山の郵便配達

劇場公開日:

解説

自然が豊かな湖南省で創作活動を続けるポン・ヂエンミンの短編小説『那山 那人 那狗(あの山、あの人、あの犬)』を映画化。大自然を背景に父と息子、妻と母の立場を通して家族の在り方を描き、1999年中国金鶏賞最優秀作品賞ほか多数の賞を受賞した。

1999年製作/93分/中国
原題または英題:那山 那人 那狗
配給:キネマ旬報社=エフ プロモーション=東宝東和
劇場公開日:2001年4月7日

ストーリー

1980年代初頭、中国湖南省の山間地帯。郵便配達を長年勤め上げた男は、後継ぎとなる息子に引き継ぐため、初めて一緒に、最後の仕事となる“旅”に出る。重い郵便袋を背に山道を辿り、幾つもの村を尋ねる2人。父は手紙を運ぶ責任の重さと仕事の誇りを静かに息子に伝える。息子は寡黙で留守がちな父に対して心の隔たりを感じていたが、人々の信頼を集める父の姿に接し、徐々に尊敬の念と仕事への責任感を深めていく。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第25回 日本アカデミー賞(2002年)

ノミネート

外国作品賞  
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映画レビュー

3.5はじめてのおつかいムービー

2024年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

なかなか味わい深い映画でした。

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光陽

4.0失われゆくアイデンティティへの惜愛

2024年8月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

中国の山村の生活、そこに住む人々の純朴な表情、美しい田園風景、どれもがとても印象的だ。それらは、かつて日本にも存在したものであり、中国もこれらから失うものなのだろう。そうした中で父から子に引き継がれる徒歩での郵便配達の仕事も、遠からず失われる仕事なのだろう。 また、自らの境遇や周りの変化等全て受け入れながら自分の信じる生き方を通す父の姿。父の不在に畑や村の仕事を行い母を支えていた息子。彼らの根幹に昔ながらの儒教的精神を感じる。 そうした環境の中で、淡々と進む家族の物語には、偽りの無い美しさを感じる。それと同時に、もう既に全てが失われてしまっていてもおかしくないとい儚さ、切実さを訴えかけてくる。 戦争から内戦、文化大革命から改革開放政策。変化のうねりが続く中国で、脈々と受継がれてきた自分達のアイデンティティ。それを思い出してほしいという願いが、この作品には込められているのではないかと思う。 それにしても次男坊の愛くるしいこと。世界のどこにおいても、常に犬は人の最良の友だ。

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komasa

4.0登るほどに荷物は重くなる

2024年7月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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こころ

4.0静かな優しい映画。父の仕事を継ぐこととなった一人息子。最後の引き継...

2024年7月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

静かな優しい映画。父の仕事を継ぐこととなった一人息子。最後の引き継ぎ。 息子の成長を喜ぶ父の目が暖かい。うちの家族構成と同じなのでこれは沁みた。犬が次男坊って名前なのがいい、家族なんだね。 なんてことない内容なんだが、なぜか静かに感動する不思議作品。必見です。

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はむひろみ