劇場公開日 2010年1月29日

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「ジブリアニメの『火垂るの墓』のように、死者が回想する話。 監督は『...」ラブリーボーン Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ジブリアニメの『火垂るの墓』のように、死者が回想する話。 監督は『...

2024年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

ジブリアニメの『火垂るの墓』のように、死者が回想する話。
監督は『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を手掛けたピーター・ジャクソン。

世の中は勝者があれば必ずその裏に敗者がある。
喜ぶ者がいれば悲しむ者がいて、それは同時に存在する。
加害と被害、強者と弱者、大人と子供、男と女、過去と未来、生と死、表と裏、正反対のものが両立していて、それらは片方だけ削除するということが出来ない。
どちらかだけを残すことは不可能で、在る限り両方が必ず有るのだ。
両方とも繋がっているわけだから、無にならない限りそれは有り続ける。
このどうしようもない現実をファンタジーという逆のもので逆からアプローチするという発想が、作品という形になるのである。

今作は被害者側(本人及び家族)の声を聞いてもらおうとしている。
原作者も映画製作者も視聴者も一緒に世界の公平さと希望に期待する。

さて、快楽のために少女をレイプして殺害した犯人は逃げ切ることが出来るのか。
後半はマーク・ウォールバーグ演じるパパが戦いに挑む、復讐劇とも言える。
悲劇を美しいファンタジー作品にして本質に迫る。

Don-chan