シャッター アイランドのレビュー・感想・評価
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スリリングが止まらない
最初から最後までドキドキしっぱなしだった。
「おやおや?これは何かおかしいのかも」という気付き、気のせいかと思って見続けると、段々その「おやおや?」が主人公の推理より存在感を増してくる。
改めて二週目を観ると伏線だらけなのに驚く。「水は苦手」って、そりゃそうだろうなぁ。
病気、ケガ、認知症、、、
人生どこで心がぶっ壊れるかわからない。果たして自分は最後の選択をできるのだろうか。
ミステリーとしては平凡か
だいどんでん返しの看板で作品を見たために勘違いしていました。サスペンスミステリーだと思っていましたが、どちらかと言えばどサスペンスです。
どんでん返しを期待して見るよりは、作品を純粋に楽しむのがいいと思います。
私が好みな点は、妄想を表すのか火の描写と恐怖を表すのか水の描写の対比、また深層心理が夢の形で現れる描写、音楽表現です。また、演技も素晴らしいものがあり、設定の面白さと組み合わさって圧倒的な力で観客を惹きつけます。
だからこそミステリー好きは、描写と対比でオチが早い段階で予測できるため満足できない方もいるかもしれません。
私は善人、自分がヒーローのまま人として死ぬことを選んだ彼の後ろ姿は、(この訳は好きだけど、原文で考えると、真っ当にもどったら、こんな辛い生活は送れないよに近いかも)おそらく何時間かは見てられます。クレジットもあそこをもっと使ってくれれば良かったのに…
ミステリー好きにはおすすめしませんが、かなりのスルメ作品だと思います。
改めて最初から見直したくなる映画
・最後30分くらいでストーリー全てがひっくり返る。面白い。途中、何が、誰が真実なのか分からなくなるが、主人公とともに納得していく。
・同時に精神患者と向き合うことの大変さも感じる。
・最後のセリフが意味深で心をくすぐる。
レオ様
現実と妄想の区別が付かなくてはじめ混乱した
水が現実
火が妄想
と区別ができる様です
最後のセリフ「モンスターとして生きるか善人として死ぬか」アンドリューは最後現実を認めたが嘘をつきロボトミーの手術をする事を決めた
その時の表情がなんとも悲しげ
何回かみると違う視点で見れてさらに楽しいのでは?
おうち-243
序盤から伏線かなり張りまくり。
私はジャンプしまくり。
一回観て、ネタバレブログを読んで、二回目観て、脳内物質ぶしゃータイプの映画です。
いや伏線がすごすぎて。考察も全然出来てなくて。少し時間おいて、もっかい観ます。
主人公の目線で見るようにミスリードされてるんだろうな、とは思っていましたが、張り巡らされた伏線の数々に全然気づいてないあほな私。
ハルク、ベン・キングスレーといった名優たちが繰り広げる芝居(ダブルミーニング)に、ディカプリオの目線で見ている自分がいました。
要所要所でかかる「どぅん、どぅん、どぅん」という低音の音楽が、アリ・アスターぽく不気味で(音楽だけ。作風は全然違います)、閉塞的な島に自分もいるみたい。
嵐の日の屋外でも、病室の中も、なぜか湿気より寒気のほうが感じさせるような撮り方が上手い。
そしてラストの全てを受け入れ、覚悟を決めた男の姿。哀しい。
Shutter Islandもアナグラムだったとは、、、。
これだけ伏線回収&考察のできる方が映画を観れば、本当に映画鑑賞って楽しいんでしょうね。私も人間力磨きます。
頭がぐるぐるするが面白い
面白い作品だなと思いました。飽きない。
異常患者がいるシャッターアイランド。
そこへ警察として行くのがディカプリオ。
行った理由は、自分の家を嫁ごと燃やしたレディスという顔に傷のある犯人がここに送られたからと聞いて、そいつを殺すために、ここへの調査依頼が来た際に志願した。
