酔っぱらった馬の時間

劇場公開日:

解説

国家を持たない世界最大の少数民族であるクルド人監督が描く、感動の家族ドラマ。監督は、これがデビュー作となるバフマン・ゴバディ。2000年度カンヌ国際映画祭で大絶賛された。

2000年製作/80分/イラン
原題または英題:Zamani Baraye Masti Asbha
配給:オフィスサンマルサン
劇場公開日:2002年10月5日

ストーリー

イラン=イラク国境のクルド人の村。孤児になった5人兄弟の1人で、不治の病に侵されたマディの手術代を稼ぐため、弟のアヨブはイラクへの密輸行に加わる。それは、凍えた馬に酒を飲ませる厳冬の山越えだった。酔っぱらった馬に密輸品を載せ、武装した国境警備隊と無数の地雷が待つ決死の道行。たとえ手術が成功しても短い命と知ってはいても、兄弟たちはマディを思いやり、手術代のために姉は嫁入りし、弟は危険なキャラバンに加わるのだった。

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映画レビュー

4.5圧倒的に美しく、圧倒的に冷酷なクルディスタン

2012年4月23日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

バフマン・ゴバディ自身のアイデンティティであり、世界最大の難民として知られるクルド人の実情を時に温かく、時に冷酷にありのままに描いた作品。
この作品はドキュメンタリーでもある。
手持ちカメラによる映像から映し出されるクルド人兄弟たちはまさにありのまま、この地に住む紛れもないクルド人だ。
過酷な地で懸命に生きるその姿からは真の意味で人間の"生"が見えてくる。
また、映画的にも眼差しのような手持ちカメラの映像は良くできていた。

この作品やウィンターボトム監督の「In This World」、またはドキュメンタリーなど過酷な地で懸命に生きる人々の"生"の記録はいつまでも色褪せることなく、高度な文明社会に生きる私達に強い衝撃をもたらす。
そして、それは私達に後ろを振り返るチャンスを与えてくれているのかもしれない。

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keita

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