マイ・フレンド・フォーエバー

劇場公開日:1995年8月12日

解説

HIV感染者の少年と、彼を助けるべく治療法探しに奔走する少年の友情を描いたヒューマン・ドラマ。『チルドレン・オブ・ザ・コーン』(V)「シングルス」などで俳優として活躍するかたわら、テレビドラマの演出を手掛けてきたピーター・ホートンの初監督作。脚本はロバート・クーン、製作はマーク・バーグとエリック・アイスナー。撮影はアンドリュー・ディンテンファス、美術はアーミン・ガンツ。音楽は「トッツィー」「ザ・ファーム 法律事務所」のデーヴ・グルーシンが担当。主演は「依頼人」のブラッド・レンフロと「ジュラシック・パーク」「激流」のジョセフ・マゼロ。「最高の恋人」「蜘蛛女」のアナベラ・シオラと「サイコ3 怨霊の囁き」のダイアナ・スカーウィッドが少年たちの母親にふんするほか、やはりエイズを題材にした「ロングタイム・コンパニオン」のブルース・デイヴィソンが医師役で助演している。

1995年製作/アメリカ
原題または英題:The Cure
配給:松竹富士=KUZUIエンタープライズ
劇場公開日:1995年8月12日

あらすじ

12歳の夏休み、エリック(ブラッド・レンフロ)は隣に越してきた11歳のデクスター(ジョセフ・マゼロ)と親友になる。デクスターは幼児のころの輸血が元で、エイズに感染していた。エリックの母親ゲイル(ダイアナ・スカーウィッド)は生活に追われ、息子のことを全く顧みない。デクスターと母親のリンダ(アナベラ・シオラ)に夕食に招かれ、楽しい一時を過ごしたエリックは、親友のためにエイズの治療法を探そうと思いつく。チョコレートを食べ続ける食餌療法に続いて、「ルイジアナの医師が植物からエイズの特効薬を発見した」という新聞記事から、植物の葉を煎じて飲む方法を試みる。ところがある晩、毒草を飲んだデクスターが病院に担ぎ込まれる事故が発生。幸い命は取り留めたが、エリックは母親から彼との交際を禁じられ、サマーキャンプ行きを命じられる。エリックはデクスターを説得し、特効薬を分けてもらうためルイジアナの医師の元へ旅立つ。川を下り、2人の冒険旅行が始まった。川岸でテントを張って寝た晩、死の恐怖に怯える胸中を打ち明けたデクスターを、エリックは必死で勇気づける。彼の具合が悪くなっているのに気づき、途中で便乗した船から金を盗み、陸路に変更。たちまち船長たちに見つかって追いつめられた時、デクスターは自らを傷つけ「僕の血は毒だ」と迫って彼らを追い払った。エリックは親友をバスに乗せて故郷ミネソタに戻り、デクスターはただちに病院に収容された。彼らは病院で看護婦や医師を相手にデクスターが死んだふりをする遊びを繰り返すが、ある日、いつものイタズラの最中に彼は二度と目を覚まさなかった。葬式の日、エリックは棺の中のデクスターの腕に自分のスニーカーを抱かせ、代わりにもらった彼の靴を川に流した。

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映画レビュー

3.0 【65.1】マイ・フレンド・フォーエバー 映画レビュー

2026年1月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ピーター・ホートン監督による1995年製作の映画「マイ・フレンド・フォーエバー」は、死という不可逆的な運命を前にした少年の彷徨を描いた一作である。映画全史における相対的評価を下すならば、本作は1990年代に隆盛を極めた「難病メロドラマ」のフォーマットに、ブラッド・レンフロという若手スターのカリスマ性を掛け合わせた感傷的エンターテインメントであり、芸術的完成度や社会への洞察において「フィラデルフィア」等の金字塔とは比較にならないほど、娯楽的欺瞞に満ちた小品であると言わざるを得ない。
作品の完成度について深く考察する。本作の最大の問題点は、物語の推進力を「主人公エリックの知的な幼拙さ」に依存させている点にある。エリックの言動は、設定年齢の11歳を著しく下回る8歳程度の児童の論理で動いており、この「浅はかさ」こそが物語を無理やり成立させるための不自然な設定となっている。大人の観客にとって、彼の行動は友情という名の美辞麗句では隠しきれない「無謀な暴挙」に映り、その非科学的な試行錯誤が親友デクスターの死を早めたのではないかという疑念を拭い去ることができない。映画としての完成度は、この致命的な倫理的・知的な破綻を、美しい映像と扇情的な音楽で覆い隠そうとする情緒的トリックの上に成り立っている。主要な映画祭で黙殺された事実は、本作が映画としての誠実さよりも、観客の涙腺を刺激する安易なドラマツルギーを選択したことへの、批評界からの妥当な回答といえる。
エリック役を演じたブラッド・レンフロは、デビューから続く「孤独な不良少年」というパブリックイメージをなぞる演技に終始している。エリックという少年が抱える孤独ゆえの必死さを表現してはいるが、論理的な裏付けを欠いた彼の「浅はかな行動」を、その圧倒的な眼光と野生味溢れるカリスマ性によって、観客に有無を言わさず納得させようとする力技が目立つ。当時、リバー・フェニックスの後継者と目された彼の瑞々しさは、本作において一種の偶像化を遂げているが、それは役柄の深い解釈というよりは、彼自身の持つ「壊れそうな少年性」という素材そのものの魅力に依存したものである。彼の存在がなければ、この物語の脆弱な論理構成は瞬時に崩壊していただろう。レンフロの演技は、映画をアイドルのポートレート的な輝きへと閉じ込めてしまった。
デクスター役のジョゼフ・マッゼロは、レンフロの動的な芝居に対し、静謐で繊細な表現に徹している。彼は死の恐怖を内面化し、エリックの「浅はかな情熱」を誰よりも深く愛し、寄り添う少年の悲哀を、抑制の効いた表情で体現している。彼の静謐な存在感があったからこそ、エリックの暴走は単なる非行ではなく、悲劇的な友情の形として成立した。
リンダ役のアナベラ・シオラは、デクスターの母として、死にゆく息子を見守る慈愛を静かに演じた。彼女の演技は、本作において数少ない大人の情緒的重みを担保している。本来止めるべきエリックの暴走を許容してしまうという脚本のリアリティの欠如を、母性という曖昧な表現で補完せざるを得なかった苦しさも透けて見えるが、その演技の重厚さは作品の品位を辛うじて支えている。
ガイリ役のダイアナ・スカーウィッドは、偏見に満ちたエリックの母を、極めて記号的に演じている。彼女のキャラクター造形があまりに一面的であるため、劇中の対立は深みのある社会批判ではなく、単なる子供騙しの構図へと退行してしまった。彼女の硬質な演技は、本作が抱える「勧善懲悪的メロドラマ」という限界を、期せずして際立たせる結果となっている。
そして医師役として物語の終盤を締めるジョン・キャロル・リンチは、短い出演時間ながらも、医療の無力さと誠実さを体現した。彼の落ち着いた佇まいは、少年たちの旅という名の狂騒が終わりを告げる際、残酷な現実を観客に突きつける重要な役割を果たしている。
監督・演出・編集においては、ピーター・ホートンは少年たちの冒険を一種のファンタジーとして彩ることに専念している。ミシシッピ川の美しいカットや、スローモーションを多用した演出は、物語の現実味を剥ぎ取り、観客を非日常的な感傷へと誘い出す。編集のテンポも、エリックの無鉄砲な熱情に同期しており、観客に思考を促す間を与えない。
脚本・ストーリーは、マックス・アップルによる「靴」のモチーフなど、技巧的な小道具の使い方は巧みである。しかし、全体を貫くのは、子供の無知を友情として美化するノスタルジーへの過度な依存である。特に終盤の展開は、科学的な現実を無視したセンチメンタリズムに堕しており、脚本としての強度は極めて低い。
映像・美術・衣装は、90年代のアメリカの地方都市を美しく、しかし現実離れした色彩で描いている。黄金色の光に包まれた川下りの光景は、死の影を覆い隠すための視覚的な装置として機能している。音楽を担当したデイヴ・グルーシンの旋律は、過剰なまでに叙情的であり、主題歌であるソウル・アサイラムの「Miss This」は、90年代オルタナティブ・ロックの哀愁を伴って、映画の論理的欠陥を感情的な余韻で塗り潰している。
総評として、本作は「ブラッド・レンフロのアイコン性」を消費するための、美しくも中身の乏しいメロドラマである。filmarksにおける高い支持は、本作が持つ「分かりやすい感動」の勝利であって、映画芸術としての質の証明ではない。批判的に見るならば、本作は深刻な題材を子供の火遊びのような冒険に矮小化しており、その「浅はかさ」を正当化した脚本は、評判倒れと言われても仕方のない弱さを抱えている。
作品[The Cure]
主演
評価対象: ブラッド・レンフロ(エリック 役)
適用評価点: B8 (24)
助演
評価対象: ジョゼフ・マッゼロ(デクスター 役)、アナベラ・シオラ(リンダ 役)、ダイアナ・スカーウィッド(ガイリ 役)、ジョン・キャロル・リンチ(スティーヴン・スティーヴンス 役)
適用評価点: B8 (8)
脚本・ストーリー
評価対象: マックス・アップル
適用評価点: C5 (35)
撮影・映像
評価対象: アンドリュー・ダン
適用評価点: B8 (8)
美術・衣装
評価対象: アーミン・ガンツ
適用評価点: B8 (8)
音楽
評価対象: デイヴ・グルーシン
適用評価点: A9 (9)
編集(減点)
評価対象: アンソニー・シェリン
適用評価点: -1
監督(最終評価)
評価対象: ピーター・ホートン
総合スコア:[65.1]

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honey

5.0 二人の名子役が織りなす感動作

2025年7月12日
iPhoneアプリから投稿

映画で初めて泣いた作品。

母はリバー・フェニックスが大好きだった。

自分はブラッド・レンフロが永遠の存在です。

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うまぶち

5.0 泣きすぎて目が腫れた。

2024年12月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

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どんどこどーん

5.0 永遠の友情

2024年9月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

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nayuta

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