舞台よりすてきな生活
劇場公開日:2004年12月11日
解説
スランプ中の劇作家が近所に越してきた少女と奇妙な交流を始め、周囲の個性豊かな人々とともに織りなす人間模様を描いたヒューマン・コメディ。主演は、イギリス演劇界の重鎮であり、監督・俳優としても数々の受賞歴に輝くケネス・ブラナー。共演に「ホワイト・オランダー」のロビン・ライト・ペン。監督は本作で長編デビューを飾ったマイケル・カレスニコ。
2000年製作/98分/アメリカ
原題または英題:How to Kill Your Neighbor's Dog
配給:キネティック
劇場公開日:2004年12月11日
ストーリー
劇作家のピーター(ケネス・ブラナー)は新作戯曲の上演を前にして、スランプに陥っていた。子供が嫌いなため、戯曲に登場する子役の表現がしっくりいかず、舞台稽古では演出家も俳優たちも困惑顔。子供のダンス教室の先生をしている妻のメラニー(ロビン・ライト・ペン)は、赤ちゃんが欲しくてたまらない。夫と産婦人科を訪れた帰り、陰性だったと落胆するメラニーの背後で、ピーターはホッと胸を撫で下ろす。“大きな子供”のような性格のピーターは、自分が父親になることなど想像もできない。かつての売れっ子劇作家もここしばらく失敗作が続き、新作の仕事に集中したいのだが、執筆のための家庭環境は悪くなるばかり。しつこく子作りを迫る妻ばかりか、とんちんかんな事を言って家庭を掻き回す痴呆症ぎみの義理の母(リン・レッドグレーヴ)の存在も悩みの種。その上、毎晩、眠りにつくころになると隣家の庭先で犬が吠える。仕方なく夜中に気晴らしの散歩をすることが習慣になったピーターは、ある夜、路上で不審な男を捕まえる。その男は、近所で耳にしていたピーターの名を騙って歩く奇妙なストーカーで、昔、自分がピーターと人違いされたことから彼に興味を持ったのだと白状する。事情を聞き、なんとなく親近感を覚えたピーターは公園のベンチで偽ピーター(ジャレッド・ハリス)と語り合い、「近所の犬が吠えるせいで台本が書けない」と、胸のうちを明かす。不用意な発言が災いを招くとは予想もせずに…。書けないイライラの募るピーターの環境は、思わぬところから改善の兆しをみせる。ある日、家の向かいに、エイミー(スージー・ホフリヒター)という少女と母親が引っ越してきた。エイミーは足に障害があり、母親と二人暮らし。さっそく彼女を家に招き、ご近所付き合いを始めるメラニーを睨みつけ、ピーターは書斎に閉じこもる。ところが、エイミーのままごと遊びを盗み見していたピーターは、エイミーから戯曲のヒントを盗むことを思いつき、恐る恐る彼女に接近していく。そのときから二人の間には奇妙な友情が芽生えはじめる。以来、障害を気にして内気になっていたエイミーをプールに誘ったり、ダンスを教えたり。ピーターとメラニーとの交流によって、エイミーはみるみる明るさを取り戻していく。しかし、そんな幸福な関係に終止符を打ったのは、エイミーの母親トリーナだった。エイミーがメラニーに習ったインディアンのダンスを、皆の前で発表することになった日、よろけながらも楽しんで踊るエイミーに母親は恥ずかしさを覚え、ダンスを中断させてしまったのだ。怒り狂ったピーターとトリーナの言い争いに一番傷ついたのはエイミーだった。時が経ち、エイミーがピーターの家に別れを告げに来た。別居していた両親が和解し、また引越しをすることになったのだ。出発の直前、路上に座って別れの挨拶を交わすエイミーとピーター。母親にピーターとの接触を禁じられているエイミーは心ならずも彼に距離をおいているが、二人の心は分かちがたい愛情で結ばれていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マイケル・カレスニコ
- 脚本
- マイケル・カレスニコ
- 製作総指揮
- ロバート・レッドフォード
- プロデューサー
- マイケル・ノジック
- ナンシー・M・ラフ
- ブラッド・ウェストン
- 撮影
- ヒューバート・タクザノウスキー
- 編集
- パメラ・マーティン
- その他
- ロビン・アーダン