八日目
劇場公開日:1997年5月24日
解説
エリート・ビジネスマンがダウン症の青年との奇妙な友情を通じて人生の本当の意味を学ぶ様を描いたファンタジー。監督・脚本・台詞は「トト・ザ・ヒーロー」でカンヌ映画祭新人監督賞に輝いたベルギーのジャコ・ヴァン・ドルマルで、彼の長編第2作。製作はフィリップ・ゴドー。撮影の「カストラート」のワルテル・ヴァン・デン・エンデ、監督の実兄で音楽のピエール・ヴァン・ドルマル、美術のユベール・プイユ、編集のスザナ・ロスベール、録音のドミニク・ヴァルニエは「トト・ザ・ヒーロー」に続いての参加。出演は「フランスの女」のダニエル・オートゥイユ、実際にダウン症患者で、障害者の劇団で活躍し、「トト・ザ・ヒーロー」にも出演しているパスカル・デュケンヌ、「僕は、パリに恋をする」のミュウ=ミュウほか。96年カンヌ国際映画祭で、オートゥイユとデュケンヌが二人で主演男優賞をダブル受賞。
1996年製作/118分/ベルギー・フランス合作
原題または英題:Le Hutieme Jour
配給:アスミック
劇場公開日:1997年5月24日
ストーリー
ダウン症の施設にいるジョルジュ(パスカル・デュケンヌ)はもう何年も前から面会日に家族が来ない。彼は大好きなママ(イザベル・サドヤン)に会うため犬を連れて施設を抜け出す。新しい大銀行の社員教育担当重役のアリー(ダニエル・オートゥイユ)は会社では羽振りがいい。だが、妻ジュリー(ミュウ=ミュウ)は、二人の娘を連れて実家に帰ってしまった。アリーは二人の娘が遊びに来る日を忘れて、駅に迎えに行き損ねた。苛立ちながら雨のなかを帰宅途中、車が犬をはねた。犬を連れていたジョルジュを仕方なしに家に連れて帰るアリー。翌朝。ジョルジュはチョコレート・アレルギーの発作を起こして倒れている。アリーはジョルジュの面倒を見る羽目に。ジョルジュの言うママの家を探して旅に出るが、行く先々でトラブル続き。やっとママの家を見つけたが、彼女は亡くなっていた。そこの住人から聞いた住所をたよりにジョルジュの姉を訪ねるが、彼女は夫と家族がいてとても弟は引き取れない。アリーは海辺に妻の実家を訪ねるが、彼女は拒絶し、娘たちも会いたがらない。絶望するアリーを慰めるジョルジュ。アリーは彼を施設に戻すしかなかった。銀行の設立式は娘アリスの誕生日の当日。アリーにはかつての自信はない。そこへジョルジュが、施設の仲間たちとともにベンツのディーラーから“借りた”ミニバスで乗り込む。アリーは彼らと祝賀用の花火を持って会社を飛び出す。海辺の閉鎖された遊園地で遊ぶ彼ら。ジョルジュとアリーはアリスの誕生日のプレゼントに多量の花火で夜空を彩る。そこへ警察が来て、みんなは補導された。ジョルジュとアリーは町のベンチで抱き合って一夜を明かす。朝起きるとジョルジュの姿がない。ジョルジュは街に戻り、アリーの銀行の屋上に登って、買ったチョコレートを頬張ると、宙に身を投げた。しばらく後。街角にたたずむルンペン姿のアリー……緑にあふれる精神病の療養施設。純真な子供に帰った父を訪ねるアリーの娘たちの姿があった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジャコ・バン・ドルマル
- 脚本
- ジャコ・バン・ドルマル
- 台詞
- ジャコ・バン・ドルマル
- 製作
- フィリップ・ゴドー
- 撮影
- ウォルター・バン・デン・エンデ
- 美術
- ユベール・プイユ
- 音楽
- ピエール・バン・ドルマール
- 録音
- ドミニク・ヴァルニエ
- フランソワ・グルート
- ブリュノ・タリエール
- 編集
- スザナ・ロスベルグ
- 衣装デザイン
- ヤン・タクス
- 字幕
- 戸田奈津子
受賞歴
第54回 ゴールデングローブ賞(1997年)
ノミネート
最優秀外国語映画賞 |
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