レイチェルと言う患者が脱走してそいつを探すための警察官。
話が進むにつれて、レイチェルが見つかる。
レイチェルは3人の子供を湖に溺れさせ殺して、シャッターアイランドをずっと自分の家だと思い込んでいる女でした。
だがしかし、塔の近くの崖の洞窟の中で本物のレイチェルが現れる。
レイチェルは本当はここの医者だったが、どんどん洗脳されて、脳の改造実験をされると言う事実まで、ディカプリオは手に入れたのに、手術していると言われる塔までたどり着いたら、いつものハゲおじさんがいて、どんどん妄想が見えだし、結局ずっと探してた妻を殺した男の正体は自分だった。
何もかも思い出したディカプリオ。
エドワードダニエルズはアンドリューレディス。
イニシャルの組み替えだと。
レイチェルと嫁の名前も組み替えだと。
EDWARD DANIELS ⇔ ANDREW LEDDIS
RACHEL SOLANDO ⇔ DOLORES CHANAL
最初にレイチェル役をしてた女は、頭のおかしい方の女は、看護婦でしたね。
ラスト看護婦の格好で、ディカプリオを看護してます。
チャックはずっと、ディカプリオの担当医のシーアン先生。
そして階段に座りながら、ラストシーンでまた相棒と話して、【すぐに帰ろう、ここは何かが起きている】
と言ったディカプリオを見て、相棒が、ハゲおじさんに首を振る。
またダメだったと。
だけど最後で【モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか】みたく言って、終わりました。
またエドワードに戻ってしまったのかと思っていたら、このセリフが出たので、少なくとも少しは両方の記憶が残っていたのでしょうか?
人を殺した父親、レディスとして生きていくか、警察官のふりのエドワードダニエルズとして頭がおかしい奴として死ぬか。
ギリギリまでどっちが嘘でどっちがどっちなのか頭が混乱してました。
なんかゾワゾワです。
二回見た方が面白い作品に感じました。
収容されに来てるのに自分が警察官のふりというか、警察官だと思い込んでしまっている。
それをわかってみたときにぜんぶぜんぶ、うゎあーうわぁーってなります。
ミセスカーンズさん、右手でグラス持ってるふりで、持ってないのに左手でグラス置いて、中身無くなってたんだけど、どう言うこと?てなりました。映像みす?
ミセスカーンズさんがシーアンについて聞かれたとき、めっちゃチャックのこと見てたのを2回目に見て。びっくり。
そしてレディスを知ってるか?と聞かれたときに、震えて出て行きましたね。
2回目だからわかります。
たぶんだけど、陰謀論ですよね。相棒は最初から相手側、C棟にいた知り...
たぶんだけど、陰謀論ですよね。相棒は最初から相手側、C棟にいた知り合いがやっぱり正しくて、洞窟にいた医者の女性も正しい。なので、あとはディカプリオのアクションで逃げ出せばいいだけなのだが、それは続編で・・とか。そこでは行き過ぎた治療が行われていて、それを隠そうとしている。暴こうとする人間が来ると、混乱させて収容する。
洞窟の女を説得して、一緒に逃げようとして、策を練る、というふうに持っていければ助かったかもしれない。どちらにしても、連邦保安官なので、FBIが調査に来るはずで、そこまで待てばよかったのではないか。
最初から患者だとすると、妄想ばかりになり、そもそも作り話の映画なので面白くない映画ということになる。だからその線はないと思うんだよね。やはりアクションで敵から抜け出して、その島の不正を暴いてほしかった。
終盤がすきです。
ストーリーはありきたりというか、驚きはあまりなかったけれど演出がよかった。場面の切り替えのカメラ回しが昔風のものと今風のものどちらもあって面白かったし、映像の色味がすきだった。
