バッドアス!

劇場公開日:

解説

メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ監督・製作・脚本・主演の1971年作品「スウィート・スウィートバック」の制作過程を描いた実録ドラマ。監督・製作・脚本・主演は「ギャング・イン・ブルー」のマリオ・ヴァン・ピーブルズ(メルヴィンの実子)。共同製作・音楽監修は「ドーン・オブ・ザ・デッド」のG・マーク・ロズウェル。音楽も「ドーン・オブ・ザ・デッド」のタイラー・ベイツ。共演は「サハラ/死の砂漠を脱出せよ」のレイン・ウィルソン、「きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー」のジョイ・ブライアント、「暴走機関車」のT・K・カーター、「ドクター・ドリトル」のオシー・デイヴィス(これが遺作)、「15ミニッツ」のデイヴィッド・アラン・グリア、「アルフィー」のニア・ロング、「ブラッド・ワーク」のポール・ロドリゲスほか。2004年度フィラデルフィア映画祭観客賞など受賞。

2003年製作/108分/アメリカ
原題:Baadasssss!
配給:ミラクルヴォイス
劇場公開日:2005年10月1日

ストーリー

白人大手資本の制約から逃れ、本物の黒人映画を撮る決意を固めたメルヴィン(マリオ・ヴァン・ピーブルズ)は、まず資金集めにとりかかる。白人ヒッピーのプロデューサー、ビル・ハリス(レイン・ウィルソン)と共に奔走して、インディペンデント・マネーを獲得するメルヴィン。そしてユニオンに属していない友人やクルーを集め、ポルノ映画の製作を装ってユニオンからの関心を避けることに成功。いよいよ「スウィート・スウィートバック」と題された映画の撮影に入る。しかしトラブルは絶えない。出資者の逮捕による投資の中止、女優のドタキャン、クルーのいわれなき逮捕、メルヴィンの視力の低下、積み重なる借金など、不幸という不幸がメルヴィンを襲ったが、不屈の精神でついに完成にこぎつけた。だが決まった上映館は全米中でたったの2館。その1つがデトロイトのグランド・サーカス。通常、B級の旧作を3本立てで上映するこの映画館で、メルヴィンは単独上映の契約を取りつける。だが上映初日、客はほとんど来ない。まもなく劇場の判断で急遽3本立てに戻そうとしたところに、1回目の上映中に途中退場したブラック・パンサー党員の男が、仲間を引き連れて大挙してきたのだった。

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映画レビュー

4.0アース・ウィンド&ファイア

2018年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 息子マリオにあんなことまでさせて・・・と、よく考えてみると、現監督=主演男優(マリオ・ヴァン・ピープルズ)がさせられたことだったのか!

 映画製作のドキュメンタリー風なドラマは何本か観たことあるけど、これだけ熱くなれるモノはなかったかもしれない。実際に公開された『スウィート・スウィートバック』はもちろん未見ですが、ストーリーなどの内容なんてどうだっていい!作る意欲と作る過程、黒人のための映画だということが重要だったのです。

 ベトナム戦争のころ。映画製作の会社、俳優組合、映画関係の団体はすべて白人社会。黒人の扱われ方はひどく、『夜の大捜査線』など人種差別への批判映画も数多く作られてきていたハリウッドであっても、黒人主体の映画は皆無だった時代。そんな中でメジャーに頼らず、インディペンデント系で黒人映画を作ろうとメルヴィン・ヴァン・ピープルズが立ち上がった。資金面、俳優起用面と様々な壁にぶちあたりながらも、奇抜なゲリラ戦術で切りぬけてゆくのです。

 笑ってしまうほどの作戦。白人が不快感を感じるような内容なので、まずはクレームをつけられないように“黒人ポルノと思わせる”内容にしてしまったこと。資金不足を補うため、パトカーを爆破するシーンで実際に消防車を呼んでしまうが、ちゃっかり実物を撮影してしまうという妙案。転んでもただでは起きない監督の手腕がお見事でした。出来あがっても配給会社が決まらないという難関を残してしまいますが、成人向けにしてしまったツケがまわって来たのでしょう。

 ドキュメンタリー風なインタビュー風景も採りいれてるのですが、登場するのはこの映画の出演者。最後に70年当時関係者も登場するという凝り方。アース・ウィンド&ファイアの登場には拍手してしまいそうにもなりました。しかし、18禁映画なのに息子までも出演させて、かなり可哀想だと思いましたが、その息子がこの映画を作ったのですから、いい思い出となっていたのでしょうね。

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kossy
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