失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン

劇場公開日:

解説

ジャッキー・チェンの母親チェン・ユエロン(2002年に死去)の病気を契機に、彼の父親であるチェン・ジーピンが初めて過去の真実を話したことをきっかけに撮影された衝撃のドキュメンタリー映画。ジャッキー・チェンの指名のもと、「宋家の三姉妹」(97)で知られる女流監督メイベル・チャンが手がけ、ジャッキー・チェン・ファミリーの封印されていた軌跡とその背景にある中国人の歴史をあぶり出す。

2003年製作/96分/香港
原題または英題:Traces of a Dragon: Jackie Chan & His Lost Family
配給:マクザム
劇場公開日:2005年3月5日

ストーリー

ジャッキー・チェンは、自分が一人っ子であると長年信じていた。しかし、父チェン・ジーピンは、妻でありジャッキーの母親チェン・ユエロンが病気で働けなくなってしまったとき、長年ひた隠しにしてきたある過去を、息子ジャッキーに話すことを決意する。その事実とは、父チェン・ジーピンの本名はファン・ダオロンであり、両親は再婚同士で、父には二人の息子が、母には二人の娘がいること、つまりジャッキーには兄と姉がいることであった。1915年中国・山東省で生まれ、南京で育ったファン・ダオロンは、結婚して安微省で二人の息子をもうけるが、妻は長男が7歳の時にガンで病死。男手ひとつで子供たちを育てることとなる。だが、世の中は戦争の影がちらつき、彼は食べていくために国民党に入り、スパイとして活動する。多くの部下を持ち、上海や南京を行き来する日々。彼は顔役となり、そして役人にも強いパイプを持つようになる。日中戦争が勃発し、彼は国のために働いた。だが、戦争が終わり、今度は共産党と国民党の内戦が始まった。国民党が敗北の色を高めたとき、ファンは自分の身が危ないことを感じて、息子たちを中国に残して香港に逃げる。そして妻の名字から名前をチェン・ジーピンに変えた…。ジャッキーの母親チェン・ユエロンは、上海に住んでいた。若い頃は上海の三姉と呼ばれ、女性ながらもギャンブラーで街の顔役であった。娘二人をもうけていた彼女と、父ジーピンは友人だった。だが、日中戦争で上海が空襲されたとき、彼女の夫は命を落とす。そして戦後の内戦が始まり、娘たちを預けてファンとともに香港へ逃げたのだった。両親の過去を知ったジャッキーは、その後香港に住んでいる姉たちと出会って交流をもつものの、中国に残された兄二人は消息不明であった。香港に命からがら逃げた両親は、アメリカ領事館に住み込みで働くこととなる。そしてより高い給料をもらうため、父ファンはコック長から料理を習い、自分もコックとなって働くこととなる。その頃、ジャッキー・チェンが誕生する。子供の頃からやんちゃで勉強嫌いだったと、近所の人々はジャッキーのことを語る。チェン夫妻は、勤めていたアメリカ領事館の領事がオーストラリアへ移ることとなったとき、生活のため領事についていくことを決める。だが、息子ジャッキーは自ら北京戯劇学院に入学することを希望し、10年間の寄宿生活を送ることとなる。ジャッキーの口から当時のこと、そして学院を卒業して、映画界で芽が出なかった俳優時代や、一度は断念してオーストラリアへ帰ったこと、父と領事館の厨房で働いたことなどを語る。息子は大スターになり、悠々自適となった父ファンは、意を決して行方不明となった息子たちを探すことにする。彼らは中国で生きていた。だが時は50年経っていた。長い時を経ても、息子たちは父の姿を忘れていなかった。ジャッキーは語る。「自分に二人の兄がいたという実感がない。それよりも子供時代に苦楽を共にしたサモ・ハン・キンポーやユン・ピョウの方が、近い存在である。僕自身は二人の本当の兄たちに今更会おうとも思わないし、このままなのかな」。

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