メイム
劇場公開日:1974年4月27日
解説
1930年代の古き良きアメリカを舞台に、最も典型的なアメリカ女性ともいうべき善意あふれるメイム叔母さんの珍行奇行を描くミュージカル映画。パトリック・デニスが自分の叔母さんの思い出を描いた小説が原作で、ブロードウェイで大ヒットとなり、ただちに映画化され、日本では59年に公開されているが、64年ニューヨークで4年間のロング・ランを記録し、今回の映画化となった。製作はロバート・フライア、ジェームス・クレッソン、監督は舞台の「メイム」を手がけた「おかしな二人」のジーン・サックス、脚色はポール・ジンデル、撮影はフィリップ・ラストップ、音楽はジェリー・ハーマン、衣裳デザインはセオドア・ヴァン・ランクル、ダンス振付けはオンナ・ホワイトが各々担当。出演はルシル・ボール、ロバート・プレストン、ベアトリス・アーサー、ジェーン・コンネル、カービー・ファーロング、ブルース・デイヴィソン、ジョージ・チャン、ルシル・ベンソンなど。
1974年製作/アメリカ
原題または英題:Mame
配給:ワーナー映画
劇場公開日:1974年4月27日
ストーリー
父親に死別した9歳の少年パトリック・デニス(カーリー・ファーロング)が、ニューヨークに住むメイム叔母さん(ルシル・ボール)を訪ねてシカゴからやってきたのは1928年のことだった。叔母さんはチョット変わりだねだったが、自由に、大らかに人生を楽しんで生きている朗らかな人だった。風変わりなのは彼女だけでなく、パトリックのために家庭教師として雇われたアグネス・グーチ嬢(ジェーン・コンネル)も、日本人召使いのイトー(ジョージ・チャン)も、叔母さんに似てか、どこか常識はずれで朗らかだった。1929年、例の経済大恐慌の嵐がアメリカ全土に吹き荒れ、株にたよって生活していた叔母さんは無収入になってしまった。しかし、そんなことで、ヘコんでしまうメイム叔母さんではない。友人の女優、ベラ・チャールズ(ベアトリス・アーサー)に頼み込んで、インスタント女優としてデビューするが、生来のオッチョコチョイがたたって舞台は大混乱。それでもくじけず、今度は百貨店の売り子をやるが、これもうまくいかない。しかしいいことが1つだけあった。たまたま百貨店に買い物にきていた西部の大金持ち、ボーレ・ガード・バーンサイド(ロバート・プレストン)にひと目ぼれされ、結婚することになったのだ。豪華客船での世界一周、デラックス・ホテルの窓から眺めるエキゾチックな風景--旅行熱に取り付かれた叔母さんは新しい夫といっしょに、何年もの間、殆どを旅で暮らすようになったが、そんな旅の途中で思わぬ事故から、ボーレ・ガードが命を落とし、叔母さんは悲しみのうちにニューヨークへ帰ってきた。叔母さんを待っていたのは、ハンサムな青年に成長したパトリック(ブルース・デイヴィソン)とアグネスだった。だが、アグネスは自由恋愛を謳歌しすぎたあまり、父親のいない赤ん坊を体内に宿してしまっていた。それが叔母さんにひとつの決意をうながした。夫の遺してくれた莫大な財産で、未婚の母たちのための施設“ボーレガード・バーンサイド記念ホーム”を建設することにしたのである。その間、パトリックも結婚し、男の子も生まれた。そして1948年。パトリックが初めてニューヨークにきてからすでに20年。叔母さんも年をとったが、人生をエンジョイしようとする意欲はまだまだ若い連中なんぞに負けやしない。眼の中に入れても痛くないパトリックの子供、ピーターをお供にモスクワへ旅立っていく彼女の瞳は、まだ見ぬ国への好奇心と冒険欲にキラキラ輝いていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジーン・サックス
- 脚本
- ポール・ジンデル
- 原作
- パトリック・デニス
- 製作
- ロバート・フライヤー
- ジェームス・クレッソン
- 撮影
- フィリップ・ラスロップ
- 音楽
- ジェリー・ハーマン
- 衣装デザイン
- セオドア・ヴァン・ランクル
- 振り付け
- オンナ・ホワイト
- 字幕
- 高瀬鎮夫
受賞歴
第32回 ゴールデングローブ賞(1975年)
ノミネート
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) | ルシル・ボール |
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最優秀助演女優賞 | ベアトリス・アーサー |