「最初はジョニー・デップ主演だったらしい」潜水服は蝶の夢を見る フリーダさんの映画レビュー(感想・評価)
最初はジョニー・デップ主演だったらしい
雑誌「ELLE」の編集長という第一線で活躍していたジャン=ドミニク・ボビー(マチュー・アマルリック)は、病院のベッドで目を開けると、看護士から「何週間も昏睡状態だった」事を告げられる。
しかし、奇跡的に目を覚ました彼は、目が見えるだけで、話す事も身体を動かす事も出来なかったのだった。
そして、右目さえも化膿してしまう為に、縫い付けられてしまうのであった、、、
このシーンのカメラワークは、なかなか面白いです。
看護士と言語療法士により、リハビリを開始するのだが、こんな状況でも「こんなに美しい女性達に手も触れられないなんて、、、」と嘆く彼って、ちょっと理解出来ないかも(>▽<)
言語療法士アンリエット(マリ=ジョゼ・クローズ)の導きにより、目の瞬きによって意思を伝える事を指導される。
アルファベットの並んだボードを利用して、YESなら瞬きをする事で文章を作っていくのだが、呼んで貰えるスピードに合わせられずにイライラしてしまう。
「E,S,A,R,I,N,T,U,R...........」(フランス読みなので、判りづらいですけどね)
テレビも見ているのに消されたり、逆に夜中番組が終了しているのに消して貰えなかったりなど、イライラとすることばかりであった。
そんな彼が最初に伝えた言葉は、「死にたい」だった・・・・・
彼の浮気が原因で離婚した妻セリーヌ・デスムーラン(エマニュエル・セニエ)は、彼を心からいたわるが、浮気相手の女性は連絡さえも寄越さない。
飛行機事故で負った重傷から立ち直った友人が、彼を励ましにやって来る。
(その飛行機は本来彼が乗る筈だったのだ、、、)
彼が見る夢は、海底で重たい潜水服を着て自由に身体を動かせない自分であったり、言語療法士アンリエットとのエロティックなシーン、、、(彼にとって蝶のように自由なのは、女性とのエロなんですよね、、、う〜ん、そんなもんかなぁ、、、)
前半は、ほとんどを彼の目線からのカメラワークで進行して行きますが、途中から彼の全身が映され始めます。
ギョロっとした左目、縫い付けられた右目、ひん曲がった唇からよだれを垂らすその姿は、かってのプレイボーイの名残などまったく感じられない悲惨な姿であった。
初めは、その姿を見せたくなかった子供達に出会い、彼の心に変化が訪れる。
そんな彼が起こした行動とは、なんと瞬きを使って自伝を書く事だった。
絶望の底から、生きる為の活動を始めるジャン=ドミニク、、、
献身的に彼を支える家族達、、、
そんな彼の元に浮気相手から電話が掛かって来る。
瞬きを使って彼女にメッセージを伝えるジャン=ドミニク、、、、
そのメッセージを読み取り、伝えるのは前妻であった。
「きみのことを愛しているよ。」
う〜ん、、、理解不能、、、
「象の背中」以上に理解出来ない行動です。
まぁ一応離婚している訳だけど、、、それってどうなの、、、?
遂に20万回の瞬きで自伝を書き上げた彼は、直後に死を迎える。
実話だそうである。
20万回の瞬きをした彼も凄いが、そのメッセージを読み取った編集者の女性も凄いと感じました。
ジャン=ドミニクは、「E,S,A,R,I,N,T,U,R...........」の「R」で瞬きするだけだが、彼女はまた初めから「E,S,A,R,I,N,T,U,R...........」と声に出して読み始めなければなりません。
これって、相当に辛い仕事ですよw( ̄O ̄)w
う〜ん、、、微妙です、、、確かに凄い事だとは思ったし、映像も凝っていたし、役作りも見事だったとは思うけど、、、
好きか嫌いかと聞かれれば、こういう映画は嫌いかな(*´Д`*)
絶望から立ち直った辺りから、もっと明るくなるのかと(見ている側にもその希望が伝わって来るような)想像していたのですが、あまりそうではなかったんですよねぇ、、、、
挙げ句には前妻に対して、あんな行動をしてしまうし、、、、
結局、自分の伝記を書いただけなんですよ(>▽<)
それって、とても自己満足なだけで、こんな状況になっても、最後まで自己中心的な奴なんです。
だから、あまり共感する部分がありませんでした。
彼が残りの人生でするべき事は、もっと他にあったのではないだろうか、、、?
映画評論家連中が大好きそうな映画です。
これを誉めておけば間違いないという感じですね。
余談ですが、当初このジャン=ドミニク・ボビーの役をジョニー・デップが演じるという話があったそうです。