ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 : インタビュー
「ザ・ロック」「コン・エアー」「60セカンズ」とヒット作を生み出してきた、ジェリー・ブラッカイマー製作&ニコラス・ケイジ主演コンビが4度目のタッグを組んだ「ナショナル・トレジャー」(04)は、もちろんヒット。そして、人気・実力ともにハリウッドトップクラスのニコラス・ケイジが、初の続編に出演することになった「リンカーン暗殺者の日記」が満を持して登場する。eiga.comでは、このキーパーソン2人にインタビュー。まずはニコラス・ケイジに、続編出演の価値を見出した「ナショナル・トレジャー」シリーズの魅力を尋ねた。(聞き手:小西未来)
ニコラス・ケイジ インタビュー
「このシリーズの素晴らしさは、家族みんなで楽しめることに尽きるね」
――「ナショナル・トレジャー」の続編が作られるという話を初めて聞いたとき、正直なところどう思いましたか?
「もし続編をやるのなら、前作を超えるか、少なくとも同等のものにしなきゃいけないと思ったよ。今後は南北戦争時代を舞台に、ゴールデン・サークル騎士団の財宝とかリンカーン大統領暗殺の謎とかをテーマにするというアイデアを監督から聞いて、たちまち興味を持った。ぼく自身、その時代が大好きだから。でも、そのあと、監督がこう提案したんだ。『続編では、前回のアメリカ独立宣言書の強奪以上に派手なことをやらなきゃいけない。それで、アメリカ大統領を誘拐するっていうアイデアはどうだろう?』って。あまりに突拍子もない話だったんで、ぼくは噴きだしてしまったよ。『いったいどうしてベン・ゲイツが大統領を誘拐しなきゃいけないんだよ! そんなの、あまりにもむちゃくちゃだ!』って。でも、いったん否定したものの、考えているうちにそれが素晴らしいアイデアに思えてきた。あまりにもクレイジーで突拍子がなくて、まさにこの映画にぴったりなサプライズだと思ってね」
――「ナショナル・トレジャー」シリーズは、アクション娯楽大作でありながら、暴力描写が控えめですよね。
「このシリーズの素晴らしさは、家族みんなで楽しめることに尽きると思う。それに、この映画を見た子供は、きっと歴史に興味を持つようになると思うんだ。映画に登場する謎は歴史的事実に基づいているから、たとえばリンカーン暗殺者の日記に欠けているページがあるとこの映画で知ったら、そのことについて自分で調べたくなるはずだ。親や先生から強制されることなしに、自主的に勉強するようになるんだよ。
実は、ぼくにとって個人的なヒーローは、ウォルト・ディズニーなんだ。彼は、現代でもっとも偉大な芸術家だと思う。ピノキオや白雪姫といった古典を、子供にわかりやすい形で伝えることに成功させた。ぼくが『ゴーストライダー』をやったのも、ディズニーを意識したからなんだ。『ゴーストライダー』は、実は『ファウスト』なんだ。人はだれでも過ちを犯す。問題は、いかにそれを乗り越えるか、なんだ。そのテーマを子供にもわかりやすい形で描いたのがあの映画だったんだ」
――そろそろクリスマスですが、あなたがこれまでの人生でもらった最高のプレゼントはなんですか?
「父親からのクリスマスプレゼントだね。子供のころ、ぼくは木製の車のオモチャを持っていた。でも、乱暴に扱っていたせいで、運転手のピノキオが取れてしまった。父親にそのことを相談したら、ピノキオの頭の部分だけを取り上げて、庭の植木のなかに埋めてしまったんだ。父がどうしてそんなことをしたのか、ぼくにはまるで理解できなかった。でも、クリスマスの朝、ぼくは庭に変な物体が生えていることに気がついた。ピノキオの頭を植えたのと同じ場所だった。包装紙を破ると、それは木製の巨大ピノキオだった(笑)」
――素晴らしい演出ですね(笑)。
「うん。当時のぼくは頭を掻きむしったものだよ。『いったい、どうしてこんなことになったんだろう』ってね。で、それから、あらゆるオモチャを庭に埋めることになった(笑)」
――(笑)
「想像力を働かせる楽しみを教えてくれた、人生で最高のプレゼントだね」