奇蹟 ミラクル

劇場公開日:1989年8月12日

解説

1930年代の香港を舞台に、ひょんなことから暗黒街の顔役になってしまった男の活躍を描くアクション・コメディ。監督・脚本・主演は「九龍の眼」のジャッキー・チェン、共同脚本・原案はエドワード・タン、撮影はアーサー・ウォン、音楽はスー・ソンが担当。出演はほかにアニタ・ムイなど。

1989年製作/118分/G/香港
原題または英題:Miracle 奇蹟
配給:東宝東和
劇場公開日:1989年8月12日

あらすじ

時は大不況の1930年代。一旗あげようと香港にやって来たものの、たちまち全財産をだまし取られたコウ(ジャッキー・チェン)は、突然ギャング組織の抗争に巻き込まれ、成り行きで黒社会のボス、パクを助けてしまう。ところが彼の部下たちはパクが絶命する寸前、コウを後継者に指名したと思い込み、こうしてコウは黒社会のボスの座に収まってしまうのだった。パクの右腕だったフェイ(ロー・リツ)は、この人事を快く思っていたが、パクの腹心の部下チャン(ウー・マ)の補佐よろしく、また美貌の娼婦ヤン(アニタ・ムイ)に一目惚れしたコオは、彼女をナイトクラブで歌わせ、店を繁盛させるのだった。そんな折コオは、昔世話になった花売りのマダム・ローズ(クェイ・アルイ)のために、彼女の娘ベル(グロリア・イップ)の婚約パーティを開く。ところが警察は、それを殴り込みの準備と思い込み、警戒を強める一方、敵対組織はヤンのナイトクラブを乗っ取ろうと企んでいた。しかしそれを察知したコオは、警察の裏をかいて、相手組織の陰謀を叩きつぶし、同時にパーティをも成功させるのだった。

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映画レビュー

4.5 ジャッキー版人情喜劇

2025年5月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

80年代ジャッキー映画の掉尾を飾る人情喜劇映画。フランク・キャプラ監督が1933年の自作『一日だけの淑女』をセルフリメイクした1961年の『ポケット一杯の幸福』をジャッキーが「勝手に」リメイクした作品である。当時の香港はおそらくその微妙な立ち位置から治外法権地帯で無許可作品が多かった。勝手に『北斗の拳』もどき映画や『ドラゴンボール』もどき映画も作られてたような。

やはり何度観ても面白い。オリジナルがオリジナルだけにジャッキー映画にしてはアクションが控え目で、どちらかというとヒューマンコメディというかいわゆる人情喜劇映画だ。オリジナルがあるだけにストーリーが非常にしっかりしており、当時世界に2台だか3台だかしかなかったというステディカムのクレーンカメラによる流麗なカメラワークも素晴らしい。さらに1920年代香港を再現した豪華なセットという非常に贅沢な作品となっている。

配役もこれ以上ないほど豪華なメンバーで、まずヒロインにアニタ・ムイ。実は映画雑誌で最初に写真で見た時はあまり好みではなく、なんだかオバサンくさい人だなとちょっとがっかりしたんだが(夏木マリに似てる)、映像で見ると可愛いコメディエンヌぶりで非常に魅力的だった。ジャッキーも気に入ったのか90年代にはマギー・チャンなんかと同様に何度かジャッキー映画に起用されている。本業はどっちかというと歌手で、本作でもナイトクラブの歌姫役で艶のある歌声を披露しているが、この頃の香港映画は基本吹替なので、歌のシーンだけ突然本人の地声になって違う声になってしまい戸惑った記憶あり(笑)。それから薔薇売りオバサン役のクェイ・アルイ(グア・アーレイ)。後にアン・リー監督の台米合作映画『ウェディング・バンケット』にも出演する台湾のベテラン女優だ。そしてウー・マ、トン・ピョウ、リチャード・ンらジャッキー映画でお馴染みの芸達者な面々が脇を固め、香港実写映画『孔雀王』でデビューしたグロリア・イップも華を添えている他、友情出演陣も多数にのぼる豪華な顔ぶれだ。

なお、この映画も香港版と日本公開版で違いがあるが、珍しく日本公開版のほうが10分ほど短い。トン・ピョウやリチャード・ンのコメディシーンに削られたところがあったようだ。

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バラージ

4.0 ジャッキー映画でベスト3に入るくらい好きな映画。 中学の時はめちゃ...

2025年1月2日
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ジャッキー映画でベスト3に入るくらい好きな映画。
中学の時はめちゃくちゃ感動したけど、いま見直してみたら結局はだまし切ったってこと? まぁそれでも良いか!
アニタ・ムイがキュートで良いです

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Mk.plass

3.5 心優しき首領

2024年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

つい最近ゴッドファーザーやアンタッチャブルズなどマフィアの首領が出てくる作品を観ましたが、本作品のドンは人助けをしてひょんなことから首領になってしまう男の物語。
マフィア(ギャング?)の話だが暗い空気や思い空気はなく、ジャッキーのアクションとコメディ要素でまとめられている、爽快な内容。
本作のテーマは「信じる者は救われる」と「情けは人のためならず」だと感じた。

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Kei6

4.0 理屈は抜きで凄いよ。

2024年5月17日
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鑑賞方法:VOD
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マサシ