彩られし女性
解説
「クリスチナ女王」に次ぐグレタ・ガルボ主演映画で、「雨」「痴人の愛」と同じくW・サマセット・モーム作の小説の映画化。脚色には「蛍の光」のジョン・ミーハン、「クリスチナ女王」のザルカ・フィアテル、「今日限りの命」のエディス・フィッツジェラルドが協力し、「噫無情」「白衣の騎士」のリチャード・ボレスラウスキーが監督に当たり、「クリスチナ女王」「白い蘭」のウィリアム・ダニエルスが撮影している。ガルボを助けて「台風」「旅客機の怪盗」のハーバート・マーシャルと「最初の接吻」「紅唇罪あり」のジョージ・ブレントとを始め、「白衣の騎士」のジーン・ハーショルト、「南風の恋歌」のワーナー・オーランド、「白い蘭」のキャサリン・アレクサンダー、フォーレスター・ハーヴェイ等が出演する。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:The Painted Veil
ストーリー
医師コーバーの娘カトリンは妹の結婚後の寂しさから父コーバーの弟子の英国人ウォルター・フェインの求婚を受入れ、彼の任地なる香港に赴いた。ウォルターはしかし学者の通有性として新婚の妻をねぎることよりも仕事の方が忙しくとかく家庭を離れて居ることが多かった。そうした寂しさを慰めるものはわずかにその地の英国人の倶楽部で、そこに出入りする中、彼女は領事館員のジャック・タウンセンドと親しむようになった。2人の親交は恋まで進展した。これを知ったウォルターは若しタウンセンドがれの妻を離婚しカトリンと結婚する誠意があれば彼女を手放すが、その誠意のない場合は自分が伴って中国の奥地の疫病流行地に行く事を命じた。ウォルターの疑念の通りタウンセンドには誠意がなかった。それは一時の恋の戯れに過ぎなかった。カトリンは夫に従って奥地に向かった。しかし、夫婦間の愛情は到底以前に戻らぬことを知ってカトリンは煩悶した。夫も日を経るにつれて妻の寂しさには同情したが彼女の愛には確信が持てなかったのでついに妻を香港に帰す事に決心しその旨を言い渡して、彼自身は更に一命を賭して奥地に向かった。ウォルターは疫病を根絶するにはその根源地の町を焼き払う以外に手のない事を知り、断固焼き払いを命じたので住民の憤怒を買いついに凶刃の犠牲となった。しかし九死に一生を得たウォルターは図らずも如くに香港に帰った筈の妻カトリンをその枕元に発見した。そこに始めて真実の妻の愛が証明された。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リチャード・ボレスラウスキー
- 脚本
- ジョン・ミーハン
- サルカ・ビアテル
- エディス・フィッツジェラルド
- 原作
- W・サマセット・モーム
- 製作
- ハント・ストロンバーグ
- 撮影
- ウィリアム・H・ダニエルズ
- 美術
- セドリック・ギボンズ
- 音楽
- ハーバート・ストサート