ダークナイトのレビュー・感想・評価
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【沈黙の守護者】
ダークナイトを観ると、やはり、バットマンとジョーカーは、対だと思う。
昨年のジョーカーを振り返って、もしかしたら、あれが物足りなかったのかと問われるとしたら、それはない。
あれは、サイドストーリーとして、かなりの完成度だ。
僕は、ダークナイトの主人公は、実は人々なのだと思う。
勧善懲悪の象徴、バットマン。
完全無欠の悪、ジョーカー。
表の正義の顔から、恋人を失ったことによって、人の裏に潜む悪に落ちるハービー・デント。
そして、バットマンはダークナイト、沈黙の守護者に転じる。
僕達の正義は実は危うく、何か予想もできない出来事に出会って、ハービー・デントのように悪に転じないとは言えないではないか。
これは、スターウォーズでジェダイでさえ、ダークサイドに落ちてしまうことがあるのだというテーマとも一致している。
9.11の後、アメリカが遂行したイラク戦争には、実は大量破壊兵器はなかく、大義はなかった。
あったのは、復讐心と、米英の政府の嘘と甘い見通しだった。
思い込みの正義や、解釈は時に暴力になる。
「LGBTQは生産性が低い」とする某議員の発言も同様だ。
生産性は自由資本主義の目安だと思うが、人間性や民主主義の価値基準ではない。
しかも、この表現で傷つく人の数は数えきれない。
二者択一の中にあったハービー・デントとレイチェル。
自身が生き残った為に、悪に転じることになるハービー・デント。
もし、レイチェルが生き残る方だったら、彼女は悪に転じただろうか。
これと対比するように、
別々の船に爆弾と起爆装置と共に乗せられた一般人と犯罪者。
しかし、他者を見捨て、自分達だけが助かる道を、どちらも選択はしなかった。
ジョーカーは、暴力に実力行使で対抗しようとするバットマンには勝ったが、非暴力の人々には負けたのだ。
真の勝者は人々で、真の敗者はジョーカーなのだ。
人は自ら自らの心も救えるのだ。
悪や復讐の連鎖を断ち切ることは可能なのだ。
バットマンは勧善懲悪の負の側面をハービー・デントに見たのだ。
そして、ダークナイト、沈黙の守護者になった。
沈黙の守護者とは何だろうか。
きっと、自制心を備えた正義や、調和を希求する秩序、他者を慮る優しさ、道徳心、自ら判断しようとする勇気、そういうものの塊のようなものではないのか。
そうしたものがあれば、きっと、勧善懲悪のヒーローなんか必要ないのだ。
そんな示唆があったように感じるのだ。
バットマンビギンズ に続き ダークナイト 見終わり。 ビギンズと比...
バットマンビギンズ に続き ダークナイト 見終わり。
ビギンズと比べられないくらいスケールアップして、ストーリも演出も重なり合って、
テーマもあってかなり重厚。
それでも最後まで全く飽きずに見られた。
まるでジェットコースターに乗った気分。
この感じ、いろんな秀作映画にも感じるものと同じ。
また同じクリストファー・ノーラン監督のインターステラにも感じたやつ。
バッドマン要素も面白いんだけど、
何度も命の選択を迫られ、命とは 罪とは 善とは 悪とは 真実とは
考えさせられる名作です。
混沌 正義 悪 ダークナイト
これからいろいろ考えたいと思う。
バットマンから暗黒の騎士へ
「ジョーカー」を観たときにヒース・レジャーのジョーカー、ダークナイトというワードをよく見たし聞いた。アメコミをあまり観ていない為、バットマンもろくに知らず、今回ティム・バートンの2作とノーラン監督のビギンズとダークナイト、、、
ジャック・ニコルソンのコメディタッチのジョーカーも良かったけど、評価の高いヒース・レジャーのジョーカー、納得でした‼️完全なる悪のジョーカー、化粧の落ちかけた顔がさらに不気味さを増す。ストーリーも重厚で迫力があり、この映画に興味が持てなかった事が、、あぁなんとも不覚、そして「ジョーカー」のおかげでこの映画を観ることが出来て良かった。
バットマンのコスチュームもバージョンアップ、マシンもクルマからのバッドポッドへの進化、実際に何人位の人で創ってるのか、なんてどうでもいいことが気になったり、バッドポッドは昼間目立つから、とランボルギーニに出かけたウェイン、いやいやランボルギーニもかなり目立つし😬
ゴッサムシティの未来を考え、自ら警察に追われることを選択したウェイン、やはりヒーローに違いない‼️ラスト、ライジングへ!
