巴里祭
劇場公開日 2021年10月15日
解説
フランスの巨匠ルネ・クレール監督の初期の代表作のひとつで、フランス革命記念日「巴里祭」の前日に織り成される男女のすれ違いの恋の行方を情緒豊かに描いたラブストーリー。アパルトマンの向かいどうしに住むタクシー運転手のジャンと花売り娘のアンナは、密かにひかれ合っていた。巴里祭の前日である7月13日、にわか雨をきっかけに心を通わせた2人は、翌日に踊りにいく約束をする。しかし、思いがけない出来事によって彼らの仲は引き裂かれ……。1932年製作で、日本では翌33年に公開。2019年6月、クレール監督の生誕120周年を記念して4Kデジタルリマスター版が公開。2021年10月にもルネ・クレール没後40周年にあわせた「ルネ・クレール レトロスペクティブ」でも4Kデジタルリマスター版が公開。
1932年製作/86分/フランス
原題:Quatorze Juillet
配給:セテラ・インターナショナル
日本初公開:1933年
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2022年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD
ー 革命記念日の前日、7月13日。
お祭り気分で活気にあふれるパリの町でタクシー運転手をするジャン(ジュルジュ・リゴー)は、向かいのアパルトメントに住む花売り娘のアンナ(アナベラ)と軽口を叩きあいながらも惹かれあっていた。
踊りにいく約束をした2人だったが・・-
◆感想
・ジャンの前に現れた且つての恋人ポーラが惹き起こす事件により、ジャンとアンアの仲は終わったかに思えたが・・。
- アパルトメントに住む、おせっかいなおばさん達の会話が面白く・・。-
・日本には、パリを”巴里”と記載した時代があった。
金子光春と森美千代も、林芙美子も、深尾須磨子を始め、当時の文筆家や芸術家はその名前に惹かれて、渡欧した。
<ルネ・クレールの描く”巴里”とは、今作を観ても現代に生きる私が当地に行って感じた芸術の都ではなく、下町で生きる市井の人々の生活を描き出している。
それが、小津安二郎やチャップリンに与えた影響を感じさせる作品である。
今作が、それ以降の諸作品に与えた影響は多大なるモノである。>
<2018年8月11日 祇園でしこたま呑んだ翌日に、京都シネマ”巨匠、ルネ・クレール監督生誕120周年記念”と謳った4Kデジタル・リマスター版にて鑑賞。>
<2022年3月7日 別媒体にて再鑑賞>
パリの屋根の下で繰り広げられる軽やかな恋愛模様、夢にしずむような貴重な体験から心踊る恋愛物語に意識が流れ自然と涙が溢れ出る展開、これぞ歌と恋の教科書であり最後までユーモアと幸せを届ける描写に頬が緩むルネクレールの世界観、出会えてとても幸せです。昔、日本の万博に監督が招待された時、淀川長治を含めた大勢でその夜、巴里の屋根の下を皆で大合唱した逸話を思い出しました。
2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波
大好きなルネ・クレール監督のトーキー初期の代表作。サイレントの名作「イタリア麦の帽子」1927年 と共に私的世界映画ベスト100作品には欠かせない、フランス映画の粋。ストーリーの面白さより、ささやかながら味のある演出を楽しむ古典的な映画作りの妙味。本国フランスでは、ヌーベルバーグ以前の映画人で敬愛されているのがルノアールとクレールのふたりだと聞いたことがあります。今日、このようなフランス映画のエスプリを味わえる映画は出来ないのでしょうね。リアリズムの表現法以外にも、映画の良さ、楽しみ方があった時代の遺産。
2019年7月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
日本のクラシック映画のお手本はここにあったのかと思うようなオープニングの歌声とタイトルバック。笑いあり涙あり。出演者も魅力的な巴里の香り溢れる素敵なラブストーリーだった。ラストも印象的。
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