ハンバーガー・ヒル

劇場公開日:

ハンバーガー・ヒル

解説

ベトナム戦争の悲惨で過酷な真実を徹底したリアリズムで描写した、1987年製作の戦争ドラマ。ベトナム戦争に従軍経験のあるジム・カラバトソスが自らの凄まじい体験をもとに脚本を執筆し、BBCのドキュメンタリストとしてベトナム戦争を取材したジョン・アービン監督がメガホンをとった。1969年5月10日、アメリカ軍第101空挺師団は、南ベトナムのエイショウ・バレーにある丘・937高地で「アパッチ・スノー作戦」を開始する。しかし高地に陣取った北ベトナム軍からの容赦ない機銃掃射と手榴弾攻撃により、兵士たちは次々と被弾し命を落としていく。さらに豪雨や味方による誤射も重なって戦場は地獄の様相を呈し、10日間にも及ぶ過酷な攻防戦が繰り広げられる。名もなき14人の若きアメリカ兵を演じるのは、オーディションで選ばれたほぼ無名の俳優たち。その中には後に「アベンジャーズ」シリーズに出演するドン・チードルもいた。日本でも87年に初公開。2021年4月、34年ぶりにリバイバル公開。

1987年製作/110分/G/アメリカ
原題または英題:Hamburger Hill
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2021年4月16日

その他の公開日:1987年9月12日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

4.0【”WELCOME TO HAMBURGER HILL"今作は名もない米兵たちがベトナム戦争の最前線で、激烈な闘いを展開する様を、ヒロイズムを一切排除したトーンで描いた強烈な反戦映画である。】

2024年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

怖い

難しい

■1969年10月、北ベトナムの戦略拠点を抑えようと、アメリカ軍第101空挺師団は南ベトナムにある937高地へ侵攻を開始する。
 丘の上で彼らを待ち受けていたのはベトコンではなく、装備も練度も充実した北ベトナム正規軍であり、名もなき米兵たちは正義を信じて険しい斜度の丘を這い上がり戦い続ける。

◆感想

・私の記憶では、今作には、チャリー・シーンやトム・クルーズという有名俳優を敢えて起用せずに、オーディションで選んだ若者達を兵士として訓練し演じさせたという記事を読んだ記憶がある。

・劇中でも、彼らは固有名詞はあるが、扱いはあくまで一兵卒であり、士官ではないため危険極まりない敵がすぐ近くにいる937高地を振りそそぐ銃弾の中、這い上がって行くのである。

・多くの兵が負傷し、又命を失いながらも残りの兵が、豪雨の中、丘を這い上がって行くシーンは凄まじい。
 次々に死体袋の中に収納される、多くの無名兵たちの姿。

■唯一、ヒロイックなシーンとしては米国から来た取材陣が、曹長に対し”ケネディ上院議員も、撤退を・・。”と愚かしくインタビューする中で曹長が”丘を落としたらお前らの頭を撃ち抜いてやる。”と吐き捨てるシーンである。
 多くのベトナム戦争を描いた映画でも描かれているが、1960年代末期から米国内では、一向に進展せず、死傷者を出し続けるベトナム戦争に対し、政府や、あろうことか兵士たちに対し批判的な意見がぶつけられていた事は周知の事実である。
 が、最前線で命を懸けて戦っている兵士たちにとっては、”安全地帯にいながら、何を言ってやがる!”と言う思いは、多くの従軍者が後に記している事である。

<今作が心に響くのは、名もなき兵士たちを名もなき役者が必死で演じ、且つそこには格好良いヒーローなど存在せず、只管に戦争の悲惨さを描いている点であろう。
 今作は、昔レンタルビデオ屋で借りて見た作品であるが、「地獄の黙示録」「プラトーン」とは趣が異なる、リアリティある一兵士の視点から見た強烈な反戦映画ではないか、と思った作品なのである。>

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NOBU

3.0ベトナム戦争

2022年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ベトナム戦争で、ある高地を奪おうとしたアメリカ軍の悲惨な戦いを、グロテスクに描く。
北ベトナムの正規軍が陣取る高地は攻めづらく、死体の山を築く羽目に。
昔見たときはリアル過ぎる、と思ったものだが、今見るとそれほどでも。

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いやよセブン

3.0アメリカの戦争

2022年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

兵隊さんは、どこまで為政者や軍幹部の意気を感じて闘っていたのだろうか? それでも命令に従いひたすら勇敢に戦う。
国の直接的な危機かを守るためでなく、しかも本土からはるかに遠い。東西緊張のいびつな関係で戦争の泥沼が続く。「アメリカの戦争」。これだけの資本と人命を失ったこの戦争は、なんだったのか。
高地奪還は、日露戦争の203高地と同じで、攻撃側の悲惨さは目に余る。いま振りかえってみて、兵士たちの死がどう活かされているのか?
平和で良かった、と思わずにいられない。

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Bluetom2020

4.5「愚かな戦争だった」と言えるのは、その愚かな戦争を戦った者だけ。

2021年11月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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bloodtrail