圧巻のヒース・レジャー
『ジョーカー』の秀逸ぶりに影響され、そのルーツを探るべくバットマン旧四部作から鑑賞を開始し、新三部作で期待の本作の鑑賞となった。
結果、前評判を裏切らない素晴らしい出来だったと思う。中でもヒース・レジャーの演技は秀逸で、ホアキンにも勝るとも劣らないジョーカー感を醸し出していると感じた。だからこそ、今ヒース・レジャーがこの世にいない事が非常に残念でならない。
また、ゴッサムの世界観もよく映像に反映されていて、CGなどの更なる撮影技術の向上の恩恵を十分に受けている。
今見るべき
昔公開初日に見た時よりも面白かったし、画面が時々上下に大きくなるのも昔無かった(シネスコサイズ)し、映像も音もキレイ。ブルーレイも持ってるのに見に行ったことは間違いなかった。「地獄の黙示録」もそうだったがIMAX版は必見である。下手な新作より価値あり。
【”絶対的悪”が、”正義・規則”の柵に悩まされる”善”を凌駕していく・・。 ”幾つかの死の二者択一” エンターテインメント作品でありながら、形而上学的レベルにまで昇華した超弩級三部作の最高傑作。】
■近年の映画で、”絶対的悪”としての強烈なインパクトで人気を誇るキャラクターといえば・・・
1.「羊たちの沈黙」の”レクター博士”
2.「スター・ウォーズ」の”ダース・ベイダー”
・番外編 「シャイニング」のジャック・ニコルソン・・じゃなかった、ジャック・トランス
そして、今作の”ジョーカー”(故、ヒース・レジャー)であると、私は思う。
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■ダークナイトとホワイトナイトとジョーカーの関係性
・今作の主役は”暗黒の騎士、ダークナイト”でも、”光の騎士、ホワイトナイト:ハービー・デント”でもなく、”ジョーカー”であることは、明白である。
そして、彼の存在が”ダーク&ホワイトナイト”の苦悩や存在意義を見事に浮かび上がらせている。
・ジョーカーが、幾つかの場面で”究極の選択”をバットマンや市民に突きつける場面。そして、ジョーカーの狡猾な企みにより、恋人レイチェルを失った後、狂気の側に落ち、トゥー・フェイスとしてコイン・トスを繰り返しながら、報復を重ねていく光の騎士、ホワイトナイト:ハービー・デントの姿。
”人間の良心なんて重力と同じ。バランスが崩れれば、落ちるだけ・・”というジョーカーのセリフが響く・・。
■ジョーカーを演じた、故ヒースレジャーの魅力
・ジョーカーの常軌を逸した言動、行動、そしてあの風貌。だが、冷静で狡猾な頭脳。”絶対的悪”として、申し分のないキャラクターである。
そのキャラクターを演じた故ヒースレジャーの、金切り声から、凄みを帯びた低音までの声域の極端な使い分け方。そして、操り人形のようなギクシャクした動きと、落ち着きのない身振り手振りが、底知れぬ恐ろしさを見事に表現している。
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■クリストファーノーラン監督がCGを極力使わないことは有名。今作でも、
1.ダークナイトを庇うために、自らがバットマンだと記者会見で言い放ち、護送されるハービー・デントが乗せられた護送車を執拗に追う、ジョーカーが運転するタンク・ローリーが前転するシーン。
ーこの前に、ジョーカーの動きを阻止するために、ダークナイトがバットモービルを運転し、クラッシュしたバットモービルからバットポッドというオートバイタイプの乗り物に乗って再びジョーカーを追走するシーンも楽しい。-
2.ジョーカーがゴッサムシティ病院を爆破するシーン。起動ボタンを押し、途中で爆破が止まり”アレ?”という表情で起動装置をカチカチいじるジョーカーの姿。そして、建物が全崩落する風景を後にヒョコヒョコ歩き去るジョーカーの姿。
・クリストファー・ノーランに言わせると、”CGより安い”のだそうだ・・。本当か!。
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<追い詰められたゴッサムシティの人々が乗り込んだフェリーと囚人達が乗り込まされたフェリーに送り届けられた相手の船の爆破装置。究極の選択を迫られた乗客たちの選択。
序盤からラストまでの152分を一瞬の緩みもなく、常に高いテンションを保ち、二転三転するストーリーテリングとカメラワークで一気呵成に見せ切るクリストファーノーラン監督の手腕には、脱帽するのみである。>
<2008年8月 劇場にて鑑賞>
<2012年8月 他媒体にて再鑑賞>
<2020年7月 劇場にて4DX/2D版鑑賞>
最高傑作
公開当時も観たしBlu-rayも買ったけどI'MAXで再上映してたのでまた観てきました!
