永遠のハバナ

劇場公開日

永遠のハバナ
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解説

ハバナではほとんど宣伝されなかったにも関わらず、口コミで人気に火がついて、大ヒットを記録した作品。監督フェルナンド・ペレスは、ドキュメンタリーでありながらフィクションと同じように撮影し、セリフやインタビュー、ナレーションを一切排除した。最後に登場人物の簡単なプロフィールと夢が少し出てくるだけで、それ以外の説明は全くない。無名の12人の登場人物を通して、ハバナで生きる人々の生の生活が見えてくる。

2003年製作/84分/キューバ・スペイン合作
原題:Suite abana
配給:アクション

ストーリー

ハバナの夜が明ける。モロ要塞の灯台の明かりが消え、街と人が動き出す。コーヒーのわく音、自転車のきしみ、鳥のさえずりから静かに1日が始まる。政治家でもミュージシャンでもなく、ドル紙幣とも縁のない普通の人々。ダウン症の10歳の少年フランシスキートは学校に向かう準備をし、祖母ノルマ(70歳)と一緒に朝食をとる。イヴァン(30歳)は、仕事が始まる前に、靴修理のフリオ(67歳)に女物のハイヒールの修理を頼み、エリベルト(40歳)は、自転車で鉄道修理の仕事に向かう。アマンダ(79歳)はピーナッツを売るために、街へ出る。フランシスキートの父、フランシスコ(55歳)は、エルネスト(20歳)の家の修復工事を手伝いに行く。崩れかけた家々、米と豆の食事、ガタガタの道路、そして慢性的な水不足。全編を通して、ハバナに住む人々にとっての現実。これまで映画やニュース映像では見られなかった現実が、映し出される。観光客やドル紙幣、昼間からホテルやカフェで演奏される明るい音楽などの入る余地はない。苦しい生活の中でも、夢を持ちつづけたいと願う人々は、新市街の公園のなかにあるジョン・レノンのブロンズ像を、交代で見守る。2000年12月8日、20周忌に除幕式が行われ、21日には早くも眼鏡が盗まれてしまったレノン像。「人は僕を夢見る人というかもしれない。けれどそれは僕だけじゃない」。ブロンズ像の下に刻まれているイマジンのフレーズとジョン・レノンは、ハバナの人々にとって守りぬきたい砦である。夜になると、人々は夢を追うために、外へ出て行く、野球場やダンスホール、教会やキャバレーに。昼間とはちがう顔を持つ登場人物たち。映画の最後の最後に、ほんの数行で紹介される登場人物たち。淡々と日常を生きるひとりひとりの中にこそドラマがあること、そしてそれは誰にとっても普遍的な真実であることを、映画は教えてくれる。

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映画レビュー

4.0ハバナの人々の生活

kossyさん
2018年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 朝が来て、人は働き、学校へ行き、夜は音楽を楽しむ。そしてまた朝が来る。そんな1日を追っただけなのに、なぜだか何度も観たくなる映画。

 朝。少年の映像と字幕・・・フランシスキート(10歳)、祖母ノルマ(70歳)などと名前だけの紹介がなされる。やがて、3人、4人と名前が増えてゆく。名前の記憶力は5人までなのに・・・と祈るような気持ちで鑑賞すると、5人、6人と増えて、最終的には登場人物が12人となった。しかも台詞もない、ナレーションもない、映像だけが群像劇のように流れていくのです。聞こえてくるのは、フランシスキートくんの学校の教師の声、近所のおばさんの声、そして雑踏や仕事場でのノイズだけなのだ。

 例によって、全く予習なしでの鑑賞となり、フランシスキートくんがダウン症だともわからなかったし、ドキュメンタリーだともわからなかった。ましてや、12人が微妙に絡む壮大なドラマまで想像してしまったのです。しかし、ドラマは要らなかった。

 人々が行き交う広場にあるブロンズ像はジョン・レノンだとわかる。しかもメガネは普通のメガネだ。「そんなのかけてたら盗まれるぞ・・・」などと妄想したけど杞憂に終わる。何しろココはキューバなのだ。

 こうして何の変哲もないハバナの人々の生活は、昼から夜へと移る。彼らはスクリーンの中に生きているのです。カメラ映像は老人の皺をアップにする。音楽やダンスに夢中になる素顔の彼らを映し出す。紛れもなく生きている人間の姿。そして、1日の強弱を美しい空の色の変化で表現する。それぞれの人たちのバイオリズムさえ感じ取ることができるくらいに・・・(老人はずっと変わらないかもしれないが)。

 静寂とともに夜は更け、朝を迎え、また新たな一日を予感させる。そして、意外にもエンドクレジットで感動してしまう映画です・・・2度観たくなるという秘密もここに!

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kossy
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