地球の危機

劇場公開日:

解説

「失われた世界(1966)」につづくアーウィン・アレン製作・監督の空想科学映画。脚本を書いたのはアーウィン・アレンとチャールズ・ベネット。原案もアーウィン・アレンである。撮影を受け持ったのはウィントン・C・ホック。音楽担当はポール・ソーテルとバート・シェフター。出演するのは「禁断の惑星」のウォルター・ピジョン、「ある微笑」のジョーン・フォンテーンの他、ピーター・ローレ、バーバラ・イーデン、フランキー・アヴァロンなど。

1961年製作/アメリカ
原題:Voyage to the Bottom of the Sea
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1961年10月11日

ストーリー

合衆国科学省海洋探査局の実験原子力潜水艦シービュー号は試運転に北洋にのりだした。主要乗組員は科学所として有名な元海軍堤督ネルソン(ウォルター・ピジョン)、クレーン艦長(ロバート・スターリング)、その部下チップ青年(フランキー・アヴァロン)、堤督の女秘書キャシー、物理学者であり海洋生物学者であるエマリー准将、女精神科医ヒラー博士(ジョーン・フォンテーン)、バーカー国会議員、クロード堤督などである。艦が水面下90フィートを潜航している時、巨大な岩が落下してきた。浮上してみると、空が真っ赤にそまり、気温が上昇して氷山がみるみるとけていく。やがて氷山の1つから合衆国の観測隊員アルバレスが救けられた。無電によるとこの怪現象は世界的なもので地球上空300マイルに現れたバン・アレン放射熱帯によって起こったことがわかった。このため地球上は水ききんにおそわれたり、大洪水に襲われたりしているという。国連では緊急会議を召集し、ネルソン堤督はそこに出席を求められた。アルバレス以外の遭難観測隊員をみすてて艦はニューヨークに急行した。途中、ネルソン堤督はエマリー准将やクロフォード堤督と協議し、艦からミサイルを発射して放射熱を一挙に消す計画を立てた。が、この案は国連でたちまち大反対にあった。とくに強く反対したのは、放射熱帯の温度が今後173度に達すれば自然消滅すると信じきっているズッコ博士であった。自説を曲げぬネルソン堤督は、艦をマリアナ群島に急航させ、ミサイルを発射準備をした。ヒラリー博士はこれを止めるため発電機をこわしたりネルソン堤督の居室に火事を起こしたりした。国連所属の潜水艦もシービュー号を妨害した。しかし堤督はくじけなかった。ヒラー博士は艦の原子炉のモーターを止めようとして放射能を浴び、生物実験用水槽に落ちサメにくわれて死んだ。補助モーターを使って目的海域についた艦は、ミサイルを発射しようとした。アルバレスが爆弾を手に妨害行為に出たが、クレーン艦長がフロッグ・マンのいでたちで艦外に出、ミサイルを発射することに成功した。上空に雷鳴がとどろき、やがて真っ赤にただれた空は、しだいに晴れていった。

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映画レビュー

4.0特撮ファンならマストの作品です

2020年3月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ご存知原潜シービュー号の映画です
米国公開は1961年7月、日本でも同年10月に公開されています

この設定をそのまま使ってテレビシリーズも製作されています
というかそちらの方が有名でしょう

テレビシリーズは米国では1964年から1968年まで長く放映されています
日本でも原潜シービュー号 海底科学作戦のタイトルで1964年から1965年と、1967年から1969年に分けてゴールデンタイムに放映され人気を博しました

製作はアーウィン・アレン、特撮は米国の円谷英二というべきL・B・アボットです

本作とテレビシリーズとの違いは三つ
まず配役で主要登場人物は全員異なります
本作のネルソン提督は名前通り英国人ぽいですが、テレビ版では二谷英明ぽい渋めの米国人らしい役者ですし、クレイン艦長もテレビ版はもっと真面目一徹に、エメリー准将はテレビ版ではいなくなり変わりにモートン副長という良く似た姿の人物がいます

二つ目はフライングサブというシービュー号搭載のカッコいいジェット潜水飛行艇がテレビ版では活躍しますが本作には一切登場しません

三つ目は原潜シービュー号のそのものです
テレビ版の第二シーズンでは全面展望窓の形状が異なり、展望室も無くなっています
テレビ版では緊急時にはシャッターが閉まるようにもなっていますが、本作にはありません
機雷原投入のシーンでは当然閉めるべきものです

このシービュー号の造形、ミニサブの造形、内部のセットも大変に優れています
海上、水中の航行シーンの特撮も優れており、東宝特撮の大プールの撮影にも勝るリアリティがあります
海中での水の表現、潜水艦の巨大さ、航行速度の速さ、深度を取って沈下していく表現、海底を這うように進むシーン
どれもこれも結局のところ東宝特撮はこれに勝る映像を撮れていません
マイティジャックでも、緯度ゼロ大作戦でも、まだ追いつけていないのです
海上の波の細かな表現はむしろ東宝特撮側が参考にして取り入れた表現のように思います

クライマックスのSLBM 潜水艦発射ミサイルの水中発射シーンの特撮のリアリティは完全に東宝特撮を凌駕しているもので、息を呑む見事な出来映えです

本編もまた良くできています
シービュー号の提督、艦長だけでなく士官や乗組員達のキャラクターの描き分けも良くできてます

米国で1966年から放映開始されたスタートレック
宇宙大作戦の元ネタは恐らく本作であるとおもいます

シービュー号がエーンタープライズ号で舞台が海底から宇宙に変わっただけなのです
カーク船長はクレイン艦長とネルソン提督が合体したものです

物語の内容は宇宙的な異変により地球の破滅的危機が訪れた事に対し、世界中から国連本部に科学者が集まって対策計画を検討する
しかし原潜シービュー号のネルソン提督はその計画では地球を救えないと別の計画を独自に進めようとするというもの

この設定の前半だけをみれば1962年3月公開の妖星ゴラスと全く同じです
もしかしたら発想の原点は本作かも知れません

特撮ファンならマストの作品です

お話の筋も、地球をすくう為には激烈な手段の対策を取るべきとのネルソン提督の計画に対して、反対が集中して、果ては艦内で破壊工作まで起こるのです
昨今の新型コロナウイルスへの対策を打ち出す首相に、様々な反対意見が集中している中断固としてやり抜こうとするネルソン提督の姿と重なるものがあります
偶々乗り合わせた精神科の博士などは、被害妄想になっているとまで批判するのです

危機に際してのリーダーと取り巻く人々の物語としても見応えが有りました

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あき240

3.0実は心理サスペンス

2019年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza
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