劇場公開日 2009年7月15日

ハリー・ポッターと謎のプリンス : 特集

2009年7月9日更新

前作「不死鳥の騎士団」で大抜擢され、そのまま本作と続く最終作「死の秘宝」2部作も手がけることになったデビッド・イェーツ監督が、最終作の撮影の合間を縫って電話インタビューに応じてくれた。「謎のプリンス」のことはもちろん、撮影が進む「死の秘宝」の現場の様子も聞いてみた。(取材・文:編集部)

「謎のプリンス」鑑賞前にこれをチェック!
【その2】製作の舞台裏&最終作撮影現場の様子は?~デビッド・イェーツ監督に聞く

いよいよクライマックスが目前に迫っている
いよいよクライマックスが目前に迫っている

――「謎のプリンス」はスタジオの都合で公開延期になりましたが、逆にポスプロに使える時間が増えたと思います。それによってクオリティアップした部分はあるのでしょうか? それとも当初の予定通りに次回作に移ったのでしょうか?

公開が延期したが、その分、良いものになったと語る
公開が延期したが、その分、良いものになったと語る

「映画製作は時間があればあるだけ、より完璧に仕上げたくなってしまうもので、それは避けられないことだ。本来なら予定通りに次回作の作業に移ればよかったんだけどね(笑)。基本的には出来に満足していたので、それほど多くの追加作業をした部分はない。とはいえ、時間があるとどうしても見直したくなってしまって、そういう意味では予定通りに公開されればよかった、延期されたのは残念だと思うよ。でも、時間があるだけ素晴らしいものになったと思ってる」

――クライマックスに向けてシリアスに、ダークになっていきますが、一方でハリーたちのロマンスもあります。その相反する要素をどのようにまとめていきましたか?

「この映画を作るにあたって、私はまずJ・K・ローリングの本に感激した。原作本にはエモーショナルなドラマも、コメディ的なロマンスもうまく取り入れられていたから、大切なのは映画の観客にも同じような体験をさせてあげることだと思ったんだ。明るい部分も影の部分も全てを語ってあげることが重要だと。だから、シリアスとロマンスもJ・K・ローリングの描いた通りに映画に反映させればよいと思ったんだ」

「謎のプリンス」撮影現場の主演3人
「謎のプリンス」撮影現場の主演3人

――監督は今回がシリーズ2作目ですが、ほとんどのキャストは1作目から演じ続けていて、キャラクターに対する理解も深いと思いますが、そんな彼らに感心したところはありますか?

「そうなんだ。彼らはこの役で育ったわけだから、実に理解は深いよ。彼らはキャラクターのことはよくわかっているから、監督としての私の役割は、彼らからより良いものを引き出してあげることだった。それは両者にとってとても良い関係だったと思う」

――今回はハリーとダンブルドアの関係がより大きく描かれますが、ダニエル・ラドクリフとマイケル・ガンボンの現場での様子や関係は?

「素晴らしくうまくいってるよ。人としても俳優同士としても。見ていてとても愛おしいと思う関係性で、お互いに冗談を言いあって遊んだりしながらも、撮影中はとても集中して素晴らしい仕事をしてくれる。ダンブルドアとハリーの関係は父子のようなものだけど、マイケルもダンに対して、本当の息子のように接してるんだ。映画の中でダンブルドアは、ハリーの未来のためにいろいろなことを教え、自信を与えているけど、撮影現場でも同様に、マイケルは父親的な性格をもってダンにいろいろ教えてあげている。とてもいい関係だよ」

――現在は最終作を撮影中だと思いますが、いかがですか?

5作目以降を全て手がけるデビッド・イェーツ監督
5作目以降を全て手がけるデビッド・イェーツ監督

「すごく楽しいよ。前編の半分以上は撮影し終わったところだ。ホグワーツから離れたハリーとロン、ハーマイオニーのロードムービーのような状態になってる。危険から常に逃れるためにね。いまはそんなシーンを撮影しているところだ。彼らはずっと成長し続けているし、話がクライマックスを迎えていくから、なおさら楽しいよ」

――「これが最後だ」という思いは現場で強く感じますか?

「これが最後の最後だということは、私たちも強く認識してる。とにかく長い作品だったから、現場も最後はかなり感動的なものになると思う。特に若いキャストたちにとっては、人生のほとんどを占めているようなものだからね。多くのキャストが10年間、同じようなメンバーで作り上げてきた。それはとても素晴らしいことだよ。撮影が終わるときは、かなり感傷的になるだろうね。だからこそ毎日毎日、撮影現場に立つときはベストを尽くそうという意識で頑張ってるよ」

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