フランキー・ザ・フライ

劇場公開日:

解説

ギャングのボスの腰巾着のしがない男が、映画作りと女優への愛から一世一代の賭けに出る姿をコミカルに描いた一編。監督は「バット★21」のピーター・マークル。脚本は俳優のデイトン・キャリー(出演も)が自作自演のために書いた戯曲を自ら脚色。製作はエリー・サマハ、製作総指揮は「サーチ&デストロイ」のアヴィ・ラーナー、ダニー・ディムボート、トレヴァー・ショート、ボアズ・デイヴィッドソンの共同。撮影は「フォー・ルームス」のフィル・パーメット、音楽は「ブレインスキャン」のジョージ・S・クリントン、美術はジェームズ・ウィリアムス・ニューポート、編集はデイヴィッド・キャンプリング、衣裳デザインはジュディ・タルカン、衣裳提供はヒューゴ・ボス。主演は「サーチ&デストロイ」のデニス・ホッパー。共演は「あなたに逢いたくて」のダリル・ハンナ、「狼たちの街」のマイケル・マドセン、「評決のとき」のキーファー・サザーランドほか。

1996年製作/96分/アメリカ
原題または英題:The Last Days of Frankie the Fly
配給:ケイエスエス
劇場公開日:1997年5月10日

ストーリー

L.A.。フランキー(デニス・ホッパー)はギャングのボス、サル(マイケル・マドセン)の子分。皆に“ザ・フライ(ハエ野郎)”というあだ名でしか呼ばれない。サルの資金源はポルノビデオ。ニューヨーク大学映画科出身だが、今は薬物中毒で借金まみれのジョーイ(キーファー・サザーランド)を監禁状態にして監督をさせている。その現場の主演女優マーガレット(ダリル・ハンナ)にフランキーは恋していた。昔麻薬中毒者だった彼女の今の夢は、ハリウッドの女優になることだ。ある日。ジョーイはフランキーに馬券を買ってきてほしいと頼む。フランキーは交換条件に、自分が脚本を書いて、マーガレット主演のまともな映画を撮りたいと提案。ところが、フランキーはレースに遅れて、馬券は買えずじまい。そこでサルから偽って金を借り、ジョーイに渡した。だが、ジョーイの助手がビデオデッキに隠された金を見つけ、さらにフランキーらを監視していたサルの右腕ヴィック(デイトン・キャリー)のせいで、フランキーらの計画がバレた。サルはマーガレットに麻薬を打ち、ジョーイの片目を潰させて追い出した。自暴自棄になったマーガレットに会ったフランキーはショックを受け、復讐を誓い、計画を立てた。ジョーイの助けを借りて、自分が監督・主演する映画の中でサルを殺すというのだ。フランキーはジョーイから頼まれた二度目のレースで、勝ち馬を当てて大金を得ていた。彼はその金とメッセージビデオをマーガレットに送った。作戦開始。夜、フランキーはサルを高速道路の下に呼び出し、おとし穴に落とそうとしたが、自分も一緒に落ちてしまう。格闘の末、フランキーはサルを石で殴り、銃を奪って射殺した。すべては秘密で、ヴィデオカメラだけが見ていたはずだった。ところが実は一分始終を見ていたヴィックが、フランキーの背後に。ジョーイは望遠レンズで見ていたが、遠すぎて手が出せなかった。中央駅。ヴィックがトランクを空けると、中から耳だけ撃たれたフランキーが。ヴィックはフランキーに自分がサルを嫌っていたこと、彼の亡き後は自分がボスを継ぐことを明かし、「何か別の名前でも考えるんだな」と告げて、彼を解放した。「耳がないからヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、ヴィンスなんてどうかな……」フランキーは独り言をつぶやいて、マーガレットのいるシカゴへと向かった。

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