なにより過去の回想のシーン、効果音や音楽は一切なくて環境音だけだったのがめちゃくちゃよかった。あののどかな景色が夫婦の歪みや悲劇をいっそうおどろおどろしく仕上げていてなんだかぞわぞわした。
また、どこまでが現実でどこからが幻覚なのか曖昧な不安、疑心暗鬼になってしまう主人公の気持ちを追体験できてどきどきした。
ラストはなんとなくメメントを思いだした。
自分にとってなにが幸せか理解し、重大な選択を下せる人って強いと思う。
他者からの期待されていることや、客観的に見てとるべき選択肢が、必ずしも自分の幸せに繋がっているとは限らないと、深く考えさせられた。
院長の悲しそうな顔や、全部理解して送り出した主治医の愛に心打たれた。
結末がどう見えるか。
作品全体に、独特で不気味な雰囲気が漂っていて、そのただならぬ雰囲気にグッと引き込まれた。ディカプリオの演技も、さすがの一言で、引き込まれる一要素でした。キャストの人たちは一様に良い仕事してました。
そして、なにより脚本がスゴく印象的でした。見る人それぞれで真実の見え方が違う結末、よく作り込まれていますね。考えられる結末パターンは、
①テディ=レディスで、最後のテストに失敗した。
②テディ=レディスで、最後のテストは成功したものの、レディスが望んでロボトミー手術を受けると決意した。
③テディは連邦捜査官で、病院側に嵌められて、レディスに仕立て上げられた。テディはそれすら受け入れて、これから苦悩するぐらいなら、記憶も感情もなくす決意をした。
個人的には、③の結末なんじゃないかと思いました。最後の「モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」のセリフが③パターンでしっくりハマるような気がします。ただ、一番恐ろしい結末ですが・・。
名前のアナグラムだけは、いらないんじゃないかなぁ。こじつけ推理物っぽい雰囲気が出てしまった気が。。
あと、終盤の警備隊長とテディがトラックに乗るシーンの合成感がスゴかったですね・・。
正気がわからなくなる
・あの島が精神病患者を治療している施設という事以外、全てトラウマ、妄想だったのかな。
・観てる最中は理解が追いつかず、途中からこの人物はいるのかいないのか?どちらが悪いのかと疑いながら観ていきつつ、何がどうなってるだろう?と当惑した。けど、ディカプリオの状況を観ている人と一緒に体験している気持ちになれていたのかもしれない。となると、あそこに、収容されるほどの病気などを、抱えるのは、しんどいなぁと思った。
・崖から相棒が落ちたと思い、見にいくと人の形になった柄っていう所が面白かった。
まさかの
3日前に主人公がまさかの患者だったっていう、精神病棟サスペンスを見たばかりだったので、開始早々レオ様もしかして患者なんじゃ.....
って思いながら見てしまったから、最後の衝撃が半減した!!
運が悪かったです笑笑
でも、こちらの作品の方がダントツで面白かった!
やっぱりレオ様はすごい!
思わず引き込まれてしまう演技で、物語に深みが出る。
結末はなんとなく途中から察しがついてたけど、レオ様の気が狂った原因を映像で流すとは思わなかった。
あれは、誰でも気が狂います。ひどすぎる。
ラストの主人公は、多分正気だったんでしょうね。
正気だからこそ、現実の苦しさに耐えられなかった。
だから、廃人になる事を選んだんですね。
鬱映画ではありましたが、見応えのあるサスペンスを堪能できました。
一度じゃまだまだ二度目で納得三度見返しクセになる
初めて見たときは、
本当に精神患者
本当は保安官
どちらが本当だか分からなかった。
2回目を観たときに、視聴者に対するミスリードや、最後の台詞でやっぱり、テディは正気で、そして正気のまま死にたいと考えたんだろうなって思った。
三回目を観たときに、あれ?マークラファロだわ!若!
