ブレードランナー ファイナル・カットのレビュー・感想・評価
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昔のSF映画だが今見ても遜色無い
正直言ってストーリーは良く分からなかった。後からネタバレサイト見て何と無く分かった程度なので、ある程度予習は必要なのかもしれない。公開された当時は相当斬新な作品だったと思われる。今見てもそんなに違和感が無い。ただ、劇中のモニタの映像を見るとやはり大昔に作られた作品なんだだなと認識させられる。舞台は東京っぽいが現代でいうと中国の深セン、上海、北京あたりかな。未来を描くSFというのはレディプレイヤー1の時もそうだったけど大抵無機質な大都市が多いよね。ハリソンフォードがとにかく若かった。
サイバーパンクSF不朽の名作
昔深夜のTVで本作を見て夢中になった。好きな映画を挙げろと言われれば、5つの内には必ず入るであろう作品。それが大スクリーンで見られるとは!
当時最先端のSFXも、大画面で見ると多少の古臭さは否めない。続編『2049』のCG凄かったもんな。それでも、暗く荒廃した世界のテクスチャーにはその粗さもマッチしているし、iMAXで臨場感たっぷりのサウンドはモブの台詞の隅々まで聞こえる。何より、サイバーバンクな世界観とビジュアルの素晴らしさは、今見直しても色褪せない。
『2049』が公開された時、設定がありきたりで然程面白くないと若者世代の反応イマイチと聞いて、馬鹿言え、甲殻機動隊も銃夢もコレが原点じゃ!と憤慨した年寄りですが(笑)
止まない雨、薄汚いスラム、人種文化混合のカオス都市。堪らん。
しかし、冒頭の『2019年』のテロップを見て仰天した。今年かよ!まあ第三新東京市もとっくに過ぎたしなぁ。
ところで、人生指折りのフェイバリット映画だが、ラストで台無し、アレさえ無ければ!!という作品が、過去2つありまして。
それが『ネパーエンディングストーリー』と今作。
TVで初めて見た劇場版。ラストシーン、あてもなく逃亡するデッカードとレイチェルの車に被さるナレーション。「レイチェルには4年の寿命が無い」。
いやいや、そりゃ無いよ!アカンだろう。そんなサラッと覆されたら、あれだけ苛烈なロイの絶望は?徹底してレプリカントの悲哀を見せつけておいて、最後一台詞で全てぶち壊しやん!!と憤慨を…。逆ギレ多いな今回(笑)それだけ大好きな作品なんです。ご容赦。
公開当時の一般受けを考慮して付け加えられた部分らしい。ファイナル・カット版はそのシーンが除かれている。
作り物としてのレプリカントの悲哀、人間としてのアイデンティティ。多分残された時間は僅か、今度は追われる側に回った二人。物語の完成度としても、こちらの方が断然いい。トラウマの払拭ありがとう!
この世界観がすでに当たり前の世代なんだなと実感
新しい情報が満載
『ブレードランナー』自体はトータルで、過去劇場で4~5回は観たはずですが、LDやVHSの何十回も記憶が混じって、どのバージョンをいつどの媒体で観たか、既に記憶が怪しいです。
ファイナル・カット自体は、スクリーンで2回目。
IMAX版は初めて。
内容の感想は今更さておき、技術面の話。
こんなに映像がクリアとは驚きでしたわ~
酒に混じる血とか、雨の激闘における服の襞とか、銃のディテールとか。
今まで黒で潰れていた部分が、キッチリ見えました。
決して新しい内容はないのですが、新しく気づいたビジュアル情報が満載でした。
マスターフィルムがちゃんと残っていて、そこからデジタルリマスターするって、素晴らしいですね。
4k.DLP.IMAXで鑑賞‼️
全てが美しい映画
昨年もBDをレンタルして観たが、IMAXで上映するのを知り、居ても立ってもいられなくなり観賞。
驚愕の映像美、これからの時代こそ考えさせられるストーリー、魅力的な登場人物、唯一無二の音楽、監督の思い通りになった編集も、IMAXのスクリーンと音響で全てが美しく至極の時間を味わえる。
スピナーがビル群の隙間を飛び交い、屋上にたどり着くシーンの美しさは、未だにこれ以上のSFシーンに出会ったことがない。
それと、デッカードとレイチェルが部屋で徐々に距離を縮めるシーンも二人交互にフォーカスするカメラ、レイチェルの美貌・・・芸術作品の絵画を観ているようでウットリしてしまう。
バッティの存在感は言うに及ばず、デッカードがレプリカントと思わせる演出もわたしは有りだと思う。
この映画は私にとって数少ない、正に特別な映画です。
総合芸術の極みの一つ
2019年に劇場で『ブレードランナー』を観ることが出来た幸せ
1982年公開の映画『ブレードランナー』の25周年記念で作られた再編集バージョン。
監督はリドリー・スコット。
主人公デッカードにはハリソン・フォード。
SF映画の金字塔として名高い『ブレードランナー』がIMAX上映されると知り、この機会に鑑賞してみました。
もちろんタイトルは知っていましたが、これまで鑑賞したことはありませんでした。
本作の舞台が2019年であることすら知りませんでした。
なのでこのファイナル・カット版とオリジナルバージョンとの違いは全く分かりません。
SF映画であるということ、主演はザ・ハリウッドスターであるハリソン・フォードであるということぐらいしか知らなかったので、てっきりスターウォーズ的なハリウッド式アクション映画だと思っていました。
なので鑑賞して驚いたのは、全体の雰囲気が完全にノワール調だったことです。
アクションシーンはオマケのようなもので、主人公の葛藤や人間そっくりな人造生物レプリたちの苦悩がテーマとして据えられています。
アジア人の難民が大量に入国して作られたのであろう、ロサンゼルスの混沌とした街並みには映画的なリアリティーが漂っており、心を鷲掴みにされました。
『攻殻機動隊』など、サイバーパンクというジャンルにカテゴライズされる作品のオマージュ元になったのも肯ける、圧倒的な世界観!