アベンジャーズが出るまでアメコミ史上最高傑作と言われてましたが、今でもアメコミ史上最高傑作の1つなのは間違いない作品。
余りにも切なく余りにもカッコいいラストには痺れました。
大好きな映画です(^o^)
何回も見たが!
今回imax上映に惹かれて見てしまった。
映像が約26分間・全6シークエンスにおよぶIMAXフィルムカメラ撮影パートと言うことで気になって鑑賞したがどこがどう変化したのかがわからなかったけど。
まず、劇場でみたのがだいぶ昔ってのもあるからわからないわー
上映から10年以上たってたのね、、、月日のたつのは早い。
内容は言わずもがな、正義とは何か、悪とは何か、テーマがしっかりと描かれ、純粋悪ジョーカーのヒースレジャーの演技に興奮し亡くなったことを悲しんだね。惜しい人をなくした。
ノーラン映画は上長になりがちだがこの映画もしかり、詰め込みすぎててさらに音がでかいのと緊張感がすごいのでとにかく疲れました。
ようやく、観た
ようやく。だから、大枚はたいてIMAXで、観た。いまみんなIMAXか。
テロリストによるオペラハウスの襲撃、突入する特殊部隊との銃撃戦、わけわからないが、凄いなこのオープニング、と思っていたら、なんということでしょう。近日公開予定「TENET」のプロモ映像でした。ついのめりこんでしまっていたじゃないですか。なんということでしょう、恐るべし、IMAX。
と、鑑賞前に少しだけエネルギーをとられましたが、あらためて、ようやく観ました、ダークナイト。
ようやく観た、と書いたのは、2008年公開の作品を今頃観ているから。同じノーラン監督の「TENET」公開にあわせてIMAXでリバイバル上映してくれているおかげ。これだけ評判がよかった作品なのに。ここらへんが、劇場でしか観ないスタイルの弱い所。
その代り、もはやネタバレせずに観ることは不可能と割り切って、みんなのレビューを読みまくってから観ました。結果は、よかった。おもしろかった。ネタバレしているから、公開当時にみんなが味わった、「この結末なのか」という深い衝撃はないんだけれど、自分としてはかえって結末に向かって観ていけてよかった。
素人の自分は。ダークナイト=暗い夜、つまり "暗黒のゴッサムシティ" という意味だと勘違いしてた。ダークナイト=暗黒の騎士(の誕生)、が正解だったのね。それが本作の結末だったということが、気持ちよく腑に落ちた。
前半及び中盤2/3までは、迫力はもちろんあるのだが、原作がアメコミなためかシナリオにちょっとだけ鼻白む部分も少しはある(「ビギンズ」をまだ観ていないからかもしれない)。だがそんな俺でも、後半1/3は、そんな印象を軽く吹っ飛ばす絶望の津波だ。
いつもはヒーロー側にある "都合のよさ"。相手の弾丸は当たらない、自分の弾丸はよく当たるといった類の。それが本作では、悪役側にある。つまりジョーカーが持っている。コンボイ(大型トレーラー)は好きな時に好きな数だけ運転手含め調達できるし、爆弾はいつでどこでも仕掛け放題、爆破し放題、敵地に入っていってもなんらかの理由で撃たれない、とかね。そうやって、悪役側に都合よさをフルに配置されたら、どんな絶望的な映画になるかを、本作は実践して観せている。そんな設定を、嘘くさくなく見せるのは、作る側の技術だろう。本作での悪役ジョーカーに、ヒーローに与えられる境遇を与え、それによる絶望感あふれる展開を、息つく暇も与えずに次々と見せていくスピード感は、まさにノーラン監督の腕だと思う。
ヒーロー側の特権を裏返して悪の側に移すだけで、こんなクールな映画になるということには、ほんとうに驚いた。クールと言っても、絶望感、無力感にあふれるクールさ、ダークさと言うべきなのかも知れないが。
本作を観た人たちから、「"JOKER" という作品に対して違和感があるという意見が多いこともわかる気がする。本作でのジョーカーの全知全能感と "JOKER" におけるジョーカーの悲壮感が一致しないんだろうね。
たしかに両者は全く別の作品として観た方がよいのかもしれない。ただ、「私利私欲を求めるのではなく、ただ無秩序であることのみを追い求めるジョーカーという人物が、どうできあがったのだろう」という目で観ると、本作と "JOKER" はよくつながっているようにも思うけどな。
