深く静かに潜航せよ

劇場公開日:

解説

「成功の甘き香り」につぐヘクト=ヒル=ランカスター・プロ作品。米海軍中佐エドワード・L・ビーチの体験にもとづく原作を、TVで活躍しているジョン・ゲイが脚色、「重役室」「悪人への貢物」のロバート・ワイズが監督した対日本軍海戦映画。「炎の人ゴッホ」のラッセル・ハーランが撮影し、音楽は「青春物語」のフランツ・ワックスマン。「成功の甘き香り」のバート・ランカスター、「南部の反逆者」クラーク・ゲーブルの男性2スターが顔を合わせて競演。唯一の女性役として新人メリイ・ローシュが顔を見せる他、ジャック・ウォーデン、ブラッド・デクスター、ドン・リックルス等の男優陣が連なっている。製作ハロルド・ヘクト。

1958年製作/アメリカ
原題:Run Silent, Run Deep
配給:松竹=ユナイト
劇場公開日:1958年5月30日

ストーリー

第二次大戦のさなか、豊後水道作戦で日本軍に自分の潜水艦をやられ、米国海軍の憤例により艦長として責任をとり、待命させられていたリチャードソン海軍中佐(クラーク・ゲーブル)は、戦局が不利であることに手をやいた当局の命で再び、艦長が重傷を負って帰投した潜水艦ナーカ号指揮を命ぜられた。彼の一念は、かつての自分の艦と部下の仇をうち、眼前で部下を殺した日本人に復讐することに凝り固まっていた。一方、ナーカ号の副長ジム・ブレッドソー(バート・ランカスター)は人望もあり、自らも艦長の後任たることを信じていただけに、心おさまらず、中佐の家に上陸と同時にのりこんだが、中佐の妻ローラ(M・ラロッシュ)の落ち着いた態度にうたれ、指揮を中佐に譲り、他艦に転出を願った。しかし中佐はこれをとめた。修理完了したナーカ号は出航した。兵たちの心には、帰らざる海と名づけられた豊後水道に近づきたがらぬ心理があったが、中佐はこの海域を避けると言明してこれを静めた。しかし、秘かに腹心の部下ミューラー(ジャック・ウォーデン)と、豊後水道の水路図を研究し、宿敵日本駆遂艦「秋風」のモデル・シップを使って、報復を練っていた。西進するうち訓練は次第に激しくなり、体当たりに等しい作戦の練習が始まった。兵たちの不満は高まったが、ジム副長は、艦長としての中佐、別名リッチには、あくまで服従した。しかしある日、日本潜水艦と邂逅しながら戦おうとせず、予定の航路前進を命ずる中佐を見ては、責めずにはいられなかった。そして彼は、中佐の目的が豊後水道にあることを感じとった。中佐が、対「秋風」戦に似た状況の戦闘のみは勇敢に行なうのを見て、確信はますます高まった。折も折、中佐は豊後水道行きを発表、兵たちは司令違反を言いたてたが、ジムは今は中佐の側に立った。豊後水道に入った艦は輸送船をつれた宿敵「秋風」に会い、輸送船2隻を撃沈、正面衝突の対決となったが、神風機の攻撃でやむなく潜航、「秋風」の追撃にあって、オイルや戦死した兵までも艦外に流出させて沈没を装い、かろうじて逃れた。激戦に中佐は負傷したが、代わって指揮をとり帰投を命ずるジムに、もう一度だけ「秋風」との対決を願った。中佐の傷が重傷であることを知ったジムは再び艦首を豊後に転じた。そして一騎討ちの末、遂に「秋風」を撃沈した。ところが、この時日本潜水艦の音波がキャッチされた。前回の豊後水道戦の日本側作戦トリックは、この隠れた潜水艦の存在にあったのだ。激しい戦闘ののち、遂に敵艦も浮上し、かつて中佐の部下を殺した日本人の姿が艦橋に現われた。なおも策略をもちいる敵艦に、とうとう捨て身作戦のナーカ号の魚雷が命中、これを粉砕した。やがて真珠湾に帰投するナーカ号の甲板には、ジムと部下たちの、彼等が誇る艦長を水葬する姿があった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0潜水艦モノとしては異色の一本。

2023年6月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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talkie

5.0潜水艦映画好きなら必ず観ておくべき映画です!

2021年3月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

素晴らしい!
潜水艦ものに外れなし、その中でも傑作中の傑作です
もっと有名であるべき作品です

潜水艦映画の草分けにして金字塔の「眼下の敵」は1957年のクリスマスの公開
本作は翌1958年3月の公開です

「眼下の敵」では、潜水艦は敵はドイツ海軍のUボートでした
なので潜水艦と駆逐艦のお話が半分づつでした
それが本作では、ほとんど米海軍の潜水艦側だけの物語となり、舞台は日本近海、時は1942年から始まります
つまり敵は日本海軍なのです

九州と四国の間の豊後水道が決戦の地です
日本海軍が瀬戸内海の呉の根拠地から太平洋方面に出撃する為にはどうしても通る航路です
ですから日本側も米海軍が怖れる潜水艦狩りの猛者、駆逐艦秋月の艦長通称豊後ピートにそこを守備させているのです
なにしろ過去4隻もの米海軍の潜水艦がそこで豊後ピートにやられているのです
主人公の艦長もそこでやられて自分の艦と部下を失った一人です
救助され今はハワイの基地でデスクワークの日々から物語が始まります

決戦は1943年7月下旬から8月位と思われます
駆逐艦秋月とのまるで西部劇の決闘のような戦いが、その豊後水道で繰り広げられます
駆逐艦秋月は実在しますが、その時期はソロモン海方面で活動していますので実在の秋月とは関係はありません
秋月の艦長以下乗組員は日系二世の俳優のようです
日本語の台詞の発音は微妙ですが、台詞の内容はおかしくないもので、表情、立ち振る舞いは日本人にちゃんと見えます
軍服、小道具もデタラメなものではないようです

秋月との戦いの前にも、太平洋上で遭遇した他の駆逐艦との戦い
そして秋月との対決の後には、日本海軍の誇るイ号潜水艦との潜水艦同士の水中対決もあります

やられるのは日本の輸送船であったり駆逐艦であるのでちょっと複雑ではあります
しかし日本側もプロフェッショナルな強敵として描かれており、簡単にやらるようなマヌケとしてでは有りませんので、そこは満足できます

ただ艦砲はあの距離で外すわけがないとは思いますが、そこは映画です

戦闘シーンの特撮も素晴らしい!

もちろん潜水艦映画のお約束の艦長と副長との対立も描かれます
というか艦長への叛乱だけなら、古くは「戦艦バウンティ号の叛乱」、1954年の有名な「ケイン号の叛乱」がありますが、潜水艦でのそれの最初は本作ではないかと思われます

本作のタイトルの「深く、静かに潜航」という言葉は、何かの潜水艦映画でも使われていました
確か「レッドオクトーバーを追え」だったように思います

つまり潜水艦映画の古典としてリスペクトされている映画だということです

潜水艦映画好きなら必ず観ておくべき映画です!

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あき240

4.0二大スターの魅力が思う存分発揮されたクールな作品。単純なストーリー...

2017年10月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

二大スターの魅力が思う存分発揮されたクールな作品。単純なストーリーだが重みがあり引き込まれてしまう。

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tsumumiki
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