退職後もブレードランナーという使命を強制され葛藤を抱えながらもレプリ狩りを行わざるを得ない主人公デッカードと、人間の手により奴隷として生み出された上、短い命という宿命を定められ、それを覆す為に奔走するレプリ達。
果たしてどちらが正しいのか?どちらが人間らしいと言えるのか?自らの意思とは反する使命を果たすデッカードは人間と言えるのか?
観ているうちにこのような疑問がどんどん頭に浮かび、ラストシーンでのレプリのリーダーであるロイの流す涙と、独白のようなセリフが心に突き刺さります。
ヒロインであるレイチェルが、自分がレプリであることに気付くシーンは残酷です。
(正直デッカードとレイチェルのラブシーンだけは、この映画のカラーと合ってないと思ってしまうほどザ・ハリウッドなシーンで違和感がありましたが。)
レイチェルの存在がこの映画で重要なファクターとなっているのは、やはりこの「自分を人間だと思っているレプリである」という点でしょう。
このキャラクターが登場することで、観客の頭には、この映画に登場する人間は本当に人間なのか?という疑問が浮かびます。
それがこの映画のミステリーである、「デッカードは本当に人間なのか?」という問題につながるわけです。
この問い掛けの答えを作中で明示せず、観客に想像の余地を残しているところがこの映画の白眉な点だと思います。
舞台と同年である2019年にこの作品を劇場で、しかもIMAXで観ることが出来たのは幸運でした。銃声や雨の音か臨場感たっぷりですごい!
本当に観てよかったと思える傑作です。ぜひ劇場で観ることをお勧めします!
IMAXでの鑑賞です。 2年前の続編公開の前にDVDで見てはいたの...
或いは一つのハッピーエンド
37年前の感嘆が鮮やかに蘇る。
あれ、エンディングが…
確かに、この後は更なるハッピーエンディングだった。
公開当時、監督が涙を飲んで、映画会社の意に沿った結末があった。
そこで、自分の魂は救われた記憶がある。なんとも言えない多幸感である。
それから、この映画は自分の中の映画ベスト3に入り続けている。
人の生きる意味と喜びが、何となく分かったような気にさせられたからである。
しかし、それはあくまでネクサスという架空の人工人間でなくて良かった、自分の寿命が予め分からない人間で良かったという浅い多幸感で、監督が本当に描きたかったテーマは別のところにあったのだといういうことが、あのエンディングがないディレクターズファイナルカットバージョンをIMAXという最新のフォーマットで鑑賞して新たに思えた。
それは、人間が創り出したネクサスという人工人間が、最後に人間以上に人間愛に基づいて行動していたという事に気がついたからだ。
劇中のネクサスは、人間と写し鏡を隔てたもう一つの人間だ。
自らの寿命を察した時、自らの運命を呪い、神に祈る。もう少し寿命を延ばして下さい、と。
その為に、自分を創り出した人間に近づき、何とか寿命を延ばしてほしいと訴える為に、反旗を翻したような形になり、存在を否定される。
それこそ正に人間ではないか。自らの死を受け入れるまでに、もがき苦しむ人間そのものだ。
自らの死を追いやろうとすればするほど、自分と自分の周りのものを傷付け苦しめる。
しかし、その事に気づいたとき、ネクサスは自らの死を受け入れ、後に続く命を助けた。
まるでキリストのように自らの体に杭を打ち、まるでそれまでの身の振りを悔い改めるような決意の表情で。
そこには、人間かネクサスかということは問題ではなく、生きるものの死をどう捉えるかという、生命誕生の瞬間から宇宙が抱える永遠のテーマが語られていた。
だから監督は、そのテーマを曖昧にさせてしまうことを畏れて、初公開当時のエンディングをヨシとしなかったのだと思う。
ネクサスが死の淵で自由になる方の腕で掴んでいた鳩が、死の瞬間に飛び発った。
それが凡ての答えであり、それしかないハッピーエンドだったんだと、37年の時を経て思い至ったことで、この映画はこれからも確固として自分の映画のベスト3であり続けると思う。
美しい。
雨に濡れる涙のように
AKIRAや攻殻機動隊などのスチームパンクものの祖
レプリカント最高!
