炎のメモリアル
劇場公開日:2005年5月21日
解説
9.11同時多発テロの現場で、英雄的な活躍を繰り広げた名もなき消防士たち。彼らにリスペクトを捧げるために製作されたヒューマン・ドラマ。人命救助に人生を捧げた一人の消防士の姿を、リアルで迫力に満ちた火災シーンとともに描く。出演は「グラディエーター」のホアキン・フェニックス、ジョン・トラボルタ。監督は「マイ・ドッグ・スキップ」のジェイ・ラッセル。
2004年製作/116分/アメリカ
原題または英題:Ladder 49
配給:東宝東和
劇場公開日:2005年5月21日
ストーリー
ジャック・モリソン(ホアキン・フェニックス)は、ボルティモアの消防署に勤務するベテランの消防士。ポンプ隊が放水を開始する前に燃えさかる建物に飛び込み、生存者を救出することが、ラダー隊(ハシゴ車隊)に所属する彼の仕事だ。今、穀物倉庫で発生した大規模な火災現場にやってきたジャックは、12階に取り残された一人の男性を、生きて地上に返す作業に全力を尽くしていた。すでに階段が崩落した倉庫内は大爆発の危険をはらみ、一刻一秒を争う事態だった。「オレから目を離すな。信じるんだ」。恐怖に脅える男性を力強く励まし、窓からロープで脱出させるジャック。その直後、背後で爆音が轟き、床の穴に呑み込まれたジャックの身体は、数階下のフロアに投げ出されてしまった。もはや自力での脱出は、不可能。仲間の救援を待つあいだ、ジャックの脳裏には、人命救助の熱い志を抱いて消防の仕事に就いた、あの懐かしい日々の思い出が蘇ってくる…。ジャックの消防士としての第一日目は、署長のマイク・ケネディ(ジョン・トラボルタ)と、先輩の消防士たちのジョークの洗礼を浴びることで始まった。デスクの前で大いびきをかき、立ち上がればトランクス一枚の署長の姿に、ジャックはびっくり。さらに、次に案内された小部屋では、神父のふりをした先輩たちにそそのかされ、あやうく性生活を懺悔させられそうになる。それらすべてが、この消防署に配属された新人を迎える恒例の儀式だと知ったジャックは、すぐにそのリラックスした雰囲気の中に溶け込んでいった。しばらくして、ポンプ隊の一員となったジャックに、初出勤の命令が下った。火災現場は、3階建ての集合住宅地だ。へっぴり腰でホースをにぎり、おそるおそる階段を上るジャックの背後には、署長のケネディがぴったりと張り付いて指導に当たる。「天井を狙え、火に近づけ」ケネディの叱咤激励を背に、無我夢中で火を消し止めるジャック。その胸には、これまで一度も経験したことのない充実感が広がっていった。ジャックの一番の親友となったのは、ラダー隊のデニス(ビリー・バーク)だった。彼と買い物に出かけたスーパーマーケットで、ジャックは生涯の伴侶となるリンダ(ジャシンダ・バレット)と、運命の出会いを果たす。シャイで不器用なジャックと、明るさと酒豪ぶりでたちまち署内の人気者となったリンダとの交際を、からかいながらも温かいまなざしで見つめるデニスと仲間たち。彼らの祝福に包まれて、ジャックとリンダは結婚。しばらくして、自分が父親になることを知らされたジャックは、心から人生の喜びをかみしめた。しかし、消防士の生活は死と隣り合わせでもある。老朽化したビルの火災現場に出勤したデニスが、同じラダー隊に属する弟レイ(バルサザール・ゲティ)の目の前で殉死したのだ。ラダー隊のチーフをつとめるレニー(ロバート・パトリック)は、「この事故は不注意から起きた」と言って、デニスを非難する。それを聞いたジャックは、思わずレニーに飛びかかる。そこへ割って入ったケネディは、「この事故から学ぶんだ」と、ふたりをいさめる。デニスの葬儀がしめやかに行われた直後、ジャックはケネディにラダー隊への転属を願い出る。それは、明らかに仕事の危険度が増すことを意味していた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェイ・ラッセル
- 脚本
- ルイス・コリック
- 製作総指揮
- アーミアン・バーンスタイン
- 製作
- ケイシー・シルバー
- 撮影
- ジェームズ・L・カーター
- 美術
- トニー・バロウ
- 音楽
- ウィリアム・ロス
- 編集
- バド・スミス
- 衣装デザイン
- レニー・エルリッヒ・カルフス