ミザリー

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

スティーブン・キングの同名小説を「スタンド・バイ・ミー」のロブ・ライナー監督が映画化した傑作サイコスリラー。ベストセラー小説「ミザリー」シリーズの人気作家ポール・シェルダンは、雪道で事故に遭い瀕死に陥ったところを、近くに住む元看護師の中年女性アニーに救われる。「ミザリー」シリーズの熱狂的な愛読者である彼女は、両足を骨折したポールを献身的に介護するが、新作でヒロインが死んだことを知ると逆上して態度を一変。命の危険を感じたポールは脱出を試みるが……。狂気を暴走させる愛読者をキャシー・ベイツが怪演し、第63回アカデミー賞で主演女優賞に輝いた。ポール役に「ゴッドファーザー」シリーズのジェームズ・カーン。

1990年製作/108分/アメリカ
原題:Misery
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1991年2月16日

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映画レビュー

3.5骨の砕ける音はトラウマ級

2024年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

キャシー・ベイツの伝説の一本。

雪山で車の事故を起こした作家が、彼を甲斐甲斐しく看病してくれる熱烈なファンの女に助けられ、発表前の作品のストーリーが気に入らないことから、異常な介入が始まる。

やがて生命の危険を感じるようになり、何とか脱出を試みるも、彼女の狂気が発動して…

画面がやや古臭いものの、登場人物もストーリーも極限まで削ぎ落としたストーリーで、私好み。傑作のスリラーです。

2015.9.9

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うそつきかもめ

3.0恐ろしい狂気の女

2023年12月31日
PCから投稿
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プライア

4.0ありそうな話

2023年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ネジが緩んだ頭のおかしいファンが人気作家を拉致監禁する話だが、本当にあったとしてもおかしくない話で、それが逆に怖い。自らが人気作家である原作のスティーブン・キングもこんな狂気的なファンに追いかけられた経験があるんだろうか?

10-061

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tarotaiu

3.0”愛”の意味を問いたくなる。

2023年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

推し活。
カスタマーハラスメント。
パワハラ。
DV。
虐待。
毒親。
 この映画の成り行きが、映画や小説の突飛な話ではなく、現実にもあることが、なんとも恐ろしい。

アニー。
 自分自身でもコントロールのできない感情の起伏。
 それが、人から嫌われる原因と反省はするものの、それが自分自身を孤独に追いやっていることはわかってはいるものの、だからなおさら、自分自身を追いつめ、抜け出せないラビリンスとなっていく。
 寂しい自分、惨めな自分。それを埋め尽くすための”推し”。
 「こんなに尽くしているのに、感謝すらしない」その言葉の虚しさ。
 尽くしているつもりの、”自分の正義・欲望”の押し付け。
 称賛しまくる時・親身になる時と、恐怖に従わせる時と。丹精込めたものへ仕打ち。
 「あなたならできる」その言葉が異様に怖かった。
 そして、望みのものを得られた時の、あの表情。
 映画では、大人の男相手だったから、相手はその異様に気づき、なんとかその支配から抜け出そうとするけれど。
 子どもなら、あのとろけるような笑顔を”愛”と勘違いしてしまうのだろう。

 事故から助けてくれた恩人。優しい笑顔。心のこもった看護。でも、え?連絡していない?些細な違和感を忍ばせる。
 そして、急転直下。地獄へと変わる。
 精魂込めた作品を…。身が切られるように辛い。
 くるくる変わる表情・態度。機嫌がよいと思ったら。残酷無比な様相を見せるかと思ったら。反省して気落ちする場面も。文句を言いながらも、ミザリーのために動くその姿。たんなる情緒不安なさま・パワハラを見せつけるだけではない。「No.1のファン」として、”ミザリー”の成り行きに、一喜一憂する様は、”推し”のことで、一喜一憂するわが身と重なり、”かわいい”とも、ああこの気持ちわかると思ってしまう。だからと言って、大方の人間はあんなことはしない。”推し”を”大切”にする思いについては、袂を分かつ。そんなふり幅の大きい狂気を、”一人の人”としてまとめ上げた、脚本・演出・演技に拍手。そう、人格が分裂した人とか、多重人額ではない。どの思いもアニーその人。唸ってしまう。
 そのアニーを受けるポールの一つ一つの表情が秀逸。一見やられっぱなしで媚びている場面もあるけれど、決して心折れずに反撃・脱出のチャンスをうかがっている、本当の意味のタフマン。
 監禁から抜け出す方法が成功するのかというハラハラドキドキ。保安官がどうやって見つけれくれるのかというワクワク。成功したかに見えて、というところがリアル。そしてラストの大乱闘の前の、復讐の仕方も胸がすく。大乱闘も長く見えるが、ホラー的要素もあり、引っ張ってくれる。最後にも出てくる”豚”のブロンズという小物へのこだわりがまた憎い。
 そして、レストランでの会話からのエンディング。ホラーが永遠に続く。こういう事件にあわれた方の心の傷=PTSDを表しており、苦しくなる。

 映画としては秀逸。
 雪山の中の一軒家。舞台も整っている。
 そして、この密室劇ともいうべき中で二人の俳優がこれ以上の無い名演を繰り広げる。
 息詰まる密室の外では、ちょっとおかしみのある老保安官夫婦が動き、アンサンブルを奏でる。
 これ以上の無い媚薬。

 でも、実生活で、こういう関係性の加害者・被害者とお会いしているから、映画が絵空事に見えなくて、映画を楽しむ気分になれない。苦しさだけがリフレインする。

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とみいじょん
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