メイトワン1920

劇場公開日:

解説

1920年にアメリカの小さな炭鉱で実際に起きた事件を背景に、その時代のアメリカの暗黒面を浮き彫りにしてゆく。エグゼクティヴ・プロデューサーはアマー・ジャコブ・マリンとマーク・バルサム、ジェリー・シルヴァ、製作はペギー・ライスキーとマギー・レンジ、監督・脚本は「ベイビー・イッツ・ユー」のジョン・セイルズ、撮影はハスケル・ウェクスラー、音楽はメイソン・ダーリングが担当。出演はクリス・クーパージェームズ・アール・ジョーンズほか。

1987年製作/アメリカ
原題または英題:Matewan
配給:PARCO
劇場公開日:1988年8月13日

ストーリー

時は1920年、ウエストヴァージニアにある小さな炭鉱町“メイトワン”の炭鉱夫たちは、炭鉱会社“ストーン・マウンテン”がイタリア移民を雇い続け労働者の給料値下げを言い出したことにより、リーダー格のセフェウス(ケン・ジェンキンズ)を中心にストライキを始めるが、会社側は土地の鉱夫たちの反感をよそに最薄給の黒人労働者を雇い入れる。そんな折、この町に組合組織の煽動者ジョー(クリス・クーパー)が姿を現わし、彼の、肌の色や出身に関係なく組合に入る権利がある、との主張の下、鉱夫たちは次第に結束を深めつつある。やがて会社側はヒッキー(ケヴィン・ダイ)とグリッグス(ゴードン・クラップ)というスト破りを雇い入れ、鉱夫達を虐げてゆく。そんな彼らに警察署長シド(デイヴィッド・ストラザーン)と市長キャベル(ジョシュ・モステル)は忠告を与えるが、2人は騒ぎをさらに大きなものにするよう命じられていた。裏切り者C・E・ライヴリー(ボブ・ガントン)の策略で窮地に立たされたジョーを、黒人労働者ヒュー・クローズ(ジェームズ・アール・ジョーンズ)が彼への信頼から命を守ってやり、やがてそれを機に、争いを起こすまいと必死のジョーをよそに、労働者とスト破りたちとの間で血なまぐさい争いの火ぶたが切って落とされる。そして“メイトワン大虐殺”と呼ばれるそれは、鉱夫やスト破り、市長キャべル、そしてジョーら、多くの命を落としてゆくことになる。

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映画レビュー

5.0労働組合には働く者か働かない者かだけ。

2020年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1920年ウエストバージニアのメイトワン(Matewan)の炭鉱労働争議の映画。労働組合のリーダーとして派遣されてくる(?)ジョン(クリス クーパーの映画デビューらしい)。炭鉱会社から2人のストライキ破りが派遣され、鉱夫の家族たちに住まいを開けわたすことを命ずる。

ジョンの力によって非暴力非服従の労働争議のように見えるが、最後は銃を使う争いにまで発展した。暴力で戦えば、また、炭鉱の会社からはまた他のグループが送られるだけで、組合の要求解決策は見られないと思う。しかし、私にとっての、この映画の圧巻はジョンの組合参加者の前での演説で、労働組合の基本的ミッションについて訴えているところだ。

ユニオンという組織の中には『働く者と働かない者』の違いがあるだけで、人種の差別など他の差別は一切ないということ。これが、ユニオンだ。労働組合に入っている者、アパラチアからの人々、メイトワンに列車で送り込まれたアラバマ州バーミングハムからの黒人、イタリア移民には差別は一切ないと。働く意思があり組合に入っているものは平等だと。

この演説以降、住まいの場所は別であっても、炭鉱夫の間では皆んなが同じ人間として扱われ行動を共にする。でも、この中で裏切りものが出てきてしまうがこれは世の常である。でも、ジョンの非暴力非服従の哲学はそう簡単に受け入れられない。

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