FLIRT フラート

劇場公開日:1997年3月1日

解説・あらすじ

「愛・アマチュア」のハル・ハートリーが同じシチュエーションで始まる物語を、ニューヨーク、ベルリン、東京の3つの都市を舞台にそれぞれ描いた実験的オムニバス作品。ニューヨークに暮らす青年ビルの恋人エミリーが仕事で外国に行くことになる。遠距離恋愛を続ける自信がないビルはエミリーにプロポーズするか、それとも別の女性のもとにいくべきか迷っていた。そしてベルリンに住むドワイト、東京で女優をしている美穂もまた、同じように外国へ行く恋人との関係を続けるか、別の誰かを選ぶかで思い悩むが。同じシチュエーションで始まった物語は、それぞれの登場人物によって異なる方向へ展開していく。東京編には後にハートリー監督の妻となる二階堂美穂が主演。永瀬正敏や松重豊らが共演している。

1995年製作/84分/アメリカ・ドイツ・日本合作
原題または英題:Flirt
配給:松竹富士
劇場公開日:1997年3月1日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0 初見時の戸惑いがリセットされたおかげで評価が鰻登りに

2026年3月31日
PCから投稿

公開当時、全体の1/3が東京ロケであったにも関わらず、あまり評判がよくなった記憶がある。私見では、多くの人がハル・ハートリーに期待するテイストが最初のNY編に詰まっており、ベルリン編で多くの人がちょっと不安になり、そして東京編で暗黒舞踏から始まるに至り、なんじゃこりゃ??となったのだと思う。ハートリーにとっては好奇心の対象だったアングラ演劇や暗黒舞踏も、日本人にとってはハートリーがまとっていたセンスの良さとは対極のものに思えた、というのが、分析というよりも当時の自分が抱いた印象だった。

ところが、同じプロットを3つの都市で描くとどんな変化が生じるのか、といういささか面倒くさいコンセプトの面白みが、長い時間を置いて観てみることでかなり明快に理解できるようになった。アングラ演劇界の色恋沙汰のもつれは今見ても貧乏くさい気はするのだが、東京編に主演した二階堂美穂の身体性、というか、動きで見せるコメディエンヌっぷりもハートリー作品と非常に合っていて、これまた当時は気づいてなかった魅力だと思う。

つまりは東京ロケがあったせいで日本人としては距離感が掴めなかった作品であり、その辺がもうリセットされた今だからこそ、再評価というほど大げさではなく、素直に楽しめるようになったのではなかろうか。

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村山章

2.5 ハル・ハートリーの世界3都市同時発生オムニバス

2026年9月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ニューヨークパートは、監督本来のエモーショナルで、演劇的で、ちょっとコミカルなワールド全開。ビル・セイジめちゃ美形!

ベルリンパートは理屈っぽくて、いかにもドイツらしかった。主役が「トゥ・ランド」のキング・ムスタファ・オバフェミだったとは驚き。あと「ある画家の数奇な運命」のセバスチャン・コッホも若い!

さて東京パートだが、冒頭の白塗りの前衛劇がそのまま続いているみたいだった。日本語のセリフが聞き取りにくく、残念ながら全く没入出来なかった。
孤独のグルメが登場した時、劇場にどよめきが起こった(ような気がした)。看護師は藤田朋子かな。

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sugar bread

4.0 ハル・ハートリーの作品の中で1番好き

2023年8月31日
iPhoneアプリから投稿

今まで観たハル・ハートリーの作品の中で1番好きかも。
まったく同じセルフ同じシチュエーションで
違う街違う人種違うセクシャリティーで3回やるってめちゃくちゃ実験的なことしてるけど
飽きずに3回観れるし、ちょっと何か変わるかも?とか同じ時代の違う都市のファッション感の違いも楽しい
監督のパートナーでもある二階堂美穂さんのスクリーン映えする可愛いらしさとファッションと
90年代日本!って感じが良かったな〜!

フラートってゆう可能性のある開けた関係性の概念
あんまり日本では、浸透してない気がするけど
この曖昧さゆえの、ごにょごにょしてる感じハルハートリー映画らしいなと思った。

配信で鑑賞

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madu

3.0 ハル・ハートリー監督が3ヶ国で撮った実験映画

2022年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ハル・ハートリー監督が、同じような状況で同様のセリフをいう風景を、ニューヨーク/ベルリン/東京の3つの都市において違う俳優を起用して描いた実験映画。

3エピソードのあちこちで、ハル・ハートリー監督作品の常連俳優が見られるのは嬉しい。
特に嬉しいのは、やはりエレナ・レーヴェンソン。

[ニューヨーク、1993年2月]&[ベルリン、1994年10月]&[東京、1995年3月]のドラマだが、いずれも(男女入れ替えなどはあるものの)ある人の恋人が仕事で外国に3ヶ月いくことになり、長距離恋愛を続けることに不安な残される者を主人公に据えたかたちで描かれる。
その主人公は、いずれもモテ男・モテ女だが、外国行く相手から「私たちに未来はあるか?YES or NO ?」と尋ねられるが、明確な答えは出せないでいる。

3つの場所で描かれる三角関係は、3パターンの工夫がなされており、人妻と男と人妻、黒人男と白人男と白人男の妻、白人男(ハル・ハートリー)と日本人女(後のハートリー夫人となる二階堂美穂)と女……といったジェンダーレスなあたりは、時代を先取りしたように見える。(※ 本作は、1995年作品)

拳銃もポイントになる小道具だが、日本での拳銃所持を見られた女性は、普通なら「拳銃不法所持で即逮捕」となるはずだが、このあたりは少し詰めが甘い感じがした。

東京編では、永瀬正敏や松重豊も出演している。
また、東京ロケ地も大久保駅あたりから新宿付近の風景が見られて、当時たくさんあった公衆電話の様々なバリエーションも見られて懐かしい。
旧新宿ピカデリーの上映宣伝看板、新宿松竹の看板も懐かしい。

それなりに楽しめるのだが、同様エピソードを3つの国で撮ったオムニバスだが、もう少し、[違い]を盛り込んでも良かったのではないだろうか。

(※)個人的には、本作で[日本公開されたハル・ハートリー監督作品(複数の短編映画を含む)]を全作鑑賞した。今後は、新作が発表されるのを待つ。

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たいちぃ