G.I.ジョー : インタビュー
1964年に米ハズブロ社から発売されたアクション・フィギュアをもとにした85年のアニメシリーズを、「トランスフォーマー」の製作陣と「ハムナプトラ」シリーズで知られるスティーブン・ソマーズ監督が実写映画化したアクション超大作「G.I.ジョー」。世界中の陸・海・空すべてを舞台に展開する国際機密部隊<G.I.ジョー>と、悪のテロ組織<コブラ>の壮絶な戦いを描いた本作について、ともに初のハリウッド大作への出演となったシエナ・ミラーとイ・ビョンホンに話を聞いた。ソマーズ監督のインタビューとともにお届けする。(取材・文:小西未来)
シエナ・ミラー インタビュー
「果たしてアクションをできるのか、正直なところ不安だった」
――「G.I.ジョー」に出演を決めた理由はなんでしょうか?
「とにかく面白そうって思ったの。『G.I.ジョー』って、わたしがそれまでに経験したことがあるインディペンデント系映画とまさに正反対で、だからこそ興味を惹かれて。ただ、果たしてアクションをこなすことができるのか、正直なところ不安だった。でも、共演のレイチェル(・ニコルス)と殺陣や武器のトレーニングをやっていくうちに、だんだんと自信がついて。いつのまに心から楽しめるようになったの」
――ダイエットもしたんですか?
「ううん。わたしって、普段の生活ではまったく体を鍛えてないの。だから、きついトレーニングをしているときくらい、ご褒美をもらわなきゃと思って、思う存分食べさせてもらったわ(笑)」
――現場の雰囲気はいかがでしたか?
「大作映画はまったくの未経験だったんで、どんな現場になるのか想像もつかなかったの。とにかく、クルーの数の多さに驚いたわ。インディペンデント映画ではせいぜい40人なのに、この映画の現場には数百人ものクルーがいるの。巨大なセットが作られていて、小道具までもが精巧に作られていた。まさに完璧にファンタジーの世界で」
――演技へのアプローチ法も違ったんじゃないですか?
「たしかにこの映画で求められるのも、まったく違ったタイプの演技だった。なにもかも大袈裟にやらなきゃいけなくて。それに、大勢のクルーが関わっているから、現場でリハーサルに時間をかけることができないの。ほかの映画の場合、キャラクターの心情やモチベーションを監督と話し合ったうえで、演技に臨むんだけど、この映画ではそんな余裕がないの。心の準備もできないまま、『今だ、行け!』って言われてしまう(笑)」
――(笑)。
「でも、逆にそれがとっても新鮮で。アクションシーンの前は、『ミッション・インポッシブル』のテーマ曲を聴いて、気分を盛り上げたりしてね(笑)」
――あなたのファッションに多くの女性が注目していますが、ファッションリーダーとしての自覚はありますか?
「ううん。自分ではそんな風には思ってないの。レッドカーペットで写真を撮られるときなんかは、最高のドレスと最高のメイクと、最高の照明の力を借りているわけで、実物はぜんぜん違うものだから。それに、ベストドレッサーに選ばれたいという願望もないし、そもそも自分のセンスに自信があるわけでもない。雑誌のファッション特集を見ても、わたしが気に入る服って、たいていワーストに選ばれているし(笑)」
――レッドカーペット用の服を選ぶとき、プレッシャーは感じますか?
「ううん。とくにかくそのときの気分に合わせて、適当に選ぶようにしている。他人の評価なんて気にせず、自分が楽しいと思える服を選んでいるつもり」