片腕ドラゴン

劇場公開日:

解説

世界的に流行している香港製空手映画。製作は「燃えよドラゴン」のレイモンド・チョウ、監督は「新座頭市・破れ! 唐人剣」にゲスト出演した俳優のジミー・ウォング(王羽)、撮影はJ・S・モウ、音楽はF・L・ウォング、殺陣はS・W・チェンが各々担当。出演はジミー・ウォング、タン・シン、ティエン・イェー、フェイ・ルン、ライ・シュンなど。

1972年製作/香港
原題:One-Armed Boxer
配給:東和
劇場公開日:1974年2月8日

ストーリー

効外に煉瓦工場と染色工場を経営しているハン・ツイは、町に武道の道場を持ち、多くの若者たちの武道の訓練と人格の向上につとめ、人々から人格者として尊敬されていた。一方、近くにもう一つ道場があったが、それは、麻薬と売春で儲けているチャオ・ラ・ルー(Y・ティエン)がひらいている道場で、一味はいつも手鉤を武器として持ち歩いていることからフック・ギャングと呼ばれ、町の人々から嫌われていた。チャオは、かねてからハン・ツイの経営している二つの工場に眼をつけ、何とかして手に入れようと狙っていた。ある日、町の料理屋で、チャオの高弟マー・ムー・トン(R・シュン)と、ハン・ツイの愛弟子ユー・チェン・ルン(J・ウォング)が対立し、ハン一門の若者たちとフック一味が町外れの谷で決着をつけることになった。大乱闘の末フック一味は敗走したが、ハン一門にも二人の死者と多くの負傷者が出た。この事件を知ったハン・ツイ先生は、原因はともあれ、血気にはやっての無意味な戦いをいましめ、責任者であるチェン・ルンを処罰した。ハン先生がチャオに詑びにいこうとした矢先に、部下を従えたチャオが道場に乗り込んできて、チェン・ルンの引渡しを要求した。ハンがこれを断わったことから、ふたたび死闘が展開し、最後にハンとチャオの対戦となったが、チャオは傷をうけて引きあげた。チャオは復讐のために、各国から武道の専門家を雇いこんだ。沖縄の空手の達人、二谷太郎(L・フェイ)と高弟二人、韓国の武道の名人チン・チー・ヨン、タイのボクシング選手ツイ兄弟、インドのヨガの先生ムラ・ツン、日本の柔道四段の高橋、さらにチベット戦法の名人の二人のラマ僧。こうした各国各流儀の武道の達人たちの助太刀を得て、ハン・ツイ一門に決戦を挑むことになった。再度、ハンの道場で死闘が開始された。だが、さすがに各国から集められた武道の専門家たちは強かった。門下生たちは次々に殺され、チェン・ルンも二谷の怪力で右腕を肩のつけ根から叩きとられてしまった。ハン一門はほとんど全滅した。片腕を失い、九死に一生を得て逃れたチェン・ルンは、通りかかった父娘に助けられた。娘のシャオ・ユー(T・ツン)の手厚い看護で傷はいえたが、今では左腕一本となっていた。片腕ではフック一味への復讐をとげることは無理だ。そんな彼の苦悩を知ったシャオ・ユーは、かねてから父が研究している秘薬を使うことをすすめた。残された左腕一本を攻防の武器とするためには二本分の強さが必要だ。彼女の父が作った秘薬は、まず手を火で焼いて全神経を殺してから、ふたたび神経の循環を復元するというもので、チェン・ルンはついに鉄よりも堅い左腕をもつことに成功した。それから半年たち、チェン・ルンには自信がついた。シャオ・ユーと町にでたチェン・ルンは、柔道の高橋を血祭りにあげ、チャオに対して三日後、町外れの石切場での決戦を挑んだ。チャオに雇われた武道の専門家たちは勢揃いした。しかし、鉄の片腕を持つチェン・ルンにかなう者はいなかった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
製作
レイモンド・チョウ
撮影
J・S・モウ
音楽
F・L・ウォング
スタント・コーディネーター
S・W・チェン
字幕監修
野中重雄
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映画レビュー

3.0シャオユーの父から教わった方法で最強の左腕を作り上げたティエンロンは 最強の武道家たちに再度挑む。 いろんな突っ込みどころがある映画だが、 まあまあ楽しく見られると思う。

2024年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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楽しい

動画配信で映画「片腕ドラゴン」を見た。

1972年製作/香港
原題:One-Armed Boxer、獨臂拳王
配給:東和
劇場公開日:1974年2月8日
上映時間:93分

鄒文懐(レイモンド・チョウ)制作、監督
主演は王羽(ジミー・ウォング)。
上海生まれ。
国籍は中華民国。
2022年4月に台北市で亡くなっている。
79歳。

実生活でのトラブルが少なくなく、
暴力事件や香港黒社会との関係が取り沙汰され
スターとしての人気が低迷。
活動の拠点を台湾へと移す。
後にジャッキーとローウェイとの契約問題の間を
黒社会との人脈を生かして両者の取り持ちを買って出るなど、
ジャッキーも彼には頭が上がらない存在として影響力は健在だった。