追伸:ここからはネタバレがあるので、まだ観ていない方は観てからご覧ください。
終盤の2隻の船は、囚人含め人間の心の底にある光を描いて素晴らしい結末だった。自分は、「もしも "囚人側は押さず通常客側がスイッチを押す" という結末だったら、まさに暗黒極まれりだな」と、若干の身震いまでしながら観ていた。結果は上記したように "希望" だったので、俺の心も壊れずにすんだ。しかし、終盤繰り広げられる、絶望感、無力感の連続が、先に書いた絶望的結末すら想像させてしまうほど凄かったということなのだろう。
やはり本作の終盤1/3は、みんなが言うように、もの凄いできなのだと思う。
IMAXで鑑賞
久しぶりに見る本作。
私事ですいませんが、ジョーカーの存在が良くわからない。カッコイイ、ビィラン程度。
それより、初見の時ウザかったデントの存在感が良かった。
ブルース・ウェンを取り巻くメインの脇役が素晴らしい。完璧‼️(マギーよりはケイティの方が好み❗️)
選択と結果の場面が多い、くど過ぎる。
IMAXサイズの映像と音響は股間が痺れる程、抜群に素晴らしい‼️
映画館で見るべき映画‼️
ラストはいつ見ても、潔く素晴らしい‼️
THE DARK KNIGHT
誰もが狂気に引き寄せられる様を冷徹に描き出したヒーローものの皮を被ったクライムサスペンス
12年ぶりのスクリーン鑑賞でした。
ピエロのマスクを被った一団がゴッサム・シティ銀行を襲撃、そこに預けられていたマフィアの資金を強奪して逃走。首謀者のジョーカーはマフィアに接触、資金の半分を報酬としてバットマン殺害を提案する。治安の悪化に喘ぐゴッサム・シティで巨悪と戦ってきたバットマンことブルース・ウェインは新進気鋭の正義漢ハーヴィー・デント検事こそが市民が望むヒーローであると確信、積極的にハーヴィーを支援するが、そんな活動を鼻で笑うかのようにジョーカーはウェイン、ハーヴィー、そして市民に辛辣な選択を迫る凶行を畳み掛ける。
12年ぶりのスクリーン鑑賞でしたが、冒頭の銀行襲撃が醸す不穏な空気にあっという間に飲み込まれました。改めて感心したのは乱闘シーンにおける音響処理。痛覚を刺激するかのようにグッと張り出した低音が、アクション映画でありながら暴力の凄惨さを糾弾しているようで印象的でした。もはやノーラン監督の看板ともいえる極力CGに頼らない実写に拘った映像もまた痛々しく、病院爆破やカーチェイスに滲んだ重量感はとにかく圧巻でした。そんな背景があってドラマにリアリティがもたらされ、ジョーカーが次々と繰り出す非情な二択に翻弄される人々の苦悩にくっきりとした陰影が刻まれています。その描写は非常に残酷で、主人公であるはずのバットマンが苛まれる嫉妬と憎悪はあまりにみっともなく、バットマンがジョーカーより秀でているのは親から相続した莫大な資産だけだということを浮き彫りにして絶望感を煽りますが、取り返しのつかないほど深刻になった格差社会となってしまった現在はゴッサムそのもの。この世界を変えるのは偉大なる指導者でも民主運動でもなく、突き抜けた狂気ではないのかという思いに駆られ、狂気とは重力のようなものだと嘲笑うジョーカーにヒーロー像を見てしまいました。
散々語られている通りヒース・レジャーの常軌を逸した怪演が物語を完全に支配しているのは言うまでもないですが、クリスチャン・ベール、アーロン・エッカート、マギー・ギレンホール、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン・・・といったコアキャストから銀行支店長のウィリアム・フィクナーまで贅沢極まりないキャスティングが荒唐無稽な物語に非常にリアルな質感を与えています。シリーズの2作目なのに1作目と3作目がどんな話だったかも忘れてしまうほどに突き抜けた名作を公開当時には断念したIMAXで鑑賞出来たことが何より嬉しいです。
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