夕べの星
劇場公開日:1997年8月30日
解説
母と娘の33年に渡る愛を描き、第56回(83年度)アカデミー賞5部門を独占した「愛と追憶の日々」の続編。今回は60代となり、人生の後半戦を迎えたヒロイン、オーロラの姿と彼女を取り巻く人間模様が描かれる。前作に続いてラリー・マクマートリーの小説を原作に、「ファースト・ワイフ・クラブ」の脚本家ロバート・ハーリングの初監督・脚本で映画化。製作は、前作にも関与したデイヴィッド・カークパトリックと初参加のキース・サンブルズ、前作で美術を担当したポリー・プラットの共同。撮影は「フォレスト・ガンプ/一期一会」のドン・バージェス、音楽は「ティン・カップ」のウィリアム・ロス、美術は「ドライビング・ミス・デイジー」のブルーノ・ルベオ、編集はブリシラ・ネッド=フレンドリーとデイヴィッド・モリッツ、衣裳はルネ・エーリッヒ・カルファス。主演は前作に続いて「くちづけはタンゴの後で」のシャーリー・マクレーン。共演は、前作に続いて再登場する「マーズ・アタック!」のジャック・ニコルソンをはじめ、「ツイスター」のビル・パクストン、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のジュリエット・ルイス、「カンザス・シティ」のミランダ・リチャードソン、「先生のお気に入り」のマリオン・ロス、「今そこにある危機」のドナルド・モファット、「白い嵐」のスコット・ウルフ、「花嫁のパパ2」のジョージ・ニューバーン、「白銀に燃えて」のマッケンジー・アスティン、本作が遺作となった「ラスト・ショー」のベン・ジョンソンほか。
1996年製作/129分/アメリカ
原題または英題:The Evening Star
配給:UIP
劇場公開日:1997年8月30日
ストーリー
テキサス州ヒューストン。あれから十数年、オーロラ(シャーリー・マクレーン)は、娘エマの残した3人の孫を育てることに全力を注いできた。しかし、3人は決して彼女の思い通りに成長してくれなかった。長男トミー(ジョージ・ニューバーン)は麻薬所持で服役中。次男テディ(マッケンジー・アスティン)は自動車の修理工になったが、結婚もしないまま子供をもうけて平然としている。末っ子のメラニー(ジュリエット・ルイス)は軽薄な若者ブルース(スコット・ウルフ)に入れ込み、大学もやめると言い出した。こんな孫たちを見るにつけ、自分の人生は一体何だったのかと、最近のオーロラは落ち込むばかり。40年来、この家で働くメイドのロージー(マリオン・ロス)と、かつてオーロラの恋人だった元将軍のヘクター(ドナルド・モファット)は、そんな彼女を心配げに見守る。ロージーの算段で、若くハンサムな精神カウンセラー、ジェリー(ビル・パクストン)の元に通いだしたオーロラは活気を取り戻し、彼の勧めで古い写真や手紙を広げてアルバム作りに取りかかる。そんな時、メラニーがブルースの浮気にショックを受け、自殺未遂事件を起こす。病院には先に、エマの親友だったパッツィ(ミランダ・リチャードソン)が来ていた。彼女はメラニーをわが子のように可愛がり、メラニーも何かと頼りにしているので、オーロラは彼女の存在が気に入らない。やがて快復したメラニーはブルースとよりを戻し、オーロラの反対も聞かずに2人で旅立つ。オーロラのジェリーに対する関心は日毎に強まり、ある日、ついに2人はベッド・イン。それ以来、彼女はジェリーの家に入り浸りになる。やがてヘクターが他界するが、その葬儀の直後にもジェリーに会おうと出掛ける彼女を見て、さすがのロージーも怒った。そして、かねてから親しかった隣家のアーサー(ベン・ジョンソン)のプロポーズを受け入れ、長年住み慣れた家から出ていってしまう。一方、ロスで新生活を始めたメラニーは経済的に行き詰まり、再び浮気したブルースとも別れてしまう。その頃、オーロラもジェリーがパッツィと浮気しているのを知って頭にきていた。傷心を癒し合うように2人は電話で久々に語り合い、立ち直ったメラニーは思いつきで受けたテレビのオーディションに合格し、今度こそ自立の道を歩み始める。トミーが仮出所して就職するが、一方でロージーが不治の病に倒れ、数カ月後、オーロラに見守られながら静かに息を引き取った。葬儀の日、物思いに耽る彼女の前に、かつての恋人で元宇宙飛行士のギャレット(ジャック・ニコルソン)が現れた。2人は思い出の浜辺に向かう。その時、宵の明星が西の空に輝き、オーロラはその一番星にそっと願いをかけ、浜辺を走る車からロージーの遺骨を撒いた。数年が過ぎた。今ではトミーも結婚して立派な父親に。かつてはライバルとして激しくやり合ったパッツィも、老いたオーロラの傍らに優しく寄り添う良き友だ。クリスマスの日、孫や曾孫、パッツィらに囲まれながら、オーロラは花園にいる夢を見る。そこには33歳で世を去った娘のエマが静かに微笑みかけていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロバート・ハーリング
- 脚本
- ロバート・ハーリング
- 原作
- ラリー・マクマートリー
- 製作
- デビッド・カークパトリック
- ポリー・プラット
- キース・サンプルズ
- 撮影
- ドン・バージェス
- 美術
- ブルーノ・ルベオ
- 音楽
- ウィリアム・ロス
- 編集
- プリシラ・ネッド・フレンドリー
- デビッド・モリッツ
- 衣装デザイン
- ルネ・エーリッヒ・カルフス
- 字幕
- 戸田奈津子
受賞歴
第54回 ゴールデングローブ賞(1997年)
ノミネート
最優秀助演女優賞 | マリオン・ロス |
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