バットマン(1966)

劇場公開日:1967年3月14日

解説

ボブ・ケーンの同名の漫画を、ロレンゾ・センプル・ジュニアが脚色し、TV版と同じくレスリー・H・マーティンソンが監督した。撮影はハワード・シュワルツ、音楽は「結婚専科」のネルソン・リドルが担当した。出演はTVと同じくアダム・ウェストとバート・ワードのコンビ、ミス・アメリカの新人リー・メリウェザーほか。製作は「サンセット77」「ギャラントメン」「バットマン」などのTVシリーズを放っているウィリアム・ドジア。

1966年製作/105分/アメリカ
原題または英題:Batman
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1967年3月14日

あらすじ

人間の体内から水分をとり去ることによって、人体をチリと化する科学方式とその機械が発明された。その会社の経営者シュミッドラップは、豪華ヨットに科学兵器を乗せて、自らニューヨークに向かった。これを横取りしようとしているのが悪玉4人組――黒猫スタイルの怪美人キャット、サーカス出身で、変装が得意のジョーカー、“?”のマークで服装を統一し、無類の頭脳を持つ怪人リドラー、そして一味のボスで見かけは英国紳士だが、悪事にかけては超ベテランの怪人ペンギン――である。そして、この目的を慣行するためには、正義の味方バットマン(アダム・ウェスト)と助手のロビン(バート・ワード)を片づけねばならない。バットマンとは、実は若き億万長者ブルースのことで、ロビンは養子だが、実の兄弟のように仲のいいディックのことである。さてバットマンは、シュミッドラップの身に危険が迫っているという知らせを受けて、早速、空から彼のヨットに向かった。綱ばしごで下りようとすると、急にヨットは消えさり、突然現れたフカに襲われてしまった。ヨットは実は悪人一味が海上に映写したものであった。あやういところを助かったバットマンは翌日記者会見した。その席にはソ連の新聞記者に変装したキャットが来ていた。数日後、バットマンが自宅で、ブルースと休養していると、変装したキャットが現れた。彼女の美しさはブルースの心をとらえるに十分だった。彼は油断してしまい、まんまと彼女のワナに落ちてしまった。その後、シュミッドラップをとらえた悪人一味は、科学兵器をもって国連安保理事会にのりこみ、9ヵ国の代表者を、たちまちチリにしてしまった。そこへ不死身のバットマンがかけつけ、大乱闘の末、悪人一味は逃げていった。バットマンは自ら発明した科学装置で9人の代表者を、もとの人間に戻した。けれど彼らはみんな、他国語でしゃべる人間となってしまった。その時、誰かがつぶやいた。「こんなにも各国の言葉がまじるのは、人類にとって幸福なことかも知れない」と。

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映画レビュー

2.5 ヤッターマンみたいなドタバタ作品なのでキャットウーマンがだんだんドロンジョ様に見えてくる

2025年6月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

バットマンほどダークでシリアスな作品からポップでキッチュな作品まで振れ幅が大きいキャラクターも珍しいのではなかろうか。

『ダークナイト』(2008)や『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)がシリアスの極北に位置しているとしたら、その対極にいるキッチュの極みが本作だろう。

本作を観た後だとよく分かるのだけど、ジョエル・シュマッカーが撮った『バットマン フォーエヴァー』(1995)や『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997)は本作及びその元となったテレビドラマ版のキッチュさを受け継いだ作品である。

本作は1966年に公開されたバットマン初の長編映画なのだが、そもそもはテレビドラマを売り込むために同時進行的に企画されていたものらしい。
同じ年の1月から5月に放送されたドラマの第1シーズンが爆発的にヒットしたため映画の方も急ピッチで製作され7月には公開にこぎつけ、こちらもヒットしたようである。

テレビドラマの方を自分は全く観たことがないのだけれど、本作がテレビドラマの長尺版と言って差し支えないと思われるので本作を観ればドラマの方がどんなものだったかはだいたい想像はつく。

60年代に起こったヒッピー・ムーブメントのようなカウンターカルチャーの影響もあるのかも知れないけれど、全体に悪ノリ感、悪ふざけ感が強い。
本作及びテレビドラマの製作陣は子供向けコミックのヒーローである「バットマン」を大真面目にドラマ化するということはせず、コメディ寄り、パロディ寄りの悪ノリ作品という形で表現したのだ。
それは子供向けであるのはもちろんだけど、大人も頭を空っぽにして楽しめるよう意図して作られたものだったのだろう。

とにかく本作のストーリーは恐ろしくバカバカしい。
ジョーカー、ペンギン、キャットウーマン、ナゾラー(リドラー)といったその後の映画作品でもお馴染みの悪党たちが奇想天外なバカバカしい悪事を企み、それを防ごうとするバットマン&ロビンとハチャメチャな戦いを繰り広げる。
だいたいこんな筋立てであり、テレビドラマも毎回こんな感じなんだろうなと想像させられる。
バットマンやロビンが悪党たちを殴るたびに「POW!」(ボカッ)といった漫画の擬音が画面に挿入されるポップなんだかダサいんだかよくわからない微妙な演出もドラマ版と同じである。

あまりにもバカバカしいドタバタ劇なので、なんだかヤッターマンとドロンボー一味のバトルを見ているような気がしてきて、キャットウーマンがだんだんドロンジョ様に見えてくる(笑)。

それでも途中で投げ出さずに意外と最後まで観てしまうのはやはり「バットマン」という作品自体が持っている底知れない魅力、特にヴィランたちのイカれた魅力によるところが大きいと感じる。
特にシーザー・ロメロが演じるジョーカーは本作の中ではそれほど大きな役どころではないにも関わらず強烈な印象を残す。
自分にとってはこのシーザー・ロメロ版のジョーカーを観ることができただけでこのドタバタ作品を観た価値があったと言える。

ダークでシリアスなバットマンの登場はアメコミ界の鬼才フランク・ミラーが1986年に『バットマン:ダークナイト・リターンズ』という傑作コミックを発表するまで待たねばならない。
このコミックの大ヒットによってティム・バートンが『バットマン』(1989)を作る流れが生まれ、ダークなバットマン映画の歴史が始まるのである。

本作はジョエル・シュマッカー版のポップでキッチュなバットマンが好きな人は一見の価値あり。

『ダークナイト』(2008)や『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)みたいなダークでシリアスなバットマンが好きな人は一生観る必要がない映画(笑)。

映画作品としてはあまりにもバカバカしいので★二つ。ヴィランたちのイカれた魅力で★半分おまけ。

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盟吉津堂

2.0 大乱闘バットマンブラザーズ。 これを映画でやる意味とは…???

2025年4月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
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たなかなかなか

4.0 ツッコミどころ多いけど僕は好き

2025年2月23日
iPhoneアプリから投稿

笑える

楽しい

興奮

バットマンはちょっと太ってるしスーツも結構ダサいけど結構面白い
「バットコプター」や「バットハシゴ」など全てにバットつけたらバットマンの武器みたいな感じが好き

シーザーロメロのジョーカーがちゃんとジョーカーでよかった

でも105分がちゃんと105分の感覚でしたー

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コンパス小枝

5.0 バラエティ感覚

2020年8月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

テレビ版のアメコミの雰囲気が楽しめて大満足

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Sadahiro Kitagawa

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