ここに幸あり
劇場公開日:2023年2月18日
解説
「月曜日に乾杯!」「素敵な歌と舟はゆく」などの名匠オタール・イオセリアーニが監督・脚本を手がけ、失脚した大臣が気ままな毎日を過ごす中で本当の幸せを見いだしていく姿をユーモラスにつづったドラマ。
大臣のヴァンサンはある日突然失脚し、仕事もお金も失ってしまう。妻にも愛人にも愛想を尽かされ行き場をなくした彼は、故郷へ帰ることに。旧友たちとワインを飲んで歌ったり、優しい女性たちに出会ったりと自由気ままな日々を満喫するうちに、ヴァンサンは本当の豊かさや生きていることの幸せに気づいていく。
「軽蔑」「美しき諍い女」などの名優ミシェル・ピコリがヴァンサンの母親役を演じている。
2006年製作/121分/フランス・イタリア・ロシア合作
原題:Jardins en automne
配給:ビターズ・エンド
日本初公開:2007年12月1日
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家でDVDで鑑賞
イオセリアーニの映画の中でもつまらない方(貶してない)
散文的だし、中年の政治家が主人公なので
余計に退屈だけど
時間が進むにつれていつもの気持ちいいイオセリアーニの空気になっていく。
呼吸がしやすくなって、調和がとれていく感じ。
私がはじめに観たイオセリアーニ映画が汽車はふただび故郷へだったので
ジョージア人とはどんな人間か、フランスにおけるジョージア映画のあり方などのイオセリアーニ的解釈が分かった上で彼の他の作品を観てるので
とても観やすい。
基本的にジョージア人は、常に酒を飲みタバコをふかしだいたい喧嘩してる。
DVDについてる、ストーリーボードやそこに対応するシーンが見られる特典がめちゃくちゃよい。
イオセリアーニの人の生活を普通に撮ってるように見える瞬間もすでに絵コンテで描かれたものが映画になっているのが分かる。
基本的にこの作品は監督の知り合いのおじさん達の出演で撮られているらしいので、その気の置けない空気も良い。バケツで水落としてくる男は、監督の知人の痩せぎすのっぽの人とゆう解説文に笑ったしまった。
2020年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
原題、秋の庭園(JARDINS EN AUTOMNE)、人生の晩秋、フランスの農林大臣だった主人公ビンセントは農民に不人気で突如罷免になる、それからは殆ど年老いた旧友たちと飲んでいる暇つぶしのような時間がだらだらと流れてゆく・・。
こういう映画をノンシャラン・コメディ(無頓着でのんきな喜劇)というらしい、監督・脚本のオタール・イオセリアーニはグルジア出身、彼の飄々とした人物描写、作風はオタール節と言われる独特の味わい、巨匠タルコフスキーが最も尊敬する監督として名をあげているから玄人には受けがいいのだろう。
冒頭から3人の老人が棺桶選び、同じものを気に入ったらしくちょっと揉める、主人はお三方は体形が違うのだからそれぞれ御作りできますというが真似はされたくないらしい。
老いても色事はお盛んで数人の元妻、愛人がいても街で見かけたピアノ教師を軟派するマメさは何だろう、悪びれた様子もなく母親もなんやらもてる息子を自慢げだ、石田純一じゃないがもはや文化、生き方の違いなのだろう。酒に音楽に女性とくればまさに「酒とバラの日々」、旧友もいるし大臣首になってもなんともないや、俺は幸せだと胸をはるが観ている方は複雑、大臣と言っても儀礼訪問やめくら判(署名)を只管押しているだけですから無自覚無能な税金泥棒にしか見えません、第一いい年して親のすねかじりで気楽な生活、良いご身分ですこと。息子を甘やかす資産家の肝っ玉母さんマリーを演じているのはなんと男性、フランスの名優ミシェル・ピッコリでした、監督も友人役で出演。パリの下町に移り住んだ気分で登場人物の癖の強い爺さんたちを眺めて過ごす2時間でした。