きていくということは、他の死を伴うということも忘れてはならない。
本木雅弘のチェロ演奏が効いている。もし、指先だけ別カットだったとしたら、冒頭のオーケストラのシーンにしか使えず、作品全体に及ぶ効果は激減だったろう。
音楽もいい。劇中の音楽もいいが、エンディングはとってつけたような歌より、本作のようにオーケストラで締めくくった方が気持ちがいい。
気になったのは、顔のアップのカット。少し大きすぎ。アップのカットが入るたびに、「あ、映画だ」と余計なことを思ってしまう。もう少し引いたほうがいい。
ポータブルDVDによる車内鑑賞レビュー
今作を
「フラガール」 や 「スウィングガール」 、
そして 「 ウォーターボーイズ 」 に 「 Shall We ダンス? 」 。
同じ モックン 作品では 「シコふんじゃった。」 のように
「納棺師」 という未知なる種目にチャレンジしていく
「パフォーマンス系映画」 の一種
のようなものだと早合点していました。
実際は、 「納棺師」 となったことによって父親という大きなトラウマを克服していく、
「魂を救済する」 物語
であったのです。
制限文字数では語り切れず、完成版はこちらまで。ネタバレ注意
↓
http(ダブル・コロン)//ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-97.html
誰もがおくりびと
納棺師や斎場で働いている人だけではなく、通夜や葬儀に参加する人もみんな送り人なんだと思いました。
重たいテーマだったので、劇場では見ませんでしたが、前半はユーモアを交えており、見やすい作品にうまく仕上がってましたね。
途中で奥さんが家出しますが、主人公は春になるまで一度も奥さんに連絡しなかったのでしょうか?仕事の件以外ではうまく言ってる夫婦っぽいので、連絡くらいとってもよかったのでは?
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