ベンヤメンタ学院

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解説

幻想的な実験人形アニメーションでカルト的な人気を誇る「ストリート・オブ・クロコダイル」のブラザース・クェイ(スティーブとティムの双子)が初めて取り組んだ、実写による長編劇映画。フランツ・カフカに多大な影響を与えた、19世紀幻想不条理文学の呪われた巨人ローベルト・ヴァルザーの代表作『ヤーコプ・フォン・グンテン』(集英社世界文学全集第74巻『カフカ/ヴァルザー』編に収録)に着想を得たもの。製作はブラザーズ・クウェイと製作アトリエ、コーニンクを80年に設立したキース・グリフィス、BBC、チャンネル4などでドキュメンタリーを手掛けるジャニーン・マーモット、そして「ストリート・オブ・クロコダイル」などを日本に紹介した実験映画工房イメージフォーラム/ダゲレオ出版の富山加津江。脚本はクエイ兄弟とイギリスの小説家アラン・パスの共同。幻想性あふれる繊細かつ異様な白黒映像の撮影はニック・ノーランド、音楽・音響面は「ストリート・オブ・クロコダイル」のレシュ・ヤコフスキとラリー・サイダーがあたり、サイダーは編集も担当。出演は「プロスペローの本」の舞台出身の若手俳優マーク・ライランス、「マリア・ブラウンの結婚」などR・W・ファスビンダー映画の常連ゴットフリード・ジョン、「炎のランナー」のアリス・クリッジほか。

1995年製作/105分/イギリス・ドイツ・日本合作
原題:Institute Benjamenta, or This Dream Which One Calls Human Life
配給:イメージフォーラム

ストーリー

ヨーロッパのとある都市にある召使養成学校ベンヤメンタ学院に、将来に大して期待を抱いていない青年ヤーコプ・フォン・グンテン(マーク・ライランス)が入学した。校長のヨハネス(ゴットフリート・ジョン)はヤーコプに異常な興味を隠しきれない。校長の妹リーザ(アリス・クリッジ)が授業を受け持つが、内容は服従の大原則を中心に何度も同じことを繰り返す単調なもの。ヤーコプは授業にはなんとか慣れるが、ひどい食事と、特に他の生徒たちと雑魚寝する劣悪な寮には我慢ならず、ついにリーザに文句を言う。リーザはなぜか彼の望みを聞き入れ屋根裏部屋をあてがう。ヤーコプは訓練の一貫としてヨハネスの身の回りの世話をするが、ヨハネスは彼の手を握りしめて友になって欲しいという。「君は気がつかないのか、君を入学させて以来、学院は一人も新入生を受け入れていない、君は特別な人間なのだ。」一方でリーザも彼に強い関心を持ち始める。ヤコープは模範生徒のクラウス(ダニエル・スミス)から学院の中枢にある金魚鉢の世話の仕方を教わる。ある夜、ヤーコプは夢とも現実ともつかぬ時空のなかでリーザと抱き合う。学院は確実に崩壊を始めていた。リーザが死に、そしてヨハネスはヤーコプの手を取って学院から逃走する。二人の頭上に雪が激しく降り積もり、ヨハネスは倒れる。ヤーコプは学院に戻る。破れた天窓から雪の降り注いでいた。

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