まさかこの作品に出演していた当時は、自分がガンマ線で緑の巨人になるとは夢にも思ってないだろうな。と、ニヤニヤしてしまう。
スコセッシ監督の独特の美意識で選ばれている女優陣が、気持ち悪さと綺麗さのハイブリッドだと思う。綺麗なのに不気味だったり、人を不安にさせる顔を演技できる女優魂に賞賛を送りたい。
一度鑑賞した人にも是非もう一度見返して欲しい。
ディカプリオのイライラする演技ほど、観ていて不安になるものはない。
そう、結局この作品は、次は殴られるのかな、次はこうなったら嫌だなと言う観ているもののミスリードを巧みに操作して成功した作品だ。
自分が観た後は、純粋な感性の友人に視聴をお勧めしたい。
スコセッシ&デカプリオ4作目
予備知識無しでの鑑賞。スコセッシ監督なのでバイオレンス系かなーと想像していたが大きく違った。本格ミステリーといえる路線。そして詳しく語ることはネタバレになる内容だ。
かなり早い段階から幻覚っぽいショットが頻繁に差し込まれるのだが、それもラストに繋がる伏線だったとは!
ミステリーに脳内幻想を絡めるのは好みの分かれるところだが、映画には映像と音楽という武器があり、そこは大きく生かされてた。
言ってみればワンアイデアで最後まで持っていく話なので、その点を考えるとチト長め。2時間以内に納めてスッキリした方が良かったかと思いました。(スコセッシ監督は長くなる傾向が強いですね)
2度楽しめる!ストーリーを追いかけるだけでは、もったいない!
※ネタバレあり。1度見ていることを前提に書いています。
まず、映画の内容をざっとおさらいします。
この映画は小説「ミスティック・リバー」でアンソニー賞最優秀長編賞を
受賞したデニス・ルヘインの原作を
マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオがタッグを組み製作されました。
精神異常がみられる凶悪犯が収監されたボストンハーバーの
孤島(シャッターアイランド)にある、アッシュクリフ精神病院で失踪事件が起こりました。
捜査に訪れたのは保安官テディ・ダニエルズと相棒のチャック・オール。
失踪したレイチェル・ソランドの行方を探すべく、病院関係者・収監者の取り調べを行っていきます。
しだいに明らかになる病院の陰謀。病院は精神異常者の洗脳を企てていたのです。
全ての悪事を暴くため、テディはロボトミー手術が行われている灯台を目指します。
そこで待ち受けていたのは、デスクに向かう長官コーリー。混乱するテディ。
実はすべてがテディの妄想だったのです。
失踪事件は起きておらず、レイチェル・ソランドも、テディ・ダニエルズも、チャック・オールも
架空の人物でした。
テディの正体は2年間、ここで精神病の治療を受ける患者アンドリュー・レディス。
我が子を殺害した妻を殺害した事実を受け入れられず作り上げた妄想だったのです。
捜査に訪れた保安官が実は精神病院の患者だったという大どんでん返しが
この映画の最大の特徴です。
率直な感想は、ストーリーを追うだけの観方ではもったいない、2度楽しめる映画だと思いました。
1度目は保安官テディの目線で、失踪事件の捜査を追体験し、最後のどんでん返しに驚く観方。
2度目は捜査をするテディと更生プログラムを行っている病院側それぞれの立場を理解した上で
監督がちりばめた数々の演出を楽しむという観方です。
●ジョージ・ノイスとの会話
ジョージはテディにこう言います。
「あんたとレディス。それが核心さ」「お前のために仕組まれたゲーム」
「お前は迷路に放り込まれたネズミ」
「真実を暴き、レディスを殺す?無理だね。どちらか選ばないと」と。
これらのセリフは、1度目は病院側の悪事を暴こうとするテディに対して、
すでに病院側の策略にハマっていると忠告しているように聞こえます。
しかし、精神病患者アンドリューのために組まれた更生プログラムの
一環だと述べていることが2度目に分かるのです。
内情を知ることで、会話の真意が違って聞こえるという何とも言えない巧妙さを感じました。
●冒頭、テディとチャックが精神病院へ到着したシーン
病院の入り口で拳銃を警備副隊長へ預けます。
元保安官のテディはスムーズに拳銃を渡しますが、
実際は医師であるチャックは渡すのに手間取ります。
