黒い蠍

劇場公開日:

解説

メキシコを舞台に、火山爆発によって生れた大蠍を主人公として作られた空想科学映画。ポール・ヨウィツの原作をデイヴィッド・ダンカンとロバート・ブリースが共同脚色、「大車輪」のエドワード・ルドウィグが監督した。撮影は「八十日間世界一周」のライオネル・リンドン、音楽は作曲指揮が「荒野の無頼漢」のポール・ソーテル、編曲をバート・シュフターが担当、ジャック・クーカリーの電子音楽も使われている。主演は「めぐり逢い(1957)」のリチャード・デニング、「決闘者」のマラ・コーディ、そのほかカルロス・リバス、マリオ・ナバロ・カルロスモスクイス。

1957年製作/アメリカ
原題または英題:The Black Scorpion
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1958年1月2日

ストーリー

メキシコ火山帯の大爆発を調査している地質学者スコット(リチャード・デニング)とラモスの2人はサン・ロレンゾへの車の途中、無気味な動物の鳴き声を耳にした。しかも近くには破壊された警察車との警官の死体があった。翌朝、懐疑の念に駆られたスコットとラモスは噴火の跡も生々しい火山帯へ出かけた。途中、スコットは、遠乗りにきて落馬したテレサ(マラ・コーディ)という美貌の女性を救ったがそのときラモスは珍しい黒燿石を拾った。スコットとラモスはテレサを連れて仮住居の研究室に戻ると、そこに毒物学の権威デラクルス博士と軍のコシオ少佐が待っていた。博士は惨殺された警官の死因は有機性の毒素による中毒死であると意外な事実を打明け、更に死体の近くで発見したという巨大な足跡の石膏を披露した。数日後スコットとラモスは、テレサを彼女の牧場に送り届けた。その夜ラモスは例の黒燿石を割って見せた。中には小さな蠍がいた。話が蠍に集中した折りも折り無気味な鳴き声とともに、想像もつかぬ巨大な蠍が牧場に現れた。長さ150フィート、高さ50フィートという怪物の出現に一同は動転した。しかもその頃サン・ロレンゾの街は、この怪物蠍の群に襲われ、機関銃で応戦しても鋼鉄のような皮に手を拱くばかりだった。スコットらがサン・ロレンゾへ急行するとそこにはメキシコ・シティから学界の大御所ベラスコ博士が来ていた。博士が大蠍が3世紀に繁殖した怪物で、火山爆発によって地盤のゆるみから地上に再来したこと、蠍は習性上、夜間しか現れないから蠍退治は昼間に限ることなどを話した。翌朝、ベラスコ博士を先頭にスコットらは蠍探険を決行、その根城と思われる地表の割れ目を見つけた。2人の報告で直ちに割れ目へダイナマイトが仕掛けられ蠍どもは生き埋めとなったと思われた。ところが生き埋めとなった筈の蠍が間もなくメキシコ・シティ近郊に進出、数匹をもって人間を殺傷し、これが終ると仲間同士の壮絶な決闘をくりひろげた。天地を圧する怒号のうちに決闘は終り1匹の黒い大蠍が残った。黒い大蠍は列車を襲撃、メキシコ・シティは大恐慌。軍、警察、科学者一体となってこの黒い蠍をメキシコ大学の体育場に誘い出し一挙に葬ることに決まった。血潮したたる数百貫の肉によって蠍は遂に体育場におびき寄せられた。しかし蠍も今や死物狂い。繰り出す戦車、大砲をも地面に叩きつける始末。スコットは最後の頼みと、60万ボルトの高圧電流を通じた特殊銃を的の咽喉に射ち込み、これで、さしもの怪物も絶滅した。殊勲のスコットにテレサがかけよってきた。

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