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私の勝手な、
今年の映画鑑賞の1つのテーマ
【心に残ったセリフを書き記そう】。
《人生の勝ち負けは他人が
決めるのではない。自分が決めるのだ》
終盤、お爺ちゃんが「負け犬」と父を
非難する娘に対して残した言葉。。。
さて、展開が
かなり強引ですが、作品の感想へ(苦笑)
映画でも、ドラマでも、言えることですが、
キャスティングって重要だなぁ、って改めて
感じました。藤本七海を娘役に据えた時点で
この作品の成功は決まったと言えるのでは、ないかと。
詳しくは、人物レビューに記しますが、
それほどに、素晴らしかった!!
武田真治がイマイチだっただけに、
彼女がいなければ、せっかくの良い
ストーリーが台無しになってしまっていた。
繰り返しになりますが、
ストーリーも、とても良かった。
メキシコオリンピック銅メダリストの
生涯を描いた実話。この作品を観るまで、
ボクシングでメダルを獲った人が3人しか
いないことや、この人の存在すら知らなかった。
「地味な英雄(ヒーロー)」の言葉がピッタリあう。
網膜剥離から挫折は始まる。
そこから、人生墜落フルコーススタート!
職を失いバーを遊び歩く。
当然、子供には馬鹿にされる。
妻には逃げられる。
暴力団組長の用心棒になる。
兄にお金をせびられる。
新しい女と、同居する。
当然、多感な娘には拒否される。
女に、騙され多額の借金を抱える。
偽造株券をつかまされ、ブタ箱に入れられる。
書いていると気が滅入る程ジメジメと暗い。
でも、なぜだか作品は、とっても明るい。
本当、眩しくなるくらい。
それは、この主役のメダリストが
前向きで、楽観主義で、暗さを微塵にも感じさせないから。
後向きになるのは、たったの一度だけ
「ボクシングなんか嫌いや」と娘にこぼしてしまう、
その時だけ。娘も根っから父を嫌うのは、この時だけだ。
後半、なにもかも嫌になりかける娘は救われる。
拒否し続けた、父の新しい女(新しい母)と大喧嘩。
母「苦しいのは、あんただけやないんや。
みんな、なにがしかの苦しみをかかえてるんや。
甘えんとき!!」
この後、急に舞台は平成へと移るのだが、
ラスト、また舞台は昭和へ、幼少期へと戻る。
警察から出所してきた父へ「おかえり」
父に寄添う喧嘩直後の母へ「これまでいけずしてゴメンな」と。
泣きあとを残した笑い顔で。。。
恥ずかしながら、落涙しちゃいました。
終始一貫して
「人の愛」が描かれていました。
親子愛、男女愛、師弟愛、兄弟愛。
バランスよく、テンポよく。
きっとそれを可能にさせたのは、
関西弁の柔らかいイントネーションだったのかな、と。
単館上映で終わらせるのはもったいない、と
痛切に感じた作品でした。いやぁ、良い映画でした(笑顔)