恋に落ちる確率

劇場公開日:

解説

運命的な出会いを果たした女性と、今までの恋人や日常との二者択一を迫られる青年を描いたシュールな恋愛映画。監督・脚本はこれが長編デビューとなるクリストファー・ボー。音楽はこれが初の長編映画仕事となるトーマス・ナック。編集は『キング・オブ・パイレーツ』(V)のミッケル・E・G・ニールセン。出演は「しあわせな孤独」のニコライ・リー・カース、「13ウォーリアーズ」のマリア・ボネヴィーほか。2003年カンヌ国際映画祭カメラ・ドール、批評家週間最優秀作品賞、同年サン・セバスチャン国際映画祭国際批評家連盟監督賞、同年シカゴ国際映画祭撮影部門金賞、2004年ローベル映画祭(デンマーク・アカデミー賞)最優秀編集賞、最優秀音響賞ほか多数受賞。

2003年製作/92分/デンマーク
原題または英題:Reconstruction
配給:アーティスト・フィルム=ビターズ・エンド
劇場公開日:2004年12月11日

ストーリー

アイメ(マリア・ボネヴィー)は、小説家の夫アウグスト(クリスター・ヘンリクソン)に連れ添いコペンハーゲンに来ている。だがふたりはすれ違いが多く、アイメは1人で街に出掛けてゆく。そんな彼女と、カメラマンのアレックス(ニコライ・リー・カース)が、ノーアポート駅のホームで視線を交わす。彼は恋人のシモーネ(マリア・ボネヴィー、2役)と待ち合わせしていたのだが、衝動的にアイメの後を追いかけてしまう。2人はたちまち恋に落ち、一夜を共にする。翌朝、再会の約束をして帰宅したアレックスだが、そんな彼の身に不可解な状況が襲いかかる。シモーネや友人たちがアレックスの存在を知らないと言うのだ。今までの日常を失ってしまったアレックスは、せめてアイメだけは現実のものであって欲しいと願いながら、待ち合わせのレストランに向かう。アイメは約束通り現われ、デートを楽しんだ2人は、すべてを捨ててローマに行く約束を交わす。アイメは引き止めようとするアウグストを振り切るが、一方、アレックスは中々シモーネを諦められない。しかし選択を迷ったおかげでアイメとの恋も消え去ってしまい、彼はひとりぼっちになってしまうのだった。

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映画レビュー

4.0眠りに落ちる確率

2019年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 “Night and Day”と、マジシャンが操るタバコのマリオネット。ストーリーの各場面に現れるコペンハーゲンの航空写真地図。随所に展開される、不思議な世界に迷い込む斬新な映像が心地よかった。眠りに落ちる確率も高いのかもしれない・・・  運命の女性に出会う・・・恋人シモーネとのデートを放り出して、小説家の妻アイメに一目惚れするアレックス。シモーネとアイメは女優マリア・ボネヴィーの一人二役なのだから、結局は同じタイプの女性を好きになるということも表現し、人妻を好きになったら後戻りはできないことも隠喩しているのかもしれない。  最初は、SFチックにパラレルワールドにでも迷い込んだのか、周りの人間が共謀してアレックスをハメようとしているのかと考えてしまいました。ライターやローマ観光地図が伏線を為しているように、映画そのものの構成が作家アウグストの小説の中で動いているような気がします。「男と女の出会いのシーンをようやく考えついたよ」(不確かです)という彼の台詞と、マジシャンの映像で全てをサンドイッチする構成がまさしく「再構成」(原題:Reconstruction)を意味しているような・・・  多分、アウグストは自慢の妻を小説の中に登場させたくてしょうがない男。若者に妻を寝取られることも快感に覚える変な奴なのでしょう。そういう風変わりな人間じゃないと小説は面白くないですよね・・・

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kossy