IMAX上映でこそ最高の名作を最高の映像と音響体験で観賞することができるのです
不朽の名作の本作には幾つかのバージョン違いがありますが、このバージョンが題名通り最終的な決定版と言えるでしょう
もちろん初めて本作を観た最初の日本公開されたインターナショナル版が一番愛着が有ります
とんでもない異常な程の傑作を今観ている!とシートにへたりこんで起き上がれなくなった感激は心に刻み込まれていて忘れられないものです
それでも、このバージョンは観る価値と意義が明確にあります
何故なら過去のバージョンに更にCGなどの追加や幾つかの修正を加えた上に、特撮シーンをもともと撮られたのに使われていなかった幻と言われた超高画質のものに差し替えられたものを、4Kリマスターしたのがこのバージョンだからです
ですから、小さな差異でしかない他のバージョンはさておき、日本公開されたインターナショナル版とこのバージョンは絶対に観ておくべものです
それが2019年つまり、本作の舞台となったの同じ年にその記念としてIMAXで上映されたのです
このファイナル・カットの上映は2007年に2Kデジタルでしか公開されていません
それも東京大阪の2館で1週間だけの公開でした
今回の公開は2Kデジタルを上回るIMAXでの興行なのです
IMAXで観てこそ、このバージョンの真価を体験できるとおもいます
IMAXの巨大画面の明るいスクリーンに超高精細な映像でブレードランナーの世界が広がるのです
何度観たかわからないほど本作は繰り返し観ていますから、シーンごとの様々なものはどんな細かいことでも目に焼き付いていると自負しています
それでも今まで見えていなかったことが見えて来るのです
そしてその映像以上に音響の迫力が半端ないのです
音圧が全く違います
家のAVシアターシステムなぞお話になりません
映画館でもこんな音響は滅多に体験できないレベルです
しかも音の解像度も上がっており今まで聴こえて来なかった事が聴こえるのです
映像以上にクリアなのです
雑踏の中の様々な音をはじめ、分離が良く音像の輪郭がハッキリしており、さらに様々に定位してまさにブレードランナーの世界にいる感覚を味わえるのです
またスピナーの車中に聴こえる通信に日本語が混じっていたのにも初めて気付かされました
音像が映像と共に移動します
何を当たり前なことをと思われるでしょう
それが上映前のIMAXの宣伝以上に、ここまで動いたのは初めてだと驚きました
スピナーが前方から来て背後に本当に振り向きたくなる程のリアルさで去っていくのです
本作こそIMAXのポテンシャルをフルに活かしている数少ない作品なのです
この上映は今回は全国10館で1週間限定とのこと
間違いなく伝説となる興行になるでしょう
IMAX上映でこそ最高の名作を最高の映像と音響体験で観賞することができるのです
内容は、インターナショナル版では明確ではなかった最大の謎のことをハッキリと表現して主題となすもので、様々なバージョンで積み重ねられた延長線上にあります
よってデッカードの観るユニコーンの夢や、ロイ・バッティの神殺しの残虐シーンと磔刑の釘刺しシーンは踏襲されて、それに見合う形でラストの逃避行はカットされています
そして鳩は高く青空には飛ばず、色彩も緑が強めにされています
それにより全体に甘さ控えめのビターな印象に仕上がっています
つまり過去のバージョンの積み重ねの上に全編の印象を統一させたものとなっているのです
その意味でも過去の様々なバージョンの最終的な決定版と言えるでしょう
いつまでも色褪せぬSFの金字塔
IMAX !!!!!!
映画の舞台である2019年に初のIMAXで限定リバイバル公開。
2007年のリマスターを映画館で見た際、あまりにもシャープで美しい画面にまるで新作映画を見ているのかと見紛う美しさに酔いしれた。
そのIMAXだ。
その映画館は都内唯一のレーザーIMAX。
字幕の文字のギザギザもほとんどなかったのでIMAX用にちゃんと仕上げたものだろう。
音響の迫力はさすがのIMAX。
BDでも何度も見てるが、画面のあちこちに目を凝らしてみると、IMAXの大画面ならではの発見もあり、驚かされる。
ミニチュアを使った特殊効果場面は、今見ても色あせない完成度の高さ。
2019年に見るとパラレルワールドの話を見ているようで妙な感覚。
あんな世界にならなくてよかったと胸をなでおろすとともに、科学は、そこまで進歩しなかったという残念さもある。
そしてこの物語の奥の深さにどっぷりと浸れた。
レプリカントにとっては神に盾突き、そして神の暴挙を許すというすごい話。
リドリー・スコットがエイリアンの前日譚、プロメテウス以降でこの話を人間にも当てはめて描きたくなるほどの深い話。
説明不足感もある手法がミステリアスで、さらに名作へと昇進させていると思う。
ある意味完璧。
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