初見ではなぜ渡すのに時間がかかっているのか疑問に思いながらもスルーしましたが、
ちゃんと意味があったのです。
また、病院の庭を歩いていると患者がテディに手を振ります。
これはテディのことを元から知っているから。このシーンも初見では見過ごしがち。
見直すことでその意味に気が付けるのです。
●不意にシーアン医師へ向かう目線
看護師とミセスカーンズがテディから不意にシーアン医師について聞かれた際、
ふとチャックへ目線が動くのです。人間のリアルな反応が描かれていると思いました。
●食堂で始めた事情聴取
患者ブリーンの事情聴取では、鉛筆を紙にゴシゴシこすり、ブリーンが嫌がりました。
テディはここの患者なので、ブリーンが嫌がることを知っていたのです。
ミセスカーンズが水を飲む場面では、飲む”ふり”をしたシーンが映ります。
これはテディのトラウマにより水に関するものが映らないのです。
●不測の事態に一瞬、患者扱いをされる
C棟にいる患者ビリングスをテディが殴るシーンがあります。
ビリングスをチャックと副長官が運ぶ時、副長官に「お前は来なくていい!」と突き放されるんです。
緊急事態だけに、瞬間的に囚人扱いをされていたように思いました。
●テディとチャックの灯台でのやり取り
テディが灯台へ向かう途中、崖でチャックと揉めるシーンがあります。
チャックの胸ぐらを掴み「付いてくるな」と凄む時、臆することなく立っているテディに対して、
チャックはふらつきながら岩場の下の方を気にしているんです。
医師ですから、こんな危険な場所に立ったことないのでしょう。
1つ1つの所作に意味がある。本当に描写が細かいです。
内容理解をした上で見ると、なおさらそれが分かります。
だから2回見る価値があるんです!
ストーリーも演出も奥深い凝った映画だと思います。
やはりストーリーを追いかけるだけではもったいない映画です。
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自宅で鑑賞。P.K.ディック的な話。原題"Shutter Island"はアナグラムで「Lies and Truths」と「Truths / Denials」と云う二種のセンテンスになる。冒頭船のシーンから他にも終始、合成の粗さが目立つ。メリハリの無い混乱した描写は途中でラストが読めてしまい、意外性が無かった。衝撃度を増す描き方が他にあったのではないかと思われ、殆ど本が活かされてなく残念。よく練られた本だろうがあくまで言葉遊びが多く、そもそも映像には不向きだったのでは……ギリギリの合格点。60/100点。
・三本連続鑑賞した内の二本目。当初は監督としてD.フィンチャーが予定されていた――もし実現していれば雨のシーンが増えたのではないでしょうか(^^;
・鑑賞日:2011年8月28日(日)
なかなかでした
2024.6月再見
見たことすら完全に忘れていた状態で。で、今回の感想はすっごいドグラマグラって感じ。何が本当で何が幻覚か。謎解き?という触れ込みだが、これは謎解きなのかね?雰囲気とか❤️な人は凄い好きなのかもね。
やはりなかなかでした。
本当の驚きは…
私は初見ではネタバレを見ずに楽しみたい派なのですが、この作品はうっかり主人公が患者であるというネタバレを少し見てしまいました。
当初はやってしまったなあ…と思ったのですが、鑑賞後には今作に関してはあまり支障はなかったと感じました。
というのも、途中で主人公こそが患者なのでは?と思わせるような演出をしているからです。
特に、夢の中や現実にも現れる奥さんの存在。収容所解放時の話も相まってこれは主人公の方に何かあるのでは…と思わせますね。
主人公が患者だと知っていてもアナグラムやチャックの正体でびっくりできたのもよかったです。
関係ないですが、エドワードの短縮形でテディって初めて見ました。調べてみたらエドとかエディ、テッド、ネッドもあるみたいですね。
あとは衝撃的といえばラストですね。
この作品は、騙された!いう楽しみ方もあるとは思いますが、見返したときに見方が変わったり、このセリフ伏線だったのか!という楽しみ方ができることが一番の旨味だと思います。
実際、見返した時によくできてるな〜と思いました。
主人公が子供の死因である水を苦手としている、クロルプロマジンの禁断症状による嘔吐や頭痛、シーアン医師たちが奥さんや溺死の話をして主人公の様子を伺っていたり。他の患者たちの様子やら。
今作の解釈としては、「主人公患者説」と「医師たちの陰謀説」があるようですが、私は患者説の方がしっくりくるし、好きです。
シーアン医師が主人公を心配している様子が随所に見て取れますし、終盤のコーリー院長たちの様子を見ても陰謀説には無理があるかと思います。
なにより、裏があるんじゃないかと疑った末に気づく、医師たちの慈悲深さが胸に沁みる…ので患者説が好きですね。
と言いつつ、主人公の妄想と現実が入り混じっているのは確かですし、いろんな解釈がある方が作品に深みが増して楽しいですね。
他の方の考察サイトを覗いてみると、火が出てくるシーン(焚き火やマッチ)は主人公の妄想であることを示している、とあってなるほど〜と思いました。奥さんの妄想の方の死因と重ねているわけですね。
ラストの解釈も重要です。主人公が患者というのは知っていたのもあって、ここが一番の驚きでした。
「どっちがマシなんだろうな。
モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか。」
という主人公のセリフ。
これは彼が正気に戻っていることを示しています。それなのに、またテディに戻ったフリをして、自らロボトミー手術を受けるのです。
モンスターのまま生きる(子供たちを失ったことや妻を殺害した罪、島に来てからの他の患者に対する暴力の罪に苛まれながら生きる)か、
善人として死ぬ(ロボトミー手術を受けることで全てを忘れて自他の両方から見て善人になれるが、死んだも同然になる)
というように私は考えています。
ロボトミー手術に詳しくはないのですが、術後は人間らしい生活に戻れないことも多かったようですね…。
今後また暴力的なテディに戻ってしまう可能性や罪の意識を持ち続けて苦しむくらいなら、と手術を受けることを選んだわけです。
手術を受けることを、ゾンビにする気か!というように言っていたかと思いますが、ここではモンスターではなく善人としているのが皮肉ですね…。
また、主人公は元来とても正義感が強い性格と思われます。作中のセリフから考えて、正義感で収容所解放に加わったのでしょうし、酒への依存も収容所での殺人による罪悪感によるもの、つまり正義感の裏返しであったと推察できます。
ジョージ・ノイスにも必ず助けてやると言っていましたし、相棒と思っていたチャックを助けようと必死になって灯台まで行きます。
自らがレディスだと悟った後には、妻を放っておいたことを悔いています。
そう考えると、自ら手術の道を選ぶことには贖罪の意味もあったのかもしれません。悲しい…。
ラストの灯台の描写も意味ありげで恐ろしい。おそらくロボトミー手術は本当に灯台で行なわれるのでしょう。患者説では主人公が疑っていた非人道的なものではなく、正規のものですが…。
演者の演技も素晴らしかった。レオナルド・ディカプリオとマーク・ラファロ、共に演技力に定評があるのも納得。
ミシェル・ウィリアムズの怪しい雰囲気もグッド。
不安感や違和感を煽るような音楽、カメラワーク等の演出も主人公の状況とマッチしてよかったです。没入感が増します。
ミセスカーンズの事情聴取の際、コップの水を飲んだように見せる視覚トリック?がありましたが、あれは水を恐れる主人公視点での妄想によるもの(この場面で書かれたRUNの文字も後に消えていたことから)ということの他に、鑑賞者に対しても錯覚≒妄想を示唆しているのかなと思います。
長々と書いてしまいましたが、それほどに深みと魅力のある作品です。是非二回以上見てみることをおすすめします。
騙された
とにかく作り込まれている作品。
病気説と陰謀説の2つがあるが完全に
陰謀説だと思わされて騙された。
ただ鑑賞中は長く退屈になる箇所が何個かあった。
ネタバレを見て、うわーとなるタイプの作品。
もう一度別の視点で鑑賞したい。
幸せの夢なら醒めたくないか?
最後の一言、Which would be worse? To live as a monster, or to die as a good man?(モンスターとして生きるか、善人として死ぬか)が名言。
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