豚と天国

劇場公開日:

解説

ペルーの首都リマを舞台に、世代も階級も異なる人々の3つの人生模様をブラック・ユーモアをもって描く寓話。監督・脚本はフランシスコ・ロンバルディ、製作はジェラルド・ヘレロ、共同脚本はジョヴァンナ・ポラローロとアウグスト・カバダ、撮影はホセ・ルイス・ロペス・リナレス、音楽はアレハンドロ・マッソが担当。90年モントリオール世界映画祭グランプリ受賞。

1988年製作/128分/ペルー・スペイン合作
原題または英題:Caidos Del Cielo
配給:アルバトロス
劇場公開日:1992年6月19日

ストーリー

今日も人気ラジオ番組『人生の指針』のキャッチフレーズ「運命は--切り開くもの」が明るくこだまする、ペルーの首都リマ。ヘスシータ(エリデ・ブレロ)とリサルド(カルロス・ガソルス)のカンセコ老夫婦は、作りかけの霊廟を見にやって来ていた。別の墓に眠る息子と一緒にあの世で仲良く暮らすため何としても完成させたいが、すさまじいインフレのためちっとも完成しない。かつては裕福だったが今ではアパートの家賃収入だけが頼りの2人は、高価な家具を売りに出すがまだ金が足りない。だが遂に家と土地を全て売り払い、墓を完成させ、2人は幸せ一杯で養老院のベッドにもぐり込む・・・。『人生の指針』の人気DJ、ドン・ヴェントゥーラことウンベルト・サンチェス(グスターヴォ・ブエノ)は帰路の途中、崖から飛び降りようとする若く美しい女を見つける。彼は懸命に愛と勇気を訴え、女はようやく自殺を思いとどまる。その日から2人は一緒に暮らすようになった。最初は打ち解けなかった彼女だったが、やがてとりあえずヴェロニカ(マリソル・パラシオス)と名のり次第に心を開いていく。だがウンベルトの愛を受け入れようとようやく決心した時、ウンベルトは彼女の体のひどく醜い火傷の跡に怖じけづき、逆にどうしても彼女を受け入れられなくなった。ショックを受けたヴェロニカは絶望し再び崖に立ち尽す。今度はウンベルトの説得も効かなかった・・・。掘っ立て小屋に孫2人と住む盲目の老婆メチータ(デルフィーナ・パレデス)はかつてお手伝いをした老夫婦から豚をもらいうける。これを太らせて売れば金が手に入り、目の治療もできると考えたメチータは、いやがる孫2人に豚の飼育を命令する。兄のセサール(ラファエル・ガライ)はやけになってゴミ捨て場のゴミを食らって腹痛を起こし、彼の分も働かなければならなくなった弟トマス(ネルソン・ルイス)も病気になる。焦ったメチータは弟の犬を豚のエサにしてしまう。怒ったトマスは老婆を豚の柵の中で突き落とし、豚はその最高の御馳走に気がついた・・・。自分の愛と勇気が偽りと知ったDJ、ドン・ヴェントゥーラは人々を励ますことができなくなり、遂に番組を下ろされる。彼の代わりのDJがマイクに向かった。「運命は--切り開くもの」。

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