ルー・サロメ 善悪の彼岸 ノーカット版

劇場公開日:

解説

19世紀後半、文化史に多大な影響を与えた女傑ルー・サロメと大哲学者フリードリッヒ・ニーチェ、さらに彼の弟子パウル・レーとの愛と思想の妄執を描く。日本では1985年に「善悪の彼岸」のタイトルで116分の英語版が公開されたが、40箇所以上が修正された。今回のイタリア語版・ノーカット版では修正箇所は4箇所のみで、数多くの場面が復元された。監督は「愛の嵐」のリリアーナ・カヴァーニ。出演はドミニク・サンダ、エルランド・ヨセフソン。

1977年製作/127分/イタリア・フランス・西ドイツ合作
原題または英題:Al Di La Del Bene e Del Male/Beyond Good and Evil
配給:彩プロ
劇場公開日:2006年2月18日

ストーリー

1882年、ローマ。女権論者フォン・マイゼンブーク女史(カルメン・スカルピッタ)のサロンで若い哲学者パウル・レー(ロバート・パウエル)は、魅力的なロシア人女性ルー・サロメ(ドミニク・サンダ)と知り合い、彼女に魅了される。古代ローマの遺跡を散歩しながら、いきなりルーに求婚するパウル。しかし「結婚なんて牢獄と同じよ」と言う彼女は、二人の男性と共同生活をしながらともに学問をする夢を語る。そこで彼は友人の哲学者ニーチェ、通称フリッツ(エルランド・ヨセフソン)を仲間に入れることを提案する。阿片を吸い快楽に耽る生活を送るフリッツは、たちまちルーに心を奪われ、ナウムブルグの実家に招く。しかしフリッツを崇拝する妹エリーザベト(ヴィルナ・リージ)は、ルーに激しい嫉妬を抱きヒステリーの発作を起こす。ルーは、フリッツを残してライプツィヒに向けて発つ。エリーザベトは母親や婚約者を味方につけ、フリッツからルーを引き離そうとするが、彼は家族と決別しルーとパウルが待つライプツィヒへと向かう。ライプツィヒで“三位一体”の共同生活が始まる。希望に燃える彼らは記念写真を撮る。しかしこの共同生活も、ルーをめぐるフリッツとレーの嫉妬が原因で崩壊してゆく。ルーは医学を学ぶレーと共にベルリンに行き、フリッツはヴェニスへと旅立つ。ルーはフリッツから自殺をほのめかす手紙を受け取り、彼に会いに行くがホテルの入口でためらう。そしてカール・アンドレアス(ミシェル・デガン)という男の脅迫同様の求婚を断れなくなり、ルーは彼と結婚する。失望したレーは姿を消す。フリッツは、ドゥルカマラ(悪魔)と若いゴンドラ乗り(キリスト)が踊っている幻覚を見て発狂する。やがてルーは、レーの死の知らせを聞くのだった。

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