バングラデシュのコンサート
劇場公開日:1972年11月11日
解説
1971年8月1日、ニューヨーク・マディソン・スクェア・ガーデンで行なわれたバングラデシュ救済コンサートのドキュメンタリー。製作はアレン・クライン、ジョージ・ハリソン、監督はソール・スイマーが担当した。出演者はエリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ジョージ・ハリソン、ビリー・プレストン、レオン・ラッセル、ラヴィ・シャンカール、リンゴ・スター、クラウス・ヴォアマン、バドフィンガーなど。
1971年製作/103分/アメリカ
原題または英題:The Concert for Banglrdesh
配給:フォックス
劇場公開日:1972年11月11日
ストーリー
ファンファーレなしにジョージ・ハリソンがステージに現れる。聴衆はコンサートが始まる前にライトの数を少なくするのに慣れているので、ちょっと意表をつかれた感じであったが、ハリスンがラヴィ・シャンカールを紹介すると割れるような拍手を贈った。ラヴィ・シャンカールのチターと合奏したのはサロッドのアリ・アクバー・カーン、イブブラのアラ・ラカー、タンブラーのカマラ・シャクラバーティーの3名であった。ラヴィ・シャンカールの説によると彼が歌うラガは、バングラデシュの人々のあらゆる苦痛と慣れと希望を表すものであるという。コンサートはジョージ・ハリソンを主軸にして進められる。これに出演するのはすべてハリスンの友だちで、しかもスーパー・スター揃いである。ドラマーのリンゴ・スターは舞台でハリスンとまみえるのは66年以来のことである。エリック・クラプトンは、元クリーム・メンバーの1人であるが、現在世界最高のギタリストという定評がある。ギタリストでピアニストであるレオン・ラッセルは、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、ジョー・コッカー、ビートルズなど大ものたちとレコード吹き込みをしているが、ロックに最もすばらしい動きを与えるという主張をふりかざした人である。ベースのクラウス・ヴォアマンは、ジョン・レノン夫妻のプラスチック・オノ・バンドと一緒に演奏したし、ジョージ・ハリソンとレコード吹き込みもしている。有名なイギリスのバンド、バドフィンガーがエレキ・ギターの演奏を行ない、多数のラッセルのバック・アップ・ミュージシャンたちが吹奏し、バック・グラウンドのボーカルを歌う。ショーはクライマックスに近づき、有終の美をなすものはジョージ・ハリソンである。彼はこのコンサートのために作曲した「バングラデシュ」を歌う。コンサートが終わると、聴衆は立ち上がった。喚声と拍手はしばらく続いたが、立ち去ろうとするものは1人もなく、マディソン・スクェア・ガーデンは聴衆の感激と愛情に震えていた。そして人々は偉大なる歴史的行事に参加したことを知るのであった。