みんな誰かの愛しい人

解説

すれ違いに悩むある家族の肖像とその周辺の人々の心模様を描いたヒューマン・ドラマ。監督・脚本・出演は「ムッシュ・カステラの恋」のアニエス・ジャウイ。脚本・出演はジャウイと多くコンビを組むジャン＝ピエール・バクリ。音楽は「スイミング・プール」のフィリップ・ロンビ。共演は本作が本格的な女優デビューとなるマリルー・ベリ、「パリ、18区、夜。」のローラン・グレヴィル、これが長編デビューとなるカイン・ボーヒーザほか。2004年カンヌ国際映画祭脚本賞受賞。

2004年製作／111分／フランス
原題または英題：Comme une image
配給：ギャガ
劇場公開日：2004年10月30日

ストーリー

20歳のロリータ（マリルー・ベリ）は、有名大作家の父親エチエンヌ（ジャン＝ピエール・バクリ）の影に隠れてパッとしない自分にコンプレックスを持っている。一番の悩みは太めの体型だが、皮肉にも、父が連れてきた新しい母のカリーヌ（ヴァージニー・デサルナ）は、自分と年の変わらぬスレンダーな美女。ロリータは唯一の特技である歌でエチエンヌの気を引こうとするが、自己中心的で傲慢な父には気づいてもらえない。ジャーナリストの卵であるボーイフレンドのセバスチアン（カイン・ボーヒーザ）に対しても、父とのコネが目当てでは……と疑心暗鬼になってしまう。一方、ロリータの歌の教師シルヴィア（アニエス・ジャウイ）は、夫の売れない作家ピエール（ロラン・グレヴィル）のことで手を焼いていた。そんな時、ロリータの父の素性を知り、急に彼女に接近する。エチエンヌはピエールに興味を持っており、大きな書評が出て、ピエールは一躍有名作家になった。大喜びのシルヴィアだったが、しかしやがて彼女は、ロリータの歌の講演会も途中退席してしまったエチエンヌを、人として尊敬できなくなる。そんなエチエンヌは、セバスチアンを怒らせて落ち込むロリータを慰めようとするが、そこでロリータは初めて、セバスチアンの自分への愛に気づく。そして自転車に乗ってセバスチアンを捜し出し、仲直りするのだった。

受賞歴