ホワイトハンター ブラックハート

劇場公開日:

解説

アフリカ象のハンティングに強迫的に魅せられてゆく1人の映画監督の姿を描くドラマ。エグゼクティヴ・プロデューサーはデイヴィッド・ヴァルデス、監督・製作は「バード」のクリント・イースーウッド。脚本は「アフリカの女王」のジョン・ヒューストンをモデルとしたピーター・ヴィアテルの原作を基に、ビアテルとジェームズ・ブリッジス、バート・ケネディの共同、撮影はジャック・N・グリーン、音楽はレニー・ニーハウスが担当。出演はクリント・イーストウッド、ジェフ・フェイヒーほか。

1990年製作/アメリカ
原題または英題:White Hunter Black Heart
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1990年11月9日

ストーリー

ハリウッド黄金時代の1950年代。カリスマ的な映画監督、ジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド)。彼の撮るべき映画はプロデューサーとも観客とも関わりなく彼の胸の内にしか存在しない。プロデューサー、ランダース(ジョージ・ズンザ)と衝突を繰り返しながらも巨額の負債を抱えるウィルソンだが、現在頭にあるのはアフリカで牙象を撃つことだけだった。脚本家ピート・ヴェリル(ジョフ・フェイ)と共にストーリーを考え、ついに念願のアフリカ・ロケに旅立つ。しかしウィルソンにとって映画はあくまで手段、脚本も殆んど進まぬまま現地人のガイド、ライサー(エドワード・チューダー・ポール)を案内に象撃ちに行ってしまい、夜ホテルでは人種差別主義のボーイを相手に喧嘩を演じてみせる。そんなウィルソンを友人として心配するヴェリルは、ウィルソンの行動を逐一報告するユニット・マネージャー、ロックハート(アラン・アームストロング)に一発くらわすのだった。しかしついに脚本も完成しないままキャスト、そしてランダースが到着。その頃既にかなり強迫神経的になっていたウィルソンは予算をかけたロケ・セットを放棄、奥地で皆を待ち構えていた。業を煮やしたランダースの命令によってどうしても撮影を開始しなければならないという日に突然の大雨。ウィルソンはすぐさまトラックに飛び乗り象狩りにゆき、ヴェリルも後を追う。そしてそこで彼らは本物の牙象を目の当たりにする。が、子を守ろうと猛り狂う母象の牙に刺されガイドのライサーが死ぬ。突然の出来事にショックを受けたウィルソンはふらつくように現場に戻り、撮影開始を告げる。スター女優のケイ・ギブソン(マリサ・ベレンソン)が立ち、カメラが廻り始める。ウィルソンはうめくように声を発する。「アクション」と。

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映画レビュー

2.0共感出来ない主人公

2023年12月31日
PCから投稿
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プライア

4.0イーストウッドと猿

2018年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 『アフリカの女王』の結末は好きではないけど、最初から企んでいたことだったんだな~観客に媚びたら負け。映画監督は神である!と。主人公は最後に船の爆破により死んでしまう・・・当該映画を未見の人はネタばらしされて困惑してしまうだろう・・・これもイーストウッド流なのか。  なかなか本題に進まないが、中でも“寝たい”と思った美人がユダヤ人にたいする人種差別主義者であり、その後にホテルのウェイターが黒人差別をしてケンカするエピソードがなんとも言えず、監督の気概を感じて嬉しくなってしまう。脚本家のピート(フェイヒー)がユダヤ人であったためもあるが・・・  それにしても『アフリカの女王』よりはずっと面白い。こんなエピソードがあったのならもう一度見直してみたいものだ。信頼を置めに象に立ち向かいていたコンゴの現地人キブが最後にはハンターであるジョンたちを守るたって死んでしまう。これがかなりショッキング。彼の死によって映画を撮る決意・・・遅いんだけど。  猿と縁のあるイーストウッド。俳優やプロデューサーを迎えるディナーでも猿を抱えていた。

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kossy

3.5『アフリカの女王』の裏話

2015年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )  主演のハンフリー・ボガートがアカデミー賞を獲得し、監督のジョン・ヒューストンも監督賞の候補に挙がった『アフリカの女王』だが、映画製作そっちのけで象狩りにばかり熱中するジョン・ヒューストンには不満が積もっていたと聞く。この映画は『アフリカの女王』の裏話として、その象狩りにのめり込むヒューストンのことを基にして描いているのだが、無責任でいい加減だけど才能も男気もあって冒険好きで、アフリカ旅行ではしゃぎまわる彼は、いい意味でも悪い意味でも子供のよう。  この監督の出鱈目で思いつくままの行き当たりばったりの行動を描くだけの物語は、実に他愛も無いものに過ぎなくて、普通ならばただくだらないだけでそれがどうしたとなるところ。だけどなんとなくこの作品は嫌いではなかった。もし自分が彼の関係者ならば惨劇だが、そのような描き方は滑稽さと皮肉があって、視聴者として傍観しているぶんならば彼は面白みがある。なんだかんだいってこんなことが許されてしまうというおおらかな時代の映画界も垣間見ることも出来た。もっとも実際の現場はもっとひどかったのだろうし、恐らくたくさんの動物も殺されているのだろうが。

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Cape God