日本では『燃えよドラゴン』(1973)公開直後の
ドラゴン・ブームの最初の作品。
1974年に日本公開され、
2億5千万円の配給収入をあげた。
ドラゴン・ブームに公開された40数本のカンフー映画の中で
ブルース・リー作品以外では
最大の興収をあげた。
続編は『片腕カンフー対空とぶギロチン』('76)。

街で無法を繰り返す者たちをこらしめたティエンロン。

相手方はアジア各地から最強の武道家を集めた。
日本からは二谷、 長谷川、高橋、坂田らの柔道家、空手家。
タイやインドやチベットからも召集された。

二谷との戦いで右腕を失くしたティエンロン。
偶然通りかかったシャオユー父娘に助けられる。

シャオユーの父から教わった方法で最強の左腕を作り上げたティエンロンは
最強の武道家たちに再度挑む。

いろんな突っ込みどころがある映画だが、
まあまあ楽しく見られると思う。
唐突に終劇になるのも面白い。

満足度は5点満点で3点☆☆☆です。

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ドン・チャック

4.0片腕の戦士No.2‼️

2024年1月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

単純

映画史上2番目に片腕キャラが似合う男、ジミー・ウォング‼️片腕ドラゴン‼️ちなみに1番は大河内伝次郎の丹下左膳‼️とにかく「燃えよドラゴン」と並んで世界中にカンフーブームを巻き起こした愛すべきカンフー映画‼️チープで荒唐無稽でちょっぴりリアル‼️まずストーリー‼️とある町に2つのカンフー道場があり、一方が非道の限りを尽くし、もう一方の門弟たちを皆殺し、生き残った主人公が片腕となりながらも、修行の末、勝利を収める‼️これは日本の任侠映画によくあるパターンですね‼️そして敵側が雇う用心棒たちのキャラ‼️黒塗りが笑えるヨガの達人‼️戦闘前に変な祈りをするムエタイ兄弟‼️怪しげな柔道家‼️いかにもな付け髭が笑えるラマ僧‼️牙を生やしてドラキュラみたいな沖縄空手の達人‼️このワケわからん敵キャラと死闘を繰り広げる片腕ドラゴン‼️たくさんの焼き石を突き、腕の全神経を切断、また繋ぎ直して最強の片腕へ‼️人間の体はそんな都合良くいきません‼️指一本で逆立ちし、ピョンピョン飛び跳ねたり、倒されてもすぐ直立不動で立ち上がるのが笑えるし、肝心のカンフーアクションもブルース・リーやジャッキーのアクションを見慣れている我々としてはあんまり凄さを感じないんだけれども、実はフィルムの回転速度を上げてスピードを出していたジャッキー映画に比べたら、ある意味リアルなのかも‼️修行を支えてくれた医者の娘とのエピソードを静止画で描いたり‼️映像センスが良いのか、ただ単に予算がなかったのか⁉️とにかく何も考えずに笑って楽しむ映画‼️ラストの決闘で目を潰された主人公‼️続編では丹下左膳と同じく隻眼隻手となるのかと期待したが、フツーに直ってたみたいで残念‼️

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共感した! 4件)
活動写真愛好家

3.5深い事考えずに観てると結構面白い

2023年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ゴールデンハーベストのオープニングが最高。やっぱりこれですよね。
まず音楽が格好良いです。功夫だけでなく、後の色んなヴァイオレンス映画の音楽ルーツがここにあるように感じました。
そしてやはりタランティーノすっごい好きそう。
物語云々は置いといて、まず気になったのが主人公。
天津木村にそっくりなんですよ。
もう、それが最後まで気になって気になって…。
あとムエタイがひどすぎる…そもそも使っている術理が完全に中武。
テコンドーは更にひどく、もう道着が日本のそれ。
それと巨体術にはたまげましたね。
あと倒れた後の起き上がり方がすごくて、もう人ではないんですよ。
インドの逆立ち技もまた強烈です。
このようにキャラが皆立っており、インパクトはすごいです。
それと作りがすっごい雑で、生き延びてからのダイジェスト感がものすごい。
とか思ってたら、あまりにも突然の終撃。
これは驚きましたね。
このようにツッコミどころは満載です。
しかしながら、深い事考えずに観てると結構面白いんですよ。
ちょっと興味があるなら観てみる価値はありますよ。

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白波

3.0腹を括って観ましょう

2022年6月29日
iPhoneアプリから投稿

ジミー・ウォングのカルトカンフー映画。
タランティーノやウォシャウスキー兄弟といった映画オタクが好きなのは、極端にデフォルメされたバイオレンス描写や異種格闘技を先取りした荒唐無稽な展開が魅力。
元々カンフーは苦手(失礼)なジミーさんなので、
カンフーファンは評価の分かれるところですね。
ファンキーなテーマはアイザック・ヘイズの「黒いジャガー」(Shaft)。平気で使うのも、この時代の香港映画ならでは。ツッコミながら観るのが正解。

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bompara
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