さすらいのカウボーイ

劇場公開日:

解説

漠々とした放浪の旅には人生の豊饒がある。製作はウィリアム・ヘイワード、監督は「イージー・ライダー」を製作・主演したピーター・フォンダ、脚本はアラン・シャープ、撮影はヴィルモス・ジグモンド、音楽はブルース・ラングホーンが各々担当。出演はピーター・フォンダ、「ワイルドバンチ」のウォーレン・オーツ、「アメリカを斬る」のヴァーナ・ブルーム、ロバート・プラト、セヴァーン・ダーデン、テッド・マークランド、オウエン・オールなど。

1971年製作/アメリカ
原題または英題:The Hired Hand
配給:CIC
劇場公開日:1972年3月11日

ストーリー

コリングス(ピーター・フォンダ)が年上の妻ハンナ(ヴァーナ・ブルーム)と幼い娘を捨てて荒涼たる放浪の旅に立ってから7年の歳月が流れていた。コリングスはいま、ハリス(ウォーレン・オーツ)とダン(ロバート・プラト)とトリオを組み、夢の国カリフォルニアを目ざして旅を続けていた。しかし、7年間の放浪生活はコリングスを一人前の男に仕立てあげ、彼はようやく、旅の魅惑に疑問を感じ始めていたのだ。すでに40の坂を越したハリスはコリングスの気持ちが理解できたが、若いダンは当然強く反発した。3人が食糧を求めて入ったデル・ノルテという寒村はマクベイ(セヴァーン・ダーデン)の支配下にあったが、3人は久しぶりの歓楽に酔った。ところが、女を求めて夜の街へ飛び出したダンが重傷を負って帰ってきて、すぐにコト切れた。マクべイは、ダンが自分の妻を襲ったので撃ったと明言した。マクベイが、ダンの馬を狙って仕組んだ罠だと察した2人は、マクベイの家を襲ったが致命傷を負わせるには至らず、村を逃げだした。コリングスの気持ちは決まった。今こそ自分の家族のもとへ帰るべきだと悟ったのだ。ハリスも同行を決意した。2人はハンナの農園へたどりついた。娘のジェニーもいた。コリングスは過去を詫びた、がハンナは何よりも現実の厳しさが身にしみていた。コリングスとハリスは雇われ人として納屋をあてがわれた。2人は夢中で働いた。次第にコリングスに心を開くようになったハンナを見て、ハリスは黙って旅立っていった。コリングスはこの生活を守ろうと必死になって働いた。ある日、1人の流れ者が農園を訪れ、ハリスの指が入った包みを渡した。あのマクベイのおびきだしだ。コリングスにとって選ぶベき道は2つに1つだ。コリングスはハリスとの放浪の旅を思い出していた。そして家庭を思いやった。瞬間、コリングスの心は決まった。ハンナの引きとめるのもきかず、コリングスは馬をひき出し、デル・ノルテへ向かった。デル・ノルテで罠を張ったマクベイとの撃ち合いで、コリングスはあっけなく死んだ。何日か経ち、コリングスの帰りを待つハンナは、今日もポーチで豆の皮をむきながら遠くから馬に乗ってくる男の顔にじっと目をこらしていた。

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映画レビュー

3.0抒情西部劇

2023年9月11日
PCから投稿

西部劇要素より、夫婦と友情の心理描写が主です。 地味ですが、確かに抒情性は満点です。 公開当時酷評されたのも良く理解できます。 おとなしすぎて、いわゆる西部劇を期待する人には向かなかったんでしょうね。 今でもヒットするタイプの作品ではありません。 オーツ選手、一番いいかもしれません。

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越後屋

3.0愛情と友情の狭間、そして人生のアヤ

2020年8月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

NHKのBS放送を録画して鑑賞。 なんとも不思議な余韻を残す作品だった。 気軽で本能のままで生きられる同性間友情と 面倒でそれなりの努力の必要な異性間愛情の 間で揺れ動く人生観を語ったような作品だ。 家庭を捨て気ままな生き方から友情側に走った主人公が、 一旦は妻との愛情側にシフトするものの、 友人の危機を切っ掛けに友情側に戻り 命を落とす。 結末は「友情>愛情」を予感して観ていた ので予想通りの結末と思ったが、 主人公に助けられた友人の、 まるで彼の代わりのように 「友情<愛情」へのシフトを思わせる ラストシーンが印象的で 人生のアヤを感じさせる不思議な余韻